ある星の流星雨。
多分、そこは地球に似た星の、人間に似た、人という生物がいるある星。
流星雨の飛来を避けて人々は、シェルターに避難していた。
それを避ける、雨宿りの様に。
もっとも人々と言っても、人類と呼べるのは、ここにいる肩を寄せ合い座っているコーベとリーベの二人だけだった。
二人、手を握り振動を我慢して耐えていた。
「流星雨なんて」コーベは呟いた。
外では、地響きが唸っていた、振動が大地を揺るがしていた。
何回かの直撃を受けているこのシェルターも、もう持たないだろう。
親と呼べるもの、保護する人間はもう誰もいない、ここにいる二人だけだった。
何百年も前からこの災厄は必ず来ると賢者が警告し、人類皆が分かっていたはずだった。
でも、誰一人動こうとせず、ただ目先の、今だけの享楽を、それが全てと言わんばかりに享受していた。
だから、こんな急ごしらえの雨宿りのような施設でしか、対応できなかったのだ。
悔しかった。
早く大人になりたかった。
もっと早くに大人になって皆を導くとまでは言わないが、こんなことになる前に意見の一つも言える大人になりたかった。
愛する人一人守れないなんて、悔しくて、悔しくてたまらなかった。
やがて、その悔しさを中断させるほどの、大きな振動が近づいてきた。
コーベはリーベの手を一瞬強く握った。
リーベはコーベに強く握られ思わず見上げ、体が熱くなった。
憧れのリーベに強く手を握られたから。
体温は急上昇した。
こんな場面になってやっと憧れのリーベに手を握られたことに、喜びと、後悔の波が一緒に感情を押し流した。
そしてこんな時に、と。
すぐ不謹慎な感情が追い駆けてきた。
この流星雨が、いつかの夕立だったらいいのに、と。
コーベは思った。
いつかの時の雨宿り。
叩きつける雨。
その音は、今の外の様に荒れ狂うようだった。
学校の帰り。
「うわー夕立だ」二人同じセリフを何度も繰り返しながら。
突然の夕立に、びしょびしょになった二人は民家の軒先に駆け込んだ。
お互い服が雨で透けて、リーベの透けた体の線に目のやり場に困り、目線をあらぬ方へ向けていた。
それでも勇気を出して言ってしまえばと、それだけの勇気が無かった自分に悔しさが込み上がっていた。
自分にもっと勇気があれば、と。
そんなことを思い、赤くなった。
きっと、他に星があるって聞く。
思い立ったようにコーベは言う。
この宇宙には、僕たちみたいな生命体が沢山あるって。
もし、もしも生まれ変われるとしたら。
その時はまた、僕の弟として生まれて来てくれる?
コーベはリーベの手を強く握った。
リーベは何も言わず強く握り返した。
うん。
そういうのが精一杯だった。
涙が溢れてきた。
そして、二人を祝福するように眩い光が二人を包み込んだ。
多分、そこは地球に似た星の、人間に似た、人という生物が《《昔いた》》ある星の出来事。 了
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