表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/94

千羽鶴を折る

 母が癌で入院しているという。いろいろな理由ですぐには帰れない。峠を越してから連絡を受けた。今は回復中とか。

 なんとなく紙の切れ端を正方形に切って、鶴を折り始めた。こちらの国には折り紙はない。クラフト用紙は厚すぎて折り紙には向かない。普通のノートやコピー用紙を四角く切って鶴を折る。

 子供たちが教えて教えてとつきまとう。

 日本人の血を引いているのだから、日本語は忘れても、鶴くらいは折れるようになって欲しいなぁと思う。


 熱心につきまとうので、教えてみる。

「角と角を合わせて」

「辺と辺を揃えて」


 角が合わず、辺がずれるので、次女(九歳)癇癪を起こす。


「ここに指をあてて広げて起こして。ここを押さえて折る」


 袋折ができない長女(十三歳)が癇癪を起こす。


 ……。



 折り紙というのは、かなりな協調動作と繊細な指の動きと正確な折り方が要求される技術なのですね。


 折り紙指導は根気と忍耐の試練。


 いびつな鶴が増えてゆく。

 心がこもっていればいいか。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ