小学校編 29話 ~俺と啓介~
初投稿です。
皆さま大らかな気持ちでお読みいただければ幸いです。
誤字脱字等ありましたらご連絡いただけると嬉しいです。
俺は前世の記憶を思い出す。
両親を一度に亡くして自暴自棄になっていた俺にしつこく話し掛けてくれたのが啓介だった。
初めは鬱陶しさを感じて無視をしていた俺だったが、次第に話をするようになっていった。
気が合うとはこういう事を言うのだろう、啓介とは何をしていても楽しかった。
啓介は顔は大人っぽいのに背は高くなくて、運動もあまり得意では無かった。
俺も運動は好きではなかったので、学校内だけでなく学校が終わってからも近所の公園で話ばかりしていた。あの頃は常に一緒にいたと思う。
啓介は俺の愚痴を親身になって聞いてくれた。
亡くなった両親の事を話した時だって一緒になって悲しんでくれたのだ。
その時に啓介から言われた「俺が力になるから」という言葉、今でも覚えている。
本当に楽しい日々だった。
だが事件は突然起きる。
なんでも話し合える仲になった矢先、啓介が突然学校に来なくなった。
啓介が学校に来なくなった3日後、担任の先生から啓介が交通事故で亡くなったことを聞かされた。
突然の訃報に俺は言葉が出なかった。
小学3年生の子供に両親だけでなく親友も亡くなったという事実を耐えろという方が酷だろう。
それ以降、俺は友達を作るのをやめた。
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ふと隣を見ると啓介が教科書を見ながら何かノートに書きこんでいる。
出来れば啓介を救ってあげたい。あの悲しい経験を二度としないためにも。
啓介が転校してきてから1か月が経った。
俺と啓介の仲は一向に進展しなかった。
前世とは何かが違うのだ。
確か前世では啓介から嫌になるほど話しかけてきたのだが、今はその気配が無い。
意味が分からない・・・。
耐え切れず俺から啓介に話しかけるが素っ気ない返事が返ってくるだけ。
もしかして前世とは違う世界線に来てしまったとでもいうのか。
以前との違いといえば俺の両親が存命であること、ローザがいること・・・。
それによって啓介の何かが変わってしまったのだろうか。
1人で考えても埒が明かないと感じた俺はローザに相談することにした。
学校へ向かう道中でのこと。
「ローザ、今日学校が終わってから予定はあるか」
「特に無いけどどうしたの?」
「ちょっと相談に乗ってほしいことがあるんだ。良ければ学校が終わった後、うちに来てくれないか」
「分かったわ。学校が終わったら向かうわね」
学校へ到着し、いつもの席に着く。
隣には啓介が真剣に授業を受けている。
俺は啓介を横目に見ながらため息を吐く。
「一体どうなっているんだ・・・」
結局、啓介とは今日も進展が無いまま授業は終わった。
帰りの準備が終わり、1人で自宅までの帰路を歩いていると後ろから視線を感じた。
どうやら誰かが俺を尾行しているようだ。
誰が尾行しているのかを調べるため、いつもは直進する十字路を左へ進む。
左へ曲がってすぐのところに駐車場があったため、奥に停めてあった自動車の後ろに隠れて様子を伺う。
隠れてしばらく経った後、歩いてきたのは啓介だった。
啓介は周りをキョロキョロと見回して警戒している。
啓介が通り過ぎたのを確認した俺は、来た道を戻り自宅へ向かった。
啓介の自宅はこの辺りではないはずだ。
なぜこの道を歩いている?
もし俺を尾行していたのだとして目的は何だ?
俺は前世で明るく微笑んで俺の話に頷いてくれた啓介を思い出す。
顔も身長も思い出の中の啓介と同じなのに何かが違う・・・。
俺は自宅へ着き、自室でローザが来るのを待つ。
ピンポーン
呼び鈴が鳴った。
母が対応したのだろう、しばらくしてドアが開く音がする。
「りゅ~ちゃん、ローザちゃんが来たわよ」
「ありがとう母さん」
俺は自室のドアを開けて玄関に向かう。
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