娘の日記
「お姉ちゃんが勝手に読む」
と、顔を真っ赤にしながら泣いて怒る次女(十歳)。
読まれたくない日記は、書いたらしまわないとねぇ。
姉妹の寝室は共有なので、学校のバックパックのポケットを定位置にしたらと提案してみたところ、次女はしぶしぶとバックパックの中に入れた。
十歳の誕生日からつけ始めた日記。続いているようで、感心。
子供たちが寝てから、私の仕事机に次女の日記が開いたまま放置されているのを発見。
これは、親に「読め」ということだろうか。
親が決してしてはならないこと→→子供の日記を黙って読むこと。
いやでも、これは私の机。しかも、今日の日付で開いている。
どれ。
クラスメートの……
E君が、E君の、E君に、E君で、E君も、E君は。
だけど、K君もイケているんで迷ってしまうそうだ。
ハートマークが飛び交っている。
十歳……。
翌朝、娘に日記はしまっておくようにと注意する。
「お母さん、読んだの?」
怒りそうな娘に、親として釘を刺しておく必要があった。
「次女ちゃん。『書く』のつづりが間違ってるよ。wrightじゃなくて、writeだからね」
「うわぁ。だから見ちゃだめ~」
これでスペリング地方大会五年生の部・学校代表に選ばれるんだから、うちの学校が勝てない理由がわかってしまいました。
まあでも、日記って人に読ませるために書くんだよね。ほんとうは。
紫式部日記みたいに、人の悪口を書いて千年経った後も読まれるくらいの日記を残してみたい。
さらしものにしてしまう母。
娘は日本語が読めないので、たぶん、一生知らぬが仏。