意志
何やってんだ俺。コントしに来たんじゃないぞ。
「そうか、妖剣が欲しいならこのわしを倒してからにしろ。」
「死亡フラグ乙。」
さっきの兵士と同様王の体が変形して巨大な氷の塊になる。塊をよく見るとそれは鳥の形だとわかる。
「凍えて永遠に眠れ。」
「そんなの嫌だね。」
氷の鳥は、翼を伸ばすこともできるそうで、翼を伸ばして突き刺してくるような攻撃をしてくる。氷の翼を殴って砕きながら王との間合いを詰める。
こいつを移動させないと、隠し扉には行けない。こいつを怒らせて外で戦うかな。鳥の頭を力を込めて殴ってあげると鳥は悲鳴を上げた。
おいおいもう終わりかよ。俺だって氷の破片が顔とかにあたって切り傷ができちゃってるんだぞ。
「それだけか。」
!?、そういえば頭つぶしたのにどうやってしゃべってる。驚いている間に。
「あーれー。」
体が飛ばされてアニメのように壁を突き抜けていく。これは思ったより痛い。ヒーローって大変だな。
「これでおわりじゃの。」
いつのまにか外に出ていて目の前に鳥が見える壊したはずの翼も頭もなおっている。
「ちくしょう。」
それ以外に思い浮かばなかった。地面にたたきつけられる。おまけに体に氷が刺さってるじゃないか。
苦しいが立たなきゃダメだろ。
「俺はまだやれるぜ。小鳥さん。」
「まだ立てるのか、わしに魔法は効かないはずだしなさっきの攻撃には驚いたが体が丈夫なだけか。」
「残念だけど。そうじゃないんだぜ。あいつには教えなかったけどな。俺の強さの秘密はな、意志の力
なんだよ。」
「意志の力だと?・・・・笑わせるな、そんなものに意味はない。」
「守りたい、勝ちたい、助けたい、なんでもいいそういう気持ちがあるから強くなれる。俺はいつもそう思っている。だから俺は強いんだよ!その凍って動かない脳みそにつっこんどけ!!。」
でも今のおれは死にたくないって思ってんだよな。鳥の体にタックルをして吹っ飛ばす。敵が伸ばしてくる翼を手で受け止めて握りつぶす。
「ありえない。」
鳥がつぶやく。
「残念だけどな、これは現実だぜ、現実から目を離しちゃだめだ。」
「そうだな、俺にはお前と違って魔法が使える。そのことを忘れるなよ。」
そうだった。
「何が起き。」
体に氷の刃が刺さっている。首と頭には刺さなかったようだ。ありがたくない。でも、ここで負けちゃ
かっこ悪い。倒れないように必死になって痛みをこらえる。
「倒れないとはなかなかだな、私の仲間にならんか?お前ならわしの右腕になれるぞ。」
ふざけんな。俺は・・・。
「ふざけんな。俺はおまえを倒す。」
「ウィクという名前のガキから頼まれたのか?」
「そうだ。」
「そうか・・・あいつよりも高く金を出す。土地もやる。こっちに来い。」
「俺は、誰か言われても、働かないニートなんだよ。」
「ならなぜ、あのガキの頼みを聞いてやったんだ?」
「なんでだろうな。俺には分らないし、たとえお前に永遠の命があっても理解できないだろうな。」
だって、俺のことなんだから。ちくしょう。こいつありえないほど強い。
「雅也!!」
上から声が聞こえる。
「ヨハネ!」
なんであいつ、来るんだよ。邪魔ってのが分からないのか。
「ふんす、邪魔な奴やっと、かたずけられるか」
氷の鳥がヨハネの方を向く。あれ?なんかやばい気が。
「やめろおおおお!」
鳥とヨハネの間に飛び込むと体に激痛が走った。真正面から魔法を受け止めたためであった。鳥やヨハネたちが目で追えないほどの、魔法でも感じられないほどの速さで動いていた。
「何ぜだ。いったいどうやって。」
「もう教えただろ。小鳥さん。」
!?、魔物は激しく動揺していた。奴の言っていたことは本当なのか、たった一人の人間の意志の力だけの力でこれほどの力が出るというのか。
「い・・ま、動・・・・揺した・・だろ。」
「そんなことをすると思うのか?このわしが。」
「今、↑に・・・書いて・・あったんだよ。いくぞ、今度こそ粉々に砕いてやるから。」
あと、少しだけ、くそ視界がぼやけてきてやがる。目に血が入ってきて、前が見えねえ。鳥がだした氷
の壁を一発で粉砕する。これが最後だ。
「俺はまともだああああ。」
特に意味はない。ただかけ声を入るのと入れないのじゃ力の入り方が変わるらしいから、言っただけ。
氷の鳥が吹っ飛んで城壁を突き抜けていった。
「これでお返しはしたな鳥野郎。それよりヨハネ、俺を運んでってくれ、ちょっと歩くのは無理そうだから。」
「分った、じっとしていろ。でないと体がバラバラになるからな」
ヨハネは俺の体を宙に浮かせて運んでくれている。ここから離れないといけないしな。
「そうだ、妖剣の場所は?」
「今は何も考えるな、じっとして傷を治してもらうまで何も言うな。」
「ごめんよ。」
「なんで?」
「もう少しでお前が怪我するとこだっただろ、俺あの時あきらめようとしてたから。」
「私は助けてもらったんだぞ、謝るのはおかしい。」
緊張がとけて、体に痛みと疲れが襲ってきた。俺は目を閉じて寝ることにした。
「こいつ、寝ちゃったな。」
雅也の傷を治して、雅也に布をかけて、ウィクはこれからのことを考えながら静かに眠った。
いろいろと後半に比べて変わってます