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デビルマン

作者: 犬丼

「ビンボーがわるいの?」

少年はみんなに囲まれ、いじめられている。

目から大粒の涙が出た。

「うるさい、金無し」

「万引きやろー!!」

「私見たもん、ノートをお金払わずにお店出て行ったの」

「何なの、サイテー」

少年をいじめている、大勢で。

ただひたすら泣くしかなかった。

「こら、何をしているんだ!」

男の先生が現れた。

「ヤベ、逃げろ!」

そこには男の先生と少年しかいない。

男の先生は覚めた目で少年を見た。

「……あとで職員室に来なさい」

(先生も、僕を疑っているんだ……)

少年の心がつぶされる。

少年は崖から突き落とされたような気分になった。


放課後、少年は職員室に行った。

「失礼します」

「さぁ、こっちに来なさい」

男の先生に呼ばれ、少年は先生のほうへ行った。

「先生何ですか?」

少年は弱々しい声で言う。

「なぜ、万引きをしたんだ」

(やっぱり、先生も)

少年はこのまま死んでしまいたいと思った。

「僕は……ない。万引き……なかった。ノ……値段を見て

 ノー……たら店長……って言われて、怖……逃げただけ……」

声がかすれかすれで、何を言っているのかもうわからない。

少年はこの世界が滅んでしまえばいい、そう思った。

「そうか、先生は君を信じよう。二度と疑われることをするな」

男の先生はそういい、少年を帰らせた。


少年は学校が嫌いになった。

信じる事も嫌いになった。

「うおおおぉぉぉ!!」

少年は叫びながら、マンホールの中へ飛び込んだ。

少年は下水道を5分ほど歩き、自分たちの集団のところについた。

(ど、どうして……?)

少年は目を丸くした。

みんなが血を流して死んでいる。

そのとき、後ろから物音が聞こえた。

少年は後ろを見た。

「長さん……」

このスラムの集団を殺したのは、少年たちをまとめていたおさだった。

「やぁ、今日は帰りが遅かったね。お仕置きに殺してあげるよ」

長の目は死んでいた。

と言うよりもいかれている。

「長……。お前が殺したのかよ!!」

少年の目つきが変わった。

獲物を狙うライオンのような目だ。

「子供が大人に勝てるとでも?」

「黙れ!!」

少年は、長の懐に飛び込んだ。

長は少年に切りかかった。

「な、お前……、強すぎだ」

少年は長のあごを殴りいっぱつで倒した。

少年は、走って下水道から出た。


(光なんていらない、もう誰も信じない)

少年は、闇に取り込まれていた。

彼を止められる人間はもう、きっといない。

「俺は、死神……、デビルマンだ!」

終わり

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