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飲もう!



 さてさて時間は午後10時。優はもう寝てて、僕はこれから出かけなければいけない。師匠がいきなり飲みに行くからついて来いって。うぅ、寒い。



「裕一!こっちこっち!」

 そんなに大声を出さなくても聞こえるのに。しかも手をこれでもかというほど振るのはやめてほしい。こっちが恥ずかしいから。


「はいはい。はぁ寒かった」


「すいませーん、ビールもう2杯!」

 僕が来るなり威勢良く注文する師匠。その横には既に片手では数え切れない空のジョッキが置いてある。師匠はザルだからこの位の量は問題ないけど。運ばれてきたジョッキの片方を僕の前に置いて準備は整ったと言わんばかりの顔をする。


「今日はちょっと話さなきゃならん事がある以外は何もえから、ゆっくりしてけ」

 そうか、それでこんな遠くの居酒屋なんだ。ここは日付変更まで飲む事を前提としたような店だから全く問題無いという変わった店だ。


「りょーかい。今日明日は僕も優も特に用事がないしね」


「よっしゃ!じゃ、とりあえず乾杯!」

 カン!

 師匠は嬉しそうに顔をこちらに向けジョッキを高く掲げた。まるで合コンのテンションだ。


「う〜ん、まずさ、ずっと聞きたかったことなんだけど裕一これは?」

 師匠はそう言いながら小指を立てた。……似合わない。


「恋愛に関しては全くだよ」

 答えにもやや自嘲が入る。


「あれだけ周りに女の子がいるのにか?」

「?誰のことさ?」

「帝ちゃんだろ、優ちゃんだろ、あと……歩水ちゃんもかな」

 あぁもう、指折り数えるな!大体帝はともかく歩水は高校生だし、優にいたっては中学生だ。そういう目で見ること自体どうかと思うぞ!!


「裕一、もう少し素直になれよ。いくら相手が中学生でも長い間一緒に住んでるんだから一瞬でもそういう場面があってもおかしくないだろ?」

「う、…まぁ多少は」

 ゴニョゴニョと答える。師匠は目を丸くしつつ大爆笑してるし。多分素直に答えると思わなかったか、思っている事自体意外だったのだろう。まさか…謀られた!?


「ま、この話はまた後にして、と。裕一に酔いが回らないうちに言うこと言っとくか。お前やたらと酒に弱いから」

「しほうが強すぎるだけでしょ」

「しほう?かみやがったな!ハハハハハハ!」

 うぐっ、ものすごく恥ずかしい。


「そ、それより言うことって何!?」

 もはや無理矢理だけど話を変える事にした。もう笑うなって!!


「アハハハハ!はぁ久々にこんな笑ったぜ。んで、話ってのはな」

 師匠は急に真面目な顔になる。なんかえらい久しぶりにこの表情を見た。


「お前の妹の事だ。早けりゃ今月中に会える。と言うか帰って来れる」

 その言葉を聞いて僕はどんな顔をしてるだろうか? 無表情な気もするし、喜びに顔をにやけさせていたかもしれない。驚いているのもあり得る。


「鼎さん、どうも。ってあれ?なんかまずかった?」

 気まずそうに入ってくる帝。え、帝!?


「さて、じゃあ3人で飲みなおしますか。さっきの話を肴に」

 師匠がニヤリとこちらを向く。目は獲物ぼくを捕らえていた。なるほどさっきのまた後ではそういう意味か。僕は逃げられない地獄を予感した。妹に会えるかもしれないと言うことも分かったし腹を括ろうか。




 その後、家に帰ってきた僕はたまたま起きてしまった優によると魂が抜けたようだったらしい。

裕一君の妹は果たしてどんな人なのか? 次回かその次くらいで明らかに!

そんな訳で次回もお暇書き!!よろしくお願いします。

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