む、これは
「なるほど・・それよりウィク。ウクダリアは戦争やめようぜぇって言ってこなかったか?」
俺は契約について聞き終わったのでウィクに訊いてみる。
「うむ、確かに言ってきたが罠かもしれないからな。で、なんで分かるんだ?」
「いや、戦争でな、他の堕天使が力でウクダリアを乗っ取ってるとかなんとか言ってきたし、戦争で俺、あいつに大怪我させてさたから。」
ウィクの頭の上に?が乗っかっている。
「その堕天使、どうなったのか分らないんだよね。」
「ほんとですか?茜さん。」
「え?うん。ルールブレイカ―がやったみたい。ついでにデュランダルを持ってかれちゃったけど。」
デュランダルとは妖剣のことだ。そして俺が理解できていない言葉が。
「ルールブレイカ―って?」
「え~と決まりを破る者。」
それはなんとなく名前を聞けば分かる。
「敵?」
茜さんはう~んとうなりながら。
「分からない。でも雅也君をおそったあの仮面の子もルールブレイカ―だった。」
「ナインって奴か。それにあのスライムのような物体は?」
「名前はしらないけど、ルールブレイカ―の力をコピーしたような物だね。」
ルールブレイカ―の力?何それ。
「力って?」
「まだ知らないっけ。え~と、ルールブレイカ―は人として持ってなければならない物を捨てて人として
持ってはいけない力を手に入れる。人みたいな奴。」
「それで?」
「たとえば・・・視力を捨てるかわりに魔力無効化能力を手に入れたり。できるんだよね。」
「危ないじゃないですか!。」
「確かに危ないけど、行動が読めないんだよね、何故かいつも仲間を殺してるし。」
「仲間を殺す?」
「え~と、ルールブレイカ―が人の形を保つには条件があって捨てなければならないものがあるんだ。」
「それは?」
「それは・・・心かな?多分。心を捨てないとルールブレイカ―は怪物の姿になって暴れまくっちゃう
の。ほら、あんな感じ。」
あんな感じっと言って、ウィクがいた方を指でさす。
「あれ?」
ウィクがいない。そして教会の壁に大きな穴が、ついでに葵もいない。
穴から外を見てみると、でっかい怪物がいた。
「あれが心を捨てれなかったルールブレイカ―?」
「ううん。あれはウィクちゃん。」
楽しそうに茜さんは言った。