79/94
刺青の「言葉」
スーパーの会計待ちをしていたら、前で精算中のご婦人の、右肩から腕にかけて彫られた見事な刺青に感心した。顔を見ると、五十代半ばと思われる白人系の方。
その方の、財布を持った左手の手首を見て、ぶふぅっ~、と吹き出してしまった。
左腕の内側に、日本語で「信じる」と彫ってあったのだ。
明朝体で。
その方は私に背中を向けてレジから離れ、そのまま歩み去ったので、私が吹いたのは聞こえなかったみたいとほっとする。
それにしても。
刺青はこちらではピアスと同じ感覚らしく、老若男女関係なくいろんな意匠のものが体のあちこちに彫られている。顔に彫るのも珍しくない。
漢字とか、日本語的な単語もけっこう人気がある。
しかし、
「愛」とか「誠」とか、面白いところでは「必勝」とかはわかるんだけど。
「信じる」
何を?
その言葉を選んだ理由が、すごく気になる。
気になるんですよ。
でも知らない人に話しかけるのは恥ずかしいので。
まあ……「捕鯨反対」じゃなくて良かった。
「捕鯨反対」はTシャツがありますけどもね。