あれは食べれない! by優
「裕一、大変だよ! 大変だよ!! 変態だよ!!! あれ、なんか違う!?」
優が突然騒ぎだした。てか落ち着け、少し、いやかなり五月蝿い。因みになんでこんな昼間から優がいるかというと今日が既に夏休みだからだ。まぁ今日は土曜日だから関係ないけどさ。
「僕は変態じゃないよ? ところで、どうした?」
「なんかね、青っぽいカビの生えたモノが冷蔵庫の中にあったの! しかもくさいんだよー」
カビの生えたモノ? あぁ、この前もらったブルーチーズだな。
「美味いんだが、今は昼食べてないからその後で食べるか?」
「裕一、もしかして暑さでおかしくなっちゃった? カビの生えたモノは食べちゃいけないんだよ?」
うわぁ、スゲー腹立つなぁ。てか、本人が一番ばててるよね。横になって扇風機の前でア゛ーってやるのはいいけどさ、Tシャツで自分を仰ぐのはやめなさいって。段々あられもない格好になってるから。
「……優の昼、抜きな」
ごめんなさい! それだけはやめて!
優の悲痛な叫びが聞こえる中、僕はソファーを立ってキッチンに向かった。や〜め〜て〜って騒いでる優は放置だ。可愛いから昼食は作ってあげるけどね。
〜昼食後〜
「さて、じゃあアレ食べてみようか」
そう言って僕は冷蔵庫からブルーチーズを取り出した。優の目は明らかに汚物を見る目そのものだ。
「……裕一、本当に食べるの?」
ドン引きしてるよ。まぁ見てくれはかなり不気味だからなー。
「食べたら分かるって。いただきまーす」
モグモグ。いや〜、この独特な味が良いんだよね〜。昼間から贅沢だよね〜。
「あれ? 食べないの? じゃあ、もう一切れいただきまーす」
モグモグ。うん、やっぱ美味しいな。
「…じゃ、じゃあ、わたしも食べようかな。……いただきます」
いつになく真剣な優。いや、ブルーチーズは親の仇を見るような目で見るモノじゃないよ?
「モグモグモグモグモグモグ」
ブルーチーズの味わいについてあえて言葉だけで語るとするなら、そうだなー、口の中で独特な臭みが爆発したみたいになるって感じかな。まぁ、やっぱ食べてみるのが一番だよ。モグモグ。
「モグモグ……ゴホッ!!」
あ、優がむせた。んでそのまま倒れて……ってヤバいじゃん!?
「お、おい、大丈夫か?」
ガバッ! よかった。立ち上がった。そして急に走り出して、どこに行くんだろう?
「み、みひゅー(み、水〜)」
水って言ってもそっちはトイレだけど、いいのかな? あ〜、戻って来た戻って来た。てか、自分の家で迷子になるって。優、バカだなー。
お、そんな事言ってる間に戻って来た。
「 ゆうひひ、にゃにほれ!?(裕一、何これ!?)」
話し方が歯の無い人みたいだよ。聞き取りづらいし。
「だから、ブルーチーズだって」
「ひょくひぇひょほれ(毒でしょこれ!!)」
目の端に涙が見える。ちょっとやり過ぎたかなー。いや、僕は何もしてないけど。
「う〜、くひゃい(う〜臭い)」
未だに悶えてる優を見てるのはなかなか面白い。芸人みたいですね〜。
「ごめんごめん。まだ優には早かったか。ほれ、好きなオレンジジュース」
それすらも疑いの眼差しで見る優。僕の信用は完全になくなったようだ。
「は〜。まだ口の中で変な匂いがする。裕一!! これは食べ物じゃないよ!!」
相当ご立腹ですよ。う〜ん、どうしようかな。
結局、優は明日のオヤツをドーナツにするという約束で機嫌を直した。いや、むしろ踊り出しそうだったね、あれは。そんなに好きなら今度作ってあげよう。火傷するから大変なんだけどさ。
因みに、その翌日は秋ちゃんも来て2人でブルーチーズを食べて悶えてた。秋ちゃんにも凄い恨めしい目で見られたんですよ!? 勧めたの僕じゃないのに。
そんなこんなで夏休みが始まったのだった。
いやぁ、ブルーチーズって臭いですよね。僕も最初優みたいになりましたよ。あの後慣れましたけどねw
久々にのほほんできました!書いてて楽しかったですよ
では、また次回!!




