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fairy tale  作者: トウリン
キョウシンの力
16/35

エピローグ

「どうだった?」

 ヒラヒラと舞い戻ってきた紫の蝶に向けて、少女が問いかける。

 ――ふふ。楽しそうだったよ。愛璃も、馴染めそう。なんだか、拾われたばかりのノラの仔猫みたいだった。

「お姉さんは?」

 ――……元気だった。でも、何かに気付いたと思う。

「そうか。つらい?」

 少女の言葉に、蝶はしばらく答えず、周囲をゆっくりと舞った。

 そして、再び、鈴の音のような澄んだ声が響く。

 ――お姉ちゃんに、わたしの他に大事な人ができるのは……わたしよりも大事な人ができるのは、つらくない、と言えばウソになっちゃう。だけど、早くわたしのことを『思い出』にして欲しいと思っているのも、本当なんだ。わたしとお姉ちゃんの道は、もう、重なることはないから。重ねちゃ、いけないから。

 蝶に、『表情』はない。

 けれども、寂しそうな微笑を浮かべているであろうことは、少女には容易に想像できた。

 だから、彼女は、微笑む。

「次に、行こうか」

 ――うん、そうだね。行こう。

 また、新たな道を、作りに。

読んで下さって、ありがとうございました。

次はまた、別の主人公です。

感想、評価などいただければ幸いです。

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