ボクの友達
今回、初の投稿です(〃艸〃)文章力は全くないですが、好奇心旺盛なために チャレンジしてみました。
暇潰し程度に読んで頂けると光栄です(*´艸`)
また、雪の降る季節がやって来た。だけどボクは雪が嫌いだ。
ボクはこの季節が終わると中学生になる。だけどボクには友達なんて一人もいない。きっと、中学生になっても一人なんだ。
最近、ボクのところにやってくる女の子がいる。ボクと同い年だろうか。そして、やたら話かけてくるんだ。
「ねぇねぇ、一緒に遊ぼうよ。」
その子はいつもニコニコ笑っている。ボクとは正反対だ。
「そういえば、名前知らないね。私はユキっていうんだよ。名前教えて。」
ユキ…ボクの嫌いな雪と同じだ。
「何でみんなと一緒に遊ばないの?」
ボクはユキが嫌いだ。イヤなことを聞いてくる。
「どうして何も話してくれないの?」
ボクはユキが嫌い。無視をしてるのにユキはいつもと同じ笑顔だ。
そして次の日も、またその次の日も、ユキはボクのところへやって来る。そのたびに、何故かボクの心が傷むばかりだった。
ボクは決意をした。今度来たら、嫌いだということを伝えようと。
そして、またユキがやって来た。
「おはよう。」
いつものように笑顔でやって来た。
「ボクはユキのことも、この冷たい雪も嫌いなんだ!だから、もうボクのところにはこないでくれ!」
ボクはそういって走った。きっと明日はボクのところなんかには来ないだろう。
今日はボクの嫌いな雪は降らなかった。そして、ユキも来なかった。来るはずない、だってボクは酷いことを言ったんだから。
雨がザァーザァーと降っている。ボクは雨は好き。雪とは違って、雨が降るとみんなは外へは出てこないから。
今日は雪が降った。みんなは喜んで外へ出る。何が楽しいんだろう?手でそっと触れるだけで消えてなくなるのに。
「おはよう。」
ユキがボクのところへやって来た。
「何でボクなんかのところに来るの?ボクはユキに酷いことを言ったんだよ。」
ボクは下を向いた。
「どうして、私が嫌いなの?」
ボクに話しかけてくるから。
「どうして、この雪が嫌いなの?」
みんな楽しそうな笑顔をするから。
「どうして、ユウキくんはみんなから離れようとするの?」
「どうして、ボクの名前を知ってるの?」
ボクは驚いた。名前なんて教えてない。
「知ってるよ。私は全部知ってるの。雪を嫌いなのも、自分の名前も嫌いなことも。」
ボクは自分の名前が嫌いだった。だってボクには似合わないから。ボクには『勇気』がない。
「私はね、冬の精霊なの。
いつも下を向いている、ユウキくんが心配で雪が降るたびにユウキくんのところに来てたの。」
ボクは信じない。きっとからかっているに違いない。
「ボクは嘘つきは嫌いだ!だからユキも嫌いだ!!」
ボクは叫んだ。
「だったらユウキくんも嘘つきだよね。」
「どうしてボクが嘘つきなのさ。」
「だって、ユウキくんは本当はこの雪も好きだし、みんなとも友達になりたいのに、嫌いだって言ったり、みんなとも離れるから。」
ボクはユキが怖い。だってボクを知ろうとするから。
「どうして、ユウキくんは下ばかりを向いてるの?」
「だってボクには、一緒に遊びたくても友達がいないんだ。ボクに友達になろうよと言ってくれても、すぐに離れていくんだ。きっとボクが大人しいから離れていくんだよ。雪が降って、みんなは友達と楽しそうにしてるのに。ボクも外へ出て降る雪にそっと触れてみる。だけど、すぐに溶けてなくなる。ボクの前から離れていった友達みたいに、とても儚くて、虚しい気持ちになるんだ。」
そう、雪は一瞬にしてなくなる。
「ユウキくんにはあと少し、勇気が必要だね。でも、大丈夫。」
「無理だよ、ボクには。」
「ちゃんと自分の気持ちを言える勇気があるんだから大切な友達が出来るよ。」
ユキはニコニコと笑っていた。
「自分の気持ち…。」
ボクはそっと胸に手をあてた。
「やっと本当の気持ちを聞けて良かったよ。寂しいけれど、私は今日でユウキくんとはお別れ。でも、ずっと友達だよ。」
「え?」
ボクは凄く悲しくなった。
「やっぱり、ユキもボクから離れていくんだね。」
もう、何もかもイヤになってきた。
「私は人間ではないから、元の場所へ帰らなくちゃいけないの。たとえ、近くにいてもユウキくんには見えない。その代わり、雪が見える。毎日は無理だけど、この雪は私が降らせているんだよ。ユウキくんはもうユキと友達になったんだから雪は嫌いじゃないよね?」
ユキはじっとユウキを見つめた。
「でも、雪はすぐに消えちゃうよ。」
「ユウキくん、雪はね確かにすぐに溶けちゃうけど、そうじゃない雪もあるんだよ。」
「どういうこと?」
「もう時間みたい。バイバイ、ユウキくん。明日、ユウキくんに素敵なプレゼントを贈るね。」
そういって、ユキはボクの前から消えてしまった。降っていた雪も止んで、空は青々と晴れていった。
また、ボクは一人になってしまった。
それから翌日。
「ユウキ!ちょっと起きてみなさい。」
お母さんがボクを起こした。
「まだ起きたくないよ。」
ボクはそんな気分じゃない。
「外を見てみなさい。」
ボクはしぶしぶ外を見た。
「これって…。」
そこは真っ白なじゅうたんを敷いたように雪が積もっていた。
ボクは外へと走った。あのすぐに溶けてしまう雪が真っ白な綺麗な色をつけていた。初めての雪を踏む感覚、手でつかむことも出来る。
ボクは雪が積もるのを見たことがなかった。そうか、これがユキからのプレゼントなんだ。
ボクは知らなかった。雪がこんなにも真っ白なことも、足で踏めることも、手でつかめることも。
そういえば、ボクは話しかけてくれても下を向いてばかりで、その子のことを知ろうとしてなかった。ユキはこれを伝えたかったのかな。
「ねぇ、ボクも一緒に遊んでもいい?」
ボクはユウキ、自分の名前が好き。だって名前みたいに『勇気』がある男の子になろうと頑張れるから。
「いいよ。」
ボクは雪が好き。だってボクの友達だから。
でも、雪が降らなくても寂しくないよ。
だって、ボクの名前には『ユキ』がいるから。
ボクは中学生。今、ボクには大切な友達がいる。
閲覧ありがとうございますΣ(ノд<)
私も正直、人付き合いが得意ではありませんでした。人見知りで、恥ずかしがり屋だったので変に勘違いをされて嫌な経験もしたことがあります。
そんな私も今では人と話したり、笑わせることも好きで、なにより自分のことを好きになれました(。・∀・。)
人や色んなことに興味を持つことは、自分を変える一歩であり、本当の自分にも出会えると思います(^^)
最後までお付き合い頂き本当にありがとうございました。