千里(2)
誰でもいいから答えてほしい。
「僕の前世ってサンタなのかな……」
クリスマスの朝、起きたら僕はパンツ一丁にサンタ帽子とサンタマントにくるまっていた。
きっと前世はサンタで、クリスマスに僕の体は興奮を抑えきれずにサンタコスチュームを寝ながら着たのかも。
「てかこれ……洸のだし」
それに、着ていたパジャマはどこに行ったのだろう。
「あ、プレゼントだ!」
回転椅子の上に包装されたプレゼントがある。
今年は洸と葵がプレゼント決めをしたから、僕は自分へのプレゼントの内容を知らない。
「何かな……」
葵は心配していないけど、洸は僕に悪意を持った何かを選んできそうだ。
前回の葵のクリスマスプレゼントは本当に高かったし、僕が選んだ洸へのクリスマスプレゼントはちょっとだけ悪戯心が入っていたし。
「千里、何してるんだ。服を着ろって。次は世話しないぞ」
プレゼントを開けようとしたら、葵がドアを開けて膨れっ面で立っていた。
「今着るよ。ねぇ、このプレゼント、葵と洸が決めたんでしょ?僕へのプレゼントは何?」
プレゼントは何だろう?
「こら、先ずは服!」
葵がプレゼントに伸びた僕の手を阻んで無地のパーカーを無理矢理着せてくる。
「今日はにゃんこTシャツの気分なんだけどなぁ…………あ、それ何?」
と、僕は屈んだ葵が珍しくネックレスを付けていることに気が付いた。メタリックの錨にキラキラした青の雫と繊細な片翅の蝶が付いているそれは僕好みだ。
「いいなぁ。どこで買ったの?」
「………………プレゼント見ないわけ?」
あ、逸らされた。
葵の意地悪。僕とお揃いは嫌ってことですか。
「……見るよ」
「見たらリビングな。昨日の夕食の残りは早い者勝ちだから。ケーキとか」
「はーい。…………あーあ、あとで洸にサンタコスチューム返さなきゃ」
僕は葵が部屋を出たのを見計らって、溢れてきた好奇心任せに包装を破った。
小さい時――櫻に幽閉されていた頃はクリスマスなんてなかった。崇弥家で初めてのクリスマスパーティーをして、その翌日、初めてのクリスマスプレゼントを貰った。玩具などをあげてお祖父様に取り上げられないように、慎さんは僕にマフラーをくれた。
子供用マフラーは今の僕には小さく、それでも捨てることもフリマに出すこともできずに大切にしまってある。
でも、現在はロリコンの洸のお陰でロリな知り合いが増えたから、誰かに譲ろうかな。
使われずにしまわれたままもマフラーが可哀想だし。
「あ……………………あれ?」
プレゼントの中身は先程、葵がしていたものとお揃いのネックレスだった。
雫が緑色で片翅の蝶は葵と向きが逆。お揃いで間違いない。
てことは……――
「ペアネックレスってこと?」
僕と葵のペアネックレス?
だから、普段はネックレスとかしない葵が見えるようにネックレスをして、僕が質問してもプレゼントを開けるように言ったんだ。
葵ってホントに可愛い。
僕は包装のゴミを床に放置してリビングに向かって駆け出した。
「ねぇ、あお!あおが僕にこれ付けてよ!」
クリスマスって最高だ。
この話でクリスマスイベ話は終了ですが、時間の関係上、ここまでしか書けませんでした(*ノωノ)(*ノωノ)(*ノωノ)スミマセンっ////
ですが、まだまだ書き足りないので、活動報告にでもちまちまおまけとして書きたいと思います(*‘∀‘)
気長に待っていただけると嬉しいです^^
それよりも今は、本編etcを進めないと(*_*;