の中
「り・・・・リントヴルム?海大蛇の?」
俺はアトンの言ってることが信じられん。もしかしたら同じ名前の親かもしれない。親の親があの海大蛇のように強く育ってほしいとか、そんな願いをこめてるのかもしれない。
という俺の願いはアトンの
「そうだよ。」
という言葉とアトンの笑顔によって見事に打ち砕かれた。あの右手に消された幻想ごとく俺の願いは消
されてしまった。
「あ、アトンのお母さんは、海大蛇なんだよな?お父さんは?」
俺はやさしく聞く。
「お父さんはべヒモスだよ。」(ニコニコ)
駄目だ、アトン。お前をなんとかせねばならん。
「よくわからないけど。悪魔の知り合いは俺の体から神抗能力とは別の黒というより紫に近い闇がでたんだそうだ。あれは、アトンからもらったペンダントが関係してるのか?」
アトンは笑顔で
「うん」
と答えた。じゃあ、アトンは。
―回想2-
「この世の始まりを教えてあげようかな~。」
アトンの正体(ルールブレイカ―見ていたらばれている)は茜さんのおそらくこのセリフで解明された。
「ではまず。神は天界の次に地上という世界を造った。地上のものは魔力を手に入れた。魔力に才能も
なく誰にでも使えたものだった。5人の賢者が自分たちはどうやって造られたのか知りたいと思った。
そこで研究に研究を重ねてひとつの魔法を造り出した。地上と天界を繋げる魔法。それを使った時。地上の決まりが捻じ曲げられた。地上は混沌に呑み込まれた。神は地上と世界を断ち切り地上を見捨てて、あたらしく地上を造った。見捨てられた地上は魔界と呼ばれるようになりそこに住む者は人ではなくなり悪魔となった。
地上を新しく造ったとき天界で問題が起きた。
一部の天使が神に逆らったのだ。逆らった天使は。天界から堕天され堕天使になった。
地上が二度と天界と繋がらぬように人から魔力を奪い取った。しかし、魔界の影響を受けて魔力が覚醒するものが現れるが。それほど強力でもないので神は放置した。
地上に精霊を置き。人の知能が高くなりすぎるのを防がせていたがある時問題が起きた。
べヒモスから生まれた精霊が。魔界に墜ち。混沌を吸い込み魔精霊になったのだ。
魔精霊は強力で、すべての精霊の力すらも寄せ付けない闇と。天使や精霊がどんな守りの術をつかっても防ぐことのできない光の力を持っていた。地上も天界も魔界もピンチになったので、人と悪魔と神は力を合わせ魔精霊の抹消、封印の術を探した。そして悪魔は精霊を剣に閉じ込めて妖剣を造ることを発明し。人はある物に『砂漠』と呼ばれる異世界造り出した。神は自分にかけていた力の鍵を外し。魔精霊を抹消させようとした。
そして魔精霊との戦いの日。神の一撃で魔精霊が闇と光に真二つに分かれ光を妖剣に入れ
闇を砂漠に入れた。神が魔精霊を割ったとき。地上の世界はバラバラに裂けた。そして今に至る。んで、その魔精霊の名前がアトン。」
どっかできいたことあると思った名前だが。気のせいだと思ってたのにな~。
―回想2終―
「じゃあアトンは、魔精霊なんだ。」
アトンは急に悲しそうな顔になって
「うん。」
とうなだれてしまった。なんで?俺には理解できんな。
「ありがとな。」
アトンはますますがっくりとしながら。
「今日までってこと?」
俺は首を振った。
「じゃあなあに?」
「俺に力を貸してくれてありがとうってことだよ。でも、俺は今からお前の母さん倒しに行くことにな
ってたんだけどな。」
と俺はギルドでの依頼のことをアトンに聞かせた。
「依頼人の名前は?」
アトンは真剣だ。ふざけちゃ悪いな。
「えっと、ヴェイル。だったかな?」
「ヴェイル・・・・あのルールブレイカ―。」
俺の知っている単語が出てびっくり。
「ヴェイルってルールブレイカ―なのか?」
アトンはうなずいて
「うん。あいつらは私を求めてるからね。」
幼女が好きなんだな。
「違うと思う。」
と突っ込んだのはアトン。うん。どうせ↑に書いてあったとか言うから。
なんで?なんて聞かない。
「そっか、じゃあなんで、お前を狙ってるんだ?」
「さあ。それはルールブレイカ―のボスが決めたことなんだよね。」
「ボスゥ?」
アトンは頷くと
「そのボス、結構強いらしいね、堕天使も天使も何度か消そうと試みたんだけどね。消されちゃったん
だって。」
怖ぇ。末恐ろしいやつだぜ。って表現であってんのかな。
「じゃあ砂漠は預かっておいてね。いつか絶対必要になるし。あと、母さんを頑張ってやっつけて
ね。」
俺は親指を立てて
「まかせろ。」
と叫んだ。アトンはゆっくり歩いていき、夜の闇に溶け込んでいった。
「魔精霊だったなんて。」
すると葵が
「知ってたけど。」
と問題発言。
「何故!?」
「雅也のペンダントが何か聞かされてたしね。」
何故?何故葵に教えて俺に教えぬ?と今度訊いてみよう。茜さんに、俺は未来を信じる。
ーどこかー
「ふ~。やっと終わったな。しかし、神は俺を疑ってはいないようだ。」
男は周りに集まっている堕天使をみる。
「もうすぐだ。もうすぐですべてがそろう。」
堕天使たちは歓声をあげて男を称えた
やっとここか。