100%君の味方だから on your side.
夫や子供を2ヶ月も放置して介護帰省することを、一番気に病んでいたのは母なのですね。
帰ってすぐに、子役で一躍有名になった某女優が、アメリカ人と結婚したあとで父親の看病で帰国して、そのまま日本で生活することになって、生活費を稼ぐために忙しくなって離婚した、なんてエピソードをテレビで見て、
「お前は早く帰れ」
などと言い続けてました。
昨年の日本では『絆』という言葉がキーワードだとかで。
15年も放置していた母がもうダメらしいと聞いて、夫子供を放置して帰国するのも家族ならでは絆なんだろうなと思いますが。
なかなか帰国できなかった理由が、14歳未満の児童を留守番させるとネグレクトという児童虐待に該当して責任を問われるために、二人の子供を連れて訪日する経済力がなかった、というのが実情。
夫は一人っ子なので、子供を預けられる親戚もいなかったり。
そして長女が法的に、父親が仕事中でも留守番や妹のベビーシッターができる14歳になるのを待ちかねたように、母の容態が悪化したというのも不思議なものだなと思います。
で、離れている家族を信頼するのも絆かな、という気がします。
そして、この信頼も15年の結婚生活の中で育ててきたものじゃないかとも思います。
義母が亡くなる前に、認知症でレストホームに入ったのですが、認知症そのものはかなり若いときから進んでいたもようで、被害妄想がひどく、その矛先が私に向いていた時期がありました。
訪問するたびに、物がなくなったといっては私が盗んだから返せと迫られたり。
電話に雑音が入るのは、私がインターネットを使って盗聴しているからだと非難されたり。
極端なところでは、私が丙午なので早く離婚しないと不幸になると夫に注進したり。
まさか赤道の反対側に来てまで、欧州人にそのネタを使われる言われるとは思わなかったので驚きました。
さすがに度重なった挙句、夫と義父母の間で口論が。
両親から
「あんたはどっちの味方なの!?:Which side are you!?」
と詰め寄られた夫は、即座に、一瞬の躊躇もなく言い切りました。
「I am 100% on Miyuki's side!」
なんとゆーか。
この一瞬の言葉と記憶だけで、何があっても最後まで添い遂げてもいいな~と思える相手に巡り会ったんだな、と思えます。
絆というものもまた、病めるときも健やかなときも、幸いのときも苦しみのときも、共に生きてきた時間が強くしていくものかなと思う人生折り返し地点の鈴鹿です。
とはいうものの、
某女優さんと違うのは、時代が変わって家族や友人をもっと身近に感じられるツールがあるから、というのもあるかもしれません。
通話料のいらないスカイプは、何時間も繋げっ放しで、相手のなんでもない呟きや会話、物音を聞き取ることができて、家族を身近に感じることができます。
くしゃみやゲップまで……。
窃盗容疑をかけられた嫁ですが。
その後、義父もアルツハイマーで独居ができなくなり、レストホームに入ったのですが、その際に家を処分することになり、一人っ子の夫が家財を整理する羽目になり……。
なくなっていたものが全部出てきました。
義父とは和解できました。謝罪はされなかったけども。