戦闘
この話しはクトゥルフ神話を元にしていますが、オリジナル設定や自己解釈が多数含まれています。
よ読まれる方はお気をつけ下さい。
男は思った。このショゴスどもは一体何処へ向かっているのだろうか?男は姿を隠している、なのでバレる事はまず無い。現にショゴス達は自分とは逆の方に向かって動いている、男の疑問はすぐに解決した。ここから少し離れた場所で大きな音と人間の叫び声が聞こえた。
男は思わず毒づく、「何でこの場所に民間人がいるんだッ!!!?」この場所は俺達以外の人間は入れないように封鎖されているはず、なのに人間がいる。もしかして神格かと思い焦り急いで確認しても神格クラスの反応は無い、恐らく本当にただの民間人なのだろう、でも神話生物がうろうろしているこのような場所で声をだす時点で相当頭がおかしい連中なのだろう。
男は、仲間に連絡をいれる。「民間人を確認した。これより戦闘を開始する」、「お、おい、持ち場を離れるなって言ったばっかだろォ!?、今からそっちに行くから通信を『了解した、通信を終了する』切るんじゃねぇぇッ!」仲間から許可をもらい、男は民間人の元に向かう。
「お前達は隠れてろ!、戦闘の邪魔だ!」僕達の前に現れた男はそう怒鳴り付ける。僕らはその言葉に従って、近くの茂み日に隠れた。ただ不思議なことにあの化け物どもは移動する僕らに目もくれず、乱入者の方に意識が向いているように見えた。
民間人が隠れるのを確認すると起動スペルを詠唱する。と同時にショゴス達が同時に触手を伸ばしてくるが、それを紙一重で回避する。
『我、救世の鍵に選ばれし者なり。世界を混沌へと導く者に秩序の槍をッ!!、力無き者の盾となりッ!、我に混沌に立ち向かう勇気をッ!!、我はこの3つの誓約を守る者ッ!!』俺は一気に呪文を詠唱する。
『我が名は、ブリューナク、神話を貫く烈火の槍ッ!!!』
僕は……いや、おそらくこの場にいる人間が全てが今起きた現象に目が釘付けになっただろう。
男が何か喋っていると、男の目の前に銀色に輝く鍵が現れた、そしてその鍵が槍の形へと変わっていった。そして爆発したのかと思う程の光が辺り一面に撒き散らされる……………
男はその光の中に立っていた。男の手には、男の身長の倍近くのの長さの槍、一つ珍しいといえば両方に刃がついていた。突然ショゴス達は狂ったように男に触手を伸ばす。
男は手に持った槍を振る、全方位に衝撃が放たれ、ショゴスが吹き飛ぶ。『灼熱よ、邪悪な者を捕縛する鎖となれッ!何人たりとも逃れられぬ灼熱の鎖ッ!!、封浄紅鎖ッ!!!』男はさらに何かを詠唱する。魔方陣がショゴスの近くに出現し、そこから、赤い色の鎖がショゴスの身体に突き刺さり、ショゴスの自由を奪う。「さて、そろそろ終わりにするつもりだが、言い残したことがあるなら……」俺はショゴスに語りかける
「あの世で言え、最も……お前らにあの世があるのかどうかは知らないけどな」と身動きが取れないショゴスに話しかける、「俺はお前達が嫌いだ……だから、消滅しろォォ!」
『 紅の槍ッ!、紅穿突ッ!』持ってる槍から炎が迸り、捕縛してるショゴス達が一列に並べられ、そこに向かって男は槍を思いっきり投げた。炎を纏った槍がショゴスに触れた瞬間、ショゴスが蒸発するように大量の煙を出し消えていく。
そして、最後のショゴスが消滅すると、男は僕らに声をかけた。「ショゴスはもういない、大丈夫だ」
「あの……助かりました……」川内が警戒しながら、お礼を言う、それもそうだろう、あんな化け物、確か男はショゴスとか呼んでいたか、それをたった一人であんな大群を倒してしまったのだから。
こういうとき、何て言えば良いのかわからない……そう言えばこういうときは自分の名前を言えば良いと先輩が言っていたな…………
「俺の名前は…………」男は話しだす。
「俺の名前は金剛 武蔵だ。」