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温度差というもの
子供たちがシャワーのレバーに手が届かなかったころ。
「おかあさん、シャワーが寒い」
バスルームの窓があいているのかと思ったが、違う。
水の温度が低い、という意味らしい。
「お湯が冷たいの?」
「うん」
英語は「寒い」も「冷たい」も「コールド」なんだなと思った。
「そういうときは『ぬるい』って言うんだよ」
「わかった」
そういえば、夫が昔、カタコトの日本語で「コーヒーが寒くなる」と言っていた。
何故かかれらは「ぬるい」という言葉を憶えない。
「lukewarm:生ぬるい」という単語があるにはある。料理ではよく耳にするけども、何故かシャワー水の温度表現には使わないらしい。
水の体感温度が「熱い」と「冷たい」しかないんだろうか。
うちだけだろうか。