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第三十三話 中層 その1

 金属の鎧がこすれ合う音。話し声。多くの人々が放つ、体温と足音。四方に焚かれた篝火の、薪がぱちりと爆ぜる音。

 元は冷えていたであろう空気も、冒険者が集まる中にあって、ぬるまっていた。

 

 迷宮の広場は、広大な空間の端に、更なる地下へと人々を飲み込むためのいくつもの口を開けていた。

 ここは、地下十五階。上層と中層の境界線のうち、中層側へと足を一歩踏み入れた深さにある、広い洞窟。


 第二の街と呼ばれる、迷宮内におけるベースキャンプである。


「はい、押さないで押さないで。同一パーティは横一列に並んでくださいね」


 ドーム状の洞窟の壁や天井は、表面が結晶化した魔石で、薄紫色の淡い光を放っていた。広場の端、更なる下層へと続く穴めいた道の前には荒縄で区切りがされていて、胸に炎帝ヘリオスの紋章を象ったペンダントの冒険者ギルドの職員が、一パーティずつ別々の穴へと送り込んでいる。


 迷宮城の入り口と同じく、冒険者ギルドの職員がいることからもわかるように、ここは街が管理している広場だ。各種商店に加え、商業ギルドが派遣した、簡易な迷宮素材の買取所まである。

 

 ベースキャンプには荒縄で区切られたスペースがあり、その中では、何もない空間から冒険者が次から次へと現れていた。迷宮の入口で1,000ゴルドを払うと、一番から二十番までの特殊な小屋に案内され、その中に設置された魔石から、ここベースキャンプまで一瞬で移動できるという仕組みになっている。


 なお、物は試しと言うことで、今回は俺たちも1,000ゴルドを払って上層から転移してきた。本当に、魔石に触れてからものの十秒そこらで中層に到着した。

 余談だが、利用料は一回1,000ゴルドなので、節約のために徒歩で上層から中層まで歩いてくる冒険者も多い。


「便利なものですね、ご主人様。中層まで一瞬で来れるなんて」


「そうだな。いよいよ俺たちも、中層冒険者か」


「エマ、頑張る」


 ふんす、と気合を入れて鈍魔鋼ウーツ闘斧バトルアックスを背負いなおすエマであった。



 

 

 ダグラスの店で、エマの板金鎧プレートメイルと闘斧を注文してから、まる一ヶ月が経っていた。


 エマたちが休日も返上して迷宮に潜った結果、彼女たちは宣言通りにレベル300に到達した。


 というか、三週間を過ぎたぐらいであっさりと達成してしまったものの、エマが闘斧を装備するための筋力が欲しいとかで、レベル300を越えた後も余分に迷宮に潜っていたらしい。今では、全員がレベル350を越え、最も高いエリーゼに至ってはレベル400に達している。


 その間も俺は迷宮に潜り、日銭を稼ぎつつ、恐狼を相手にレベルとスキルの向上に努めていた。いわば、特に変わり映えのない、いつもの日常を送っていたわけである。結果、俺のレベルは600を越えた。


(俺が追いつかれたら、本物のヒモになっちまうからな)


 エマたちの成長が早かったので、この一ヶ月は追いつかれないように必死だった。先輩冒険者の沽券にも関わる。


「早く、ご主人様と冒険したい」


 冒険者の長蛇の列を見ながら、うずうずした様子のエマである。この一ヶ月間で、以前と比べると流暢に喋るようになってきたエマだったが、やや物騒というか、脳が筋肉で出来ているというか、好戦的な性格が表面に出てくるようになった。


「そんなに冒険、気に入ったのか?」


「うん。自分が強くなっていくのが楽しい」


 心おきなく地の性格を出せる環境で暮らさせてやれているという一点においては良いことであったが、稀に頭を抱えるほどの脳筋発言をすることもあり、新たな頭痛の種となっている。


「焦らないの。そもそも今日は、中層の慣らしも兼ねて、素材を集めるって決めたでしょ?」


「でも、魔物も出てくる」


 たしなめるエミリアに、逸るエマである。

 

 エミリアの言う通り、今日は素材集めの日と決めていた。上層にはほとんど自生していない迷宮産の食材や薬草が、中層からは採取できるのである。


「番号札、三十番の方、前へどうぞ」


 三十番は、俺たちのことである。幾多の冒険者に使いまわされて、彫り込んだ文字が薄れてきた木片をギルド職員に渡し、更なる深部へと向けて、俺たちは穴めいた道へと、足を踏み入れた。


「階段なのね。誰が作ったのかしら、これ」


 四人が並んで歩けないほどに穴の中は狭かったので、エマとエリーゼを先行させ、俺とエミリアは後から続く。壁も、天井も、そして床も、結晶化したマナで薄紫色に光る中、足元には下へと降りる階段が続いていた。一段あたりがしっかり広い、金属鎧でも無理なく通れる、ゆったりとした段差である。


「わあ」


 先行していたエマが、感嘆の声を上げる。

 迷宮上層の、蟻の巣めいた迷路を想像していた俺たちにとって、それは予想外の光景だった。


 あちこちに、木が生えていた。床からも、膝丈ほどの草が生えていた。

 小さな林のようにすら見えるそれらは――葉が、すべて真っ黒だった。


 そこら中に生えている潅木の幹は、普通に茶色や白っぽい色であるのに、地面から生える雑草や、木々の枝から広がる葉は、すべて黒一色なのである。光を吸い込むような、漆黒の葉だった。


「光もないのに、どうやって成長してるんだ、この葉?」  


 試しに、暗視ナイトサイトの指輪の機能を一旦切ると、途端にあたりは真っ暗になった。野放図に植物が生えているように見えて、実はそこかしこに迷宮の壁があるらしく、木々や葉の隙間から、魔石が結晶化した薄紫色のわずかなきらめきが見て取れた。


「植物が生きていけるほどの光、ないよなあ」


 暗視の指輪を再び発動させて、視界を元に戻す。やはり、薄紫色の壁、木々の幹である白や茶、そして黒い葉っぱと、彩りに乏しい草原であった。


「迷宮産の食材は、マナを吸収して育つって聞いたことがあるわ。光がいらないから、あんな色の葉っぱなんじゃない?」


 魔鎧リアクティブアーマーの詠唱により、全身に淡い光を纏ったエミリアが考えを述べる。


「黒い葉は、視野が確保しにくいですね。茂みや、木の上に魔物が潜んでいるかもしれませんし」


 狩人としての視点から、エリーゼが難しい顔をした。気配探知スキルが成長しているために、索敵だけで考えれば、敵から奇襲される可能性は低いのだが、それ以上の隠身スキルを持つ相手には、気配探知スキルは無効化されてしまうのだ。


 いまや全員の愛読書となっている魔物シリーズ図鑑によると、中層の死因、その最も大きな一つである魔物の首狩兎ヴォーパルバニーは、高い隠身ハイドスキルからの奇襲を得意とするらしい。


「ん、新人ニュービーか?」


 あたりの景色を眺めているうちに時間が経ってしまったらしく、後ろの階段を歩くどやどやという音が聞こえて間もなく、次のパーティが姿を現してしまった。上層と違って、中層には冒険者が多いのだ。


「や、すいません。初めてだったもんで、景色が変わって驚いてました」


 俺は頭を下げつつ、脇に避けて進路を譲る。俺たちがどかずとも、彼らが余裕を持って通れるほどに道は横に広いが、無闇な諍いは避けるべきであろう。


「懐かしいなあ、俺も初めて来たときは驚いたもんな」


 新手の冒険者は、三人パーティだった。みな男で、戦士ウォリアー狩人レンジャー魔術師メイジと基本を抑えた構成である。


「中層が初めてなら、罠と首狩兎に気をつけろよ。ウサギはもう少し下に降りないと出てこないが、知能のある魔物が罠を仕掛けてたりするからな」


「はい、助言ありがとうございます」


 俺が頭を下げると、今まで話しかけてきていた戦士の男は鉄兜の面頬を降ろし、彼らは奥へと進んでいった。


「こうしていてもしょうがないし、俺たちも奥に進むか。エリーゼ、ゆっくり、慎重に進もう」


「了解です」


 戦闘態勢に入ったので、エリーゼの返答は短い。 

 パーティの連携を慣らす意味もこめて、何度か四人で上層を冒険したことがあるので、動き方はある程度、定まっていた。


 エリーゼが先行して歩き出す。身をかがめつつ、足音を殺しながら、遮蔽物に隠れつつ、先々の様子を窺う。身振り手振りがわからなくなるので、魔物に奇襲するとき以外は隠身ハイド状態にはならずに進んでいく。


(キツネ目ってダグラスが言ってたが、動きは猫科だよなあ)


 身軽さを重視した装備で、抜き足差し足、時には四つん這いになって先行するエリーゼである。


 彼女は、冒険の邪魔になるという理由で、頭装備は茶色の手ぬぐいしか付けていない。頭全体をすっぽりと布で覆い、流れるような黒髪は紐でしばってまとめてある。身体には鋲皮鎧スタデッドレザーアーマーを着込み、ベルトから提げた小さなポーチに回復薬ポーションの小瓶だけを入れ、俺たちと違って背嚢バックパックも持っていない。


 ローブですら身にまとうのを嫌がった。あちこちに引っかけてしまうのが気になるのだという。冒険前夜に、思わず訊ねてしまったものだ。


「下世話な話ですまんが、排泄とかどうするつもりだ?」


 ローブで隠せないのは、年頃の少女にとっては厳しいものがあるのではと俺が聞いたところ、軽く頬を染めながらこう返してきたエリーゼであった。


「そこはほら、隠身スキルがありますから」


(鋲皮の兜ぐらい身に着ければいいと思うんだが)


 視界が少しでも狭くなったり、聴覚が下がったりするのも嫌だと言い、エミリアが装備しているような顔を出せる皮兜をかぶってもいないのだ。徹底した身軽さである。


 先行したエリーゼが索敵と罠の有無を調べ終え、安全地帯を確保できたら、手招きをされるので、俺たちはその地点まで進む。俺たちをその場に残して、エリーゼはさらに先行する。この繰り返しだ。


 エマが歩くたびに、斧を地面に引きずるかりかりした音と、板金鎧の硬質な足音が響く。足元にもまばらに黒い草は生えているが、物音を殺すほどではないのだ。



「ご主人様」



 困惑顔のエリーゼが、俺たち三人のところに戻ってきたのは、二十分ほども進んだ頃である。


「どうした?」


 俺も手短に返答する。もちろん長剣ロングソードは抜き放っていて、今も臨戦態勢を解いていない。


「迷宮の構造なのですが。先に進む――つまり、より深く潜るたびに、森が広がっているような気がします」


「どういうことだ?」


「ジル、これ見て」


 地図係マッパーを兼ねたエミリアが、手に持った紙を差し出してきた。 

 粗悪な原料を使った、質のあまり良くない、表面のざらついた紙だが、そこにエミリアが図形や文字を書き込んでいる。

 

「これは、扇形か?」


 その地図は、俺に驚きをもたらした。


 出発した第二の街、ベースキャンプを中心点として、俺たちが進んできた道は、狭めの扇形を成していた。少しずつだが、末広がりになっているのである。


「最初は広くもない通路でしたが、だんだん森が横に広がってきていますよね。

このまま進むと、恐らくは広大な森のような部屋になってくるのではと」


 どういう仕組みなのかはわからないが、ある程度の広さごとに、迷宮の壁は狭まっていて、その通路を抜けると、新たな森というか、エリアが広がっているのだ。

 俺たちは、その狭い通路と狭い通路の間、開けた空間のことを、部屋と呼んでいた。部屋の中に、森が広がっていることになる。 

 

「まるで、この迷宮を、誰かが作ったみたいだな。部屋があって、通路があって、宿屋か何かか?」


「人工物みたいに部屋割りが整ってて、あながち笑い話にもできないのよね。信憑性がありすぎて」


 難しい顔をしているのはエミリアである。地図係をしているので、なおさら何者かの手が迷宮に加えられていることを感じているのかもしれない。


「部屋を一枚の鱗に例えるなら、迷宮の構造は、鱗の生えた扇形ね。それも、より深く迷宮に潜ると、一枚一枚の鱗が大きくなっていくみたいな」


「エリーゼが言いたいのもそういうことか?」


「はい。このままだと、一部屋あたりの森の大きさが、とんでもないことになってきそうで。索敵や罠の有無を調べるのも、少し部屋が広くなるだけで段違いの時間がかかりますし」


 ふうむ、と地図を覗き込みながら俺は考えこむ。


「でもさ、今まで一本道だったよな?」


 俺の言葉に、エリーゼとエミリアが、はっとなった。 

 部屋には、元来た道である入り口と、より深部へと進む出口の二箇所しかなかったのだ。


「他の冒険者と出くわしていないから、狩場は更に先にあると考えるべきだろう。

もう少し進んでみよう。エリーゼも、異常があればすぐに言ってくれ」


「了解です」


 エリーゼが俺たちから離れていこうとするも、エミリアがそれを止めた。


「ちょっと待って、試したいことがあるから。火事になりそうだったら、作水クリエイトアクアの魔法で消してね」


 言うや否や、手近な木に向かって、エミリアは火矢ファイアアローを詠唱し、打ち込んだ。風切り音とともに木の幹に着弾した火矢は、火の粉を散らして燃え尽きる。


「燃えないの?」


 火矢が命中した部分は、木肌にわずかな焦げがついているだけだった。


「どうしたんだ、エミリア?」


「これだけ森が多いんだったら、うかつに火属性の魔法を使ったら、火事になるかもって思ったの。でも見て」


 俺たちの見ている前で、焦げていた木肌がうっすらと輝き、それが収まるころには、傷一つない木の幹に戻っていた。


「治ってる」


 エリーゼが絶句する。


小回復ヒールの光に似てたわ。この木や、森自体も、普通じゃないんだと思う」


「植物にもマナが通ってるのか? 燃えなかったり、傷を治したり――」


 俺が喋りかけたとき、エリーゼが弾かれたように短剣ダガーに手を伸ばした。視線は森の中へと注がれている。数瞬遅れて、俺たち以外の何者かの気配を俺も感じた。


「戦闘準備、基本形!」


 俺の指示に素早く反応して、エリーゼを隠すように板金鎧のエマが前へと歩み出る。引きずった斧の柄を両手で握り、いつでも駆け出せるように身構えている。


 基本形と俺たちで名付けたこの陣形は、敵を正面から迎え撃つときの並び順だ。

エマを前に出し、その次に遊撃の俺。後衛はエミリアで、背後からの奇襲警戒とエミリアの護衛がエリーゼだ。


「来ます」


 相手も俺たちに気づいているのか、森の中から真っすぐ俺たちに向かって進んできているようだ。植物をかきわけるがさがさという足音や、たまに交ざる硬質な金属音。


 やがて、最後の茂みを揺らしながら俺たちの前に現れたのは、全身に鋲皮鎧を身に付け、抜き身の錆びた帯広剣ブロードソードを手にした人物だった。


 これも同じく鋲皮製の、安価なかぶり物である革兜を身につけた彼は――兜の中身が、白骨だった。


骸骨剣士スケルトンウォリアーだ!」


 俺の叫び声に、パーティの面々は武器を構える。相手にとってもそれは契機になったらしく、落ち窪んだ眼窩の奥に一点の赤い光を点らせた骸骨剣士は、歯を打ち鳴らせながら――錆びた帯広剣を振りかざし、走り寄ってきた。


 俺たちのパーティからは、エマが走り出した。俺は、エマを見送って戦列を動かない。もし、エマが回避されて後衛にまで敵が迫ってきた場合、第二の前衛として食い止めるのは俺の役目だからだ。 


 斧を引きずりながら、鈍重に走る板金鎧プレートメイルのエマとは対象的に、ところどころ剥げた鋲皮鎧スタデッドレザーアーマーを身につけた骸骨剣士の身のこなしは軽い。

 

 たちまち両者の距離は縮まり、骸骨剣士は振り上げた帯広剣を、エマに振り下ろした。エマは避ける素振りも見せず、身体をしずめたかと思うと、頭から飛び込むように、骸骨剣士のどてっ腹に体当たりをくらわせた。

 相手も走りこんできていた勢いがあったせいか、カウンターめいた腹への頭突きのせいで骸骨剣士の足が浮き、尻から地面へと倒れこんだ。

 

 間髪いれず、エマは生身の人間であれば股間のあたりであろう骨盤を踏んで動きを止めると、左手は柄に添えたまま、斧の刃に近い首部分を右手で持ち上げ――



「うお――りゃああああッ!!」



 裂帛の気合とともに、倒れこんでいる骸骨剣士の顔面目がけて鈍魔鋼の斧を振り下ろした。命中の瞬間、予想していたほどの大きな音は出なかった、と思う。

 紙を裂くように頭蓋骨を粉砕し、斧は深々と地面に突き立ったのだ。地面に刺さったことで、音が減ったのだろう。


「ふんッ!」


 エマは、油断をしなかった。骸骨剣士の頭から股間までの正中線に沿うように、地面に刺さった斧を抜きつつ引き斬る。

 鎖骨、胸骨、腰椎をぶった斬って、エマが手元に斧を引き寄せて、引きずるように構えなおしたとき、もう骸骨剣士は動かぬ骨の欠片と成り果てていた。


 これが今のエマである。戦士として、前衛として、頼もしいのは間違いないのだが、奴隷商人の元から連れ出してきたばかりの、か弱く折れそうなエマをつい思い出すにつれ、あの頃のエマは可愛かったなどと回想に浸る俺は間違っているのだろうか。


「終わりました」


「お疲れさん。怪我はないか?」


 錆びていたとはいえ、正面から長剣の一撃を頭から肩にかけてもらっていたのは間違いないのだ。


「鎧のおかげで、大丈夫です。むしろ手ごたえがなくて物足りないです」


 どこをどうして、あのエマがこんな戦闘民族に進化してしまったのか、俺は心の中で泣いてもいいのではないだろうか。


「先ほど、森の中を探索した時点では、この骸骨剣士はいませんでした。新たに湧いたのでしょうか?」


 迷宮の中では、魔物は突然、出現する。上層で、一度だけその現場を見たことがあった。かなり遠くではあったが、何もない空間が淡い光で包まれたかと思うと、光が収まった後には豚人オークがいたのだ。

 魔物が出現することを、冒険者たちは魔物湧き、などと表現している。


「そうだろうな。こういうこともあるから、背後の警戒は厳重にしていこう」


 安全地帯として確保していた後方に、魔物が湧く可能性もあるのだ。


「かしこまりました。進みます」


 エリーゼが、再び先行して歩き出す。すでに骸骨剣士の遺骨は迷宮に吸収され、残された魔石はエミリアが背嚢にしまいこんでいる。一日の冒険が終わった後に、公平に分配するのだ。


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