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ある星の流星雨。

作者: 吉高 都司
掲載日:2026/07/10

 多分、そこは地球に似た星の、人間に似た、人という生物がいるある星。



 流星雨の飛来を避けて人々は、シェルターに避難していた。

 それを避ける、雨宿りの様に。

 もっとも人々と言っても、人類と呼べるのは、ここにいる肩を寄せ合い座っているコーベとリーベの二人だけだった。


 二人、手を握り振動を我慢して耐えていた。

「流星雨なんて」コーベは呟いた。


 外では、地響きが唸っていた、振動が大地を揺るがしていた。

 何回かの直撃を受けているこのシェルターも、もう持たないだろう。

 親と呼べるもの、保護する人間はもう誰もいない、ここにいる二人だけだった。

 何百年も前からこの災厄は必ず来ると賢者が警告し、人類皆が分かっていたはずだった。

 でも、誰一人動こうとせず、ただ目先の、今だけの享楽を、それが全てと言わんばかりに享受していた。

 だから、こんな急ごしらえの雨宿りのような施設でしか、対応できなかったのだ。

 

 悔しかった。


 早く大人になりたかった。


 もっと早くに大人になって皆を導くとまでは言わないが、こんなことになる前に意見の一つも言える大人になりたかった。

 愛する人一人守れないなんて、悔しくて、悔しくてたまらなかった。


 やがて、その悔しさを中断させるほどの、大きな振動が近づいてきた。

 コーベはリーベの手を一瞬強く握った。


 リーベはコーベに強く握られ思わず見上げ、体が熱くなった。



 憧れのリーベに強く手を握られたから。

 体温は急上昇した。

 こんな場面になってやっと憧れのリーベに手を握られたことに、喜びと、後悔の波が一緒に感情を押し流した。

 そしてこんな時に、と。

 すぐ不謹慎な感情が追い駆けてきた。


 この流星雨が、いつかの夕立だったらいいのに、と。

 コーベは思った。

 いつかの時の雨宿り。

 叩きつける雨。

 その音は、今の外の様に荒れ狂うようだった。

 学校の帰り。

「うわー夕立だ」二人同じセリフを何度も繰り返しながら。

 突然の夕立に、びしょびしょになった二人は民家の軒先に駆け込んだ。

 お互い服が雨で透けて、リーベの透けた体の線に目のやり場に困り、目線をあらぬ方へ向けていた。

 それでも勇気を出して言ってしまえばと、それだけの勇気が無かった自分に悔しさが込み上がっていた。


 自分にもっと勇気があれば、と。


 そんなことを思い、赤くなった。


 きっと、他に星があるって聞く。


 思い立ったようにコーベは言う。

 この宇宙には、僕たちみたいな生命体が沢山あるって。

 もし、もしも生まれ変われるとしたら。


 その時はまた、僕の弟として生まれて来てくれる?

 コーベはリーベの手を強く握った。

 リーベは何も言わず強く握り返した。


 うん。


 そういうのが精一杯だった。

 涙が溢れてきた。


 そして、二人を祝福するように眩い光が二人を包み込んだ。


 多分、そこは地球に似た星の、人間に似た、人という生物が《《昔いた》》ある星の出来事。  了


拙作に目を通していただき、誠に感謝いたしております。


もしこの物語が少しでも『良かったよ。』と思ってただけるようでしたら。


下にある☆☆☆☆☆から、応援賜わりますようお願いいたします。


お気持ちで星を頂戴できれば、こんなにうれしいことはございません。


ブックマークもいただけると、感謝に堪えません。


何卒よろしくお願い申し上げます。










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