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IF:ラスボスが主人公になる世界線  作者: 音無 なの
あるラスボスだった男の話
5/6

4.遭遇、時間停止能力者vs時間停止能力者

こうゆうのってさ、大体なんやかんや色々な事件を乗り越えてラスボスとして満を持して登場するもんじゃん??

だが今、俺達は―



「定石とか無視すりゃいいだろ、俺達の…と言うより風花の身が危ないんだからさ。」


「そうだね、現実でそれは舐めプが過ぎると思うんだよ。

特に、自分達が探知能力持ってるならさ。」



―物陰から相手の様子をうかがっていた。

もちろん、あれから風花の能力で見つけ出した。

占い通りの見た目をしてるし、実際に時間停止を使って万引きしてるのも確認したから占い通りのクソガキらしい。

…いくら彼が虐められていた被害者だったとは言え、時間停止能力を手に入れた今がクズなのは救いようが無い。

そもそも風花を狙ってるのは許せない。


だから次に時間停止を使ったら仕掛けるつもりだ。


いや、まぁ確かに?定石通りに事件を解決して仲間を集めて〜

みたいなのがアツいのかもしれんが、事、時間停止能力者相手に『数の利』は成立しない。

何せ、時間停止すりゃあ相手が何人居ようが一方的に攻撃できる訳だし。

そうなると仲間を何人集めた所で時間停止の効かない俺と風花の2人だけで戦わなきゃならんのは目に見えてる。


だから最初から本命の時間停止能力者を相手にする。

ゲームならレベルとかそうゆうの有るだろうが、現実にはそんなのは無い。



才城智昭

【Ⅸ.The・Time】

Lv.1…時間停止・時間始動


Lv.2…加速世界



……ことは無かったが。

まぁ、俺には新たに【加速世界】が生えてきたから何とかなる…と思いたい。

相手側の能力レベルや、Lv.2以降の能力がなんなのか、にも寄るのが怖いが。


まぁ、アレだ、何となく思うのは、風花と出会わなかったり恋人になったりしなかったら軍や警察とかでとにかく何かしらの銃を確保して射殺とかしてたかもだが。



(チラッ)


「…?」

(にへらぁ〜)



こんな気の抜ける笑顔をしてる癒し系彼女が居てそんな馬鹿な事はやれないな。

相手を()()出来ても風花の笑顔が失われたら意味が無い。


さて、とりあえず先制攻撃はさせてもらうか。



「おっ…!あの子かわいい!よーし……『時間停止』っ!」



「行くぞ。」


「うん、気を付けてねお兄さん。」



事前に打ち合わせはしておいた。

戦闘向け能力じゃない風花には物陰で待機しててもらい、俺は単身、時間停止能力者へ接近する。


と、同時に―



(問答無用ライダーキック!!)



所謂跳び蹴りだな。

見た目通りモヤシだから簡単に吹っ飛んだな。

にしても簡単すぎんか??加速世界を使うまでもなかったんだが??

まぁグダグダ長引くよりは断然マシだな。

さて、ここからは少々エグい手を使う事になるが、現行犯にしないと警察が動かないしな。


俺は、早速()()を実行する事にした。



「んじゃ、やるか。『コイツに一生時間始動』。」



―アレ、とは“条件付け”だ。

実験する中で気付いた。

コレは普通に強い。

時間停止する中でも特定の人物を動かしたり出来るし、今みたいに逆に()()()()()()()()()()()()()()()

要するに時間停止能力の無効化だな。

コレは俺に対して『3分間の時間始動』を付与を試して分かった事だ。


コレに関しては時間停止中でも効果が持続するらしく、何故か()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のも風花に見てもらって実証済み。


あぁ、もちろん時間停止能力者が自分の時間停止で動けなくなったせいで世界全部が止まる、なんて馬鹿な事にならない様に、風花に占いでどうなるのかを事前に教えてもらったけどな。

結果はもちろん、時間停止中の中での3分経ったら解除された、なんだよな。


ご都合主義かよ。


ただ、逆に分かってしまったのは、やはり時間停止中でも活動してる人間はその間を普通に生きているって事。

つまりその分の寿命を削っているのと同じだ。


さて、話が長くなったが……



「うん、呼吸してないな。

時間停止が効く様になったみたいだ。」



無事に名も知らぬコイツは活動停止した様だ。

さて、仕上げにコイツが目標にしていた女性に抱き付く様に、かつ胸や尻を撫で回しているような格好に変えて、っと。

んじゃ、俺は物陰に戻るか。



「あ、おかえり〜お兄さん♪」


「おう。首尾は上々だ、後は時間停止を解除するだけだな。」


「うん!丁度巡回中のお巡りさんも近くにいるよ!!」


「ん?それは都合が良すぎないか??」


「そうかな?()()じゃない??」


「……ん、まぁ良いか、警察に通報する手間が省けるし。」


「そうそう♪」

(にへらぁ〜)


「……可愛い。」


「ふぇっ!?」


「ンンッ…!とにかく時間始動だな!?」


「そ、そうだね!?」



俺と風花は誤魔化す様に宣言して、時間始動を使った。

すると、時間が動き出し―



「えっ!?なにこの子!?なんで抱きついてるのよ!?痴漢!!?」


「んっ!?え、あれっ!?」


「(!)どうされました!?って痴漢か!!」


「あっ!お巡りさん!!

そうなんです!この人がいきなり私に抱きついて触ってくるんです!!」


「堂々と痴漢か!!確保ーッ!!」


「えっ!?なんで!?と、とにかく時間停止っ!あれ!?時間停止っ!!時間停止っ!!なんで!?止まれっ!止まってよ!?」



 

よし、逮捕されたな。

時間停止で逃げようとしてるが、アイツはもう二度と時間停止を使えない。

俺みたいに他に能力を持ってたら不味いが、そんな様子もないようだ。

やがて、パトカーが駆け付けて警察官に連行されていった。




「終わったな。しかもアッサリ。」


「わたしの占いのお陰だよねっ♪」


「そうなんだがそれは言わない方がよかったなぁー?」


「んぇ?」


「くっ…!可愛いって得だな!?」



首傾げてきょとんとしてるだけでも可愛いとか最早可愛いの暴力だな!?

めちゃくちゃ抱きしめるぞこら!?(←?)



「…………はぁ。とにかく、俺達の家に帰ろうか?風花。」


「はぁ〜い♪」



そう、何時ものふにゃふにゃな笑顔で返事をして俺の腕に抱き着いてくる風花。

おう、当たってるぞ。




「……………………俺の理性、いつまでもつかな?」


「え?もたせる必要ある??わたしもお兄さんも大人の恋人同士なのに??」


「………………………………あぁうんソウダネ。」



見た目も言動も子供っぽいから忘れがちだがそう言えば風花は20歳の女性なんだよなぁぁぁぁー!!

合法ロリかよぉぉぉっ!!

手ぇ出したら犯罪かと思ったら合法なんだよなぁぁぁっ!?



「よし、今夜は覚悟しとけよ風花?」


「え?態々夜まで待つの??」


「お前意味分かってるのか?」


「うん…。

わたし、お兄さんなら…いいよ……?」


「…………………ぐっ!そ、ぅか。」



あぁ……うん。

こうゆう、恥じらう表情すると、途端にコイツも大人の女性なんだな、って雰囲気になりやがる…。


はぁ…そうだな、俺も覚悟を決めないとな。

コイツが…風花が子供っぽいから、だとか理由を付けて、逃げてるだけなのかもだし。



「ふふっ…♪お兄さん、大好きだよっ!!」

(6年前にわたしを助けてくれたあの時から、ずっと、ずっと、大好きだよ…♡)


「ぐぅぅ…!!」



本当に、なんで風花は俺の事が好きなんだろうな!?




IF:本来の世界線の話2


智昭「ア…?何で“テメェ等”は動けるんだよ?」


颯「貴方には関係ないだろう?」


智昭「チッ…鬱陶しいクソガキ共が。」



時間を止めてこの銀髪翠眼でイケメンのクソガキをぶん殴ってからお仲間(笑)ぶっ殺してやろうとしたが、何故か先読みする様に俺の拳を避けやがった!

しかも、それだけじゃねぇ!

コイツの仲間(笑)全員に時間停止が効かねぇ!!!

どうなってやがる!?



颯「…才城さん、残念だよ。

この事件を追う僕達にアドバイスをくれたりして導いてくれた貴方も、仲間だと、信じていたのにさ。」


智昭「ハッ、おめでたい奴等だな!!俺は最初からテメェ等が足掻く様を見て楽しんでただけだ!!」


颯「……そう。残念だよ、才城さん。

貴方とは友達になれると思っていたのに。」


才城「俺は最初からテメェ等の事なんか嫌いだ!!毎日楽しそうに、何の苦労もなく生きやがってよォ!!

ウゼェ!!ウゼェウゼェウゼェッ!!マジでうっぜぇぇ!!あぁもういい、死ねや!!クソガキ共がよぉぉぉッ!!」


颯「はぁ……………本当に、残念だよ。」



俺が軍から盗み出した銃を構えると、何故か余裕の顔でため息を付く四乃森。

気にせず発砲すると―



―は?」


颯の仲間「【反転】。これがつい最近目覚めた吾輩の新たな力也。

最早吾輩達に対する飛び道具は効かぬ。

“飛んできた物を飛んできた方向へそのままの力で返す”。

ただソレだけの力だが。

貴様にはそれで充分だろう?」


智昭「グォォォォッ…!」



―弾丸は、俺の心臓を撃ち抜いた。

そんな……そんな終わり方があってたまるかよ…!!

ふざけるな!ふざけるなふざけるなふざけるな!!



智昭「俺は…!こんな所で、終わる様な…!!」


颯「もう、いいよ、才城さん。

眠ってくれ。頼んだよ、○○さん。」


颯の仲間2「承知した、介錯は任せよ。」



―そうして、俺は、銀髪翠眼のリア充イケメン野郎と仲間達(笑)に敗北し、殺された。

時間停止と言う、最強のオモチャを、手に入れたからって遊んでいただけなのにな。

あぁ……最後までツマラナイ、人生だったな。


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