3.四乃森風花の能力(風花視点)
お兄さんは相手の場所がわからないって言っていたけど、何故かわたしは『タロットで占えば分かる気がしてる』んだよねぇ〜……
と言うかやってみようかな?
「ん?どうしたんだ四乃森さん。何か言いたそうな顔をしてるぞ??」
「あ、分かっちゃった?流石智昭お兄さん!!
わたしの事分かってるぅ~♪」
「おっ…おぅ……
わたしがそう言って笑いかけると、照れた様に返事をしたお兄さんがわたしの事を抱きしめてきた。
…温かいし安心する。
好きな人だから、だよねきっと♪
「…ふふっ♪」
「ん…?」
「…抱きしめてくれるの…?お兄さん。
ありがと…恥ずかしいけどそれ以上にうれしいよ…♪
わたしからも、ぎゅ〜っ♪えへへ……
「すまん。なんか無意識に……。」
わぁ〜しかも頭ナデナデまでしてくれるの!?
お兄さんすきっ!!大好きっ♡
「うん…?なんだろう。なんだか、懐かしい…?」
んぇ?あぁ~。
お兄さんが懐かしいって思うのは当然だね!
だってわたしは、3年前くらいまで―
っと!それより今どうするかの話だよ!!
「あっ!そうだよお兄さん!!
わたしが言いたかった事だけど!!」
「おう、そうだったな?聞かせてくれ。」
「うん!実はわたし、タロット占いなら相手の居場所とか色々分かる気がしてるんだ!」
「おっ?マジか??」
「否定しないんだ〜!やっぱりやっさしぃ〜♪」
「いや、俺自身があり得ない力である時間停止の能力者だからな。
四乃森だってブランクカードを持ってたんだ。
だから何かしらの特殊能力を持ってたって不思議じゃない。」
「だとしても否定しないでくれるのが嬉しいの♪」
「………………おう。」
ありゃりゃ?またお顔を真っ赤にしちゃった??
でもまぁ、わたしを意識してくれてるって事だよね??ふふっ♡
「とにかく、タロットで占ってみるよ!」
「あぁ、頼む。」
「と言うわけで!じゃ~ん!!」
名残惜しいけどお兄さんから離れたわたしは、最早勝手知ってるお兄さんの部屋にある棚の引き出しから予備のタロットカードセットを取り出した!
「…なんで俺の部屋に四乃森のタロットカードがあるんだよ。」
「えっへん!こんな事もあろーかと仕込んでおいたのさっ!!」
って、一度言ってみたかったんだよね〜♪
勿論、それもあるけどわたしの能力も関係してる…と思う!!
何故か、お兄さんの部屋にもタロットカードセットを置いておくべきっていう“直感”が働いたから。
「ともかく、相手の居場所を占ってみよう!」
タロット占いはあくまでも補助的なモノ。
探すのは当然自力にはなるはずだけど……
まぁ、今日の運勢は?みたいな簡易的な占いならその限りじゃないけどね。
でもなんだろう?確定まで持っていけそうな気はしてる。
うん、とにかくはじめよっか。
『わたし達はお兄さん以外の時間停止能力者を居場所を探し出せる?』
手札を操り、手繰り寄せたのは【魔術師の正位置】。
『成功』を意味するね。
「…うん、わたし達は相手を見つけられるね。じゃあ…
『相手より先に見つけられる?』
シャッフルして再びカードを手繰る。
出てきたのは【星の逆位置】と【運命の輪の逆位置】、そして【隠者の正位置】。
この場合は『失望』『アクシデント』『忠告』…つまりコレは、
相手は一方的にわたしを知っているから何かしら仕掛けられる事に気をつけろ、
と読めた。
コレは能力補正かな?
わたしは身バレしてるけど、お兄さんは身バレしてない、なんてのまではカードからは読み取れなかったから。
とにかく……
「………わたしは、既に相手に存在を知られているみたい。
お兄さんは違うみたいだけど。」
「…まぁ、四乃森は可愛い系の美人だし、その髪色じゃあ目立つよな…。」
「…お兄さん以外に好かれても意味ないもん…。」
「っ…!?し、四乃森…?」
「あっ!?そ、それじゃあ、
『相手はどんな人物!?』
うっかり告白しかけたわたしは慌てて誤魔化す様に占いを続けた――――――――――
そんな感じで色々と占ってみたら、もう一人の時間停止能力者は結果的にこんな人物像になった。
・高校生で性別は男
・虐められ続けた結果で心が壊れたとは言え、自己中心的で人の心が無いサイコパス
・その為、自身の目的の為なら人殺しに躊躇しないし平気で他人を傷付ける、と言うか既に虐めの主犯を時間停止能力を使って殺害した
・ただしそれらの行動は他人にバレないのが前提、その為、必ず時間停止能力を使っている
・自分達から見て東の方に住んでいる
・黒目黒髪中肉中背で特徴が無く、見た目だけは人畜無害に見える
・今の趣味は美少女を見つけては時間停止能力を使い犯すこと、既に自身を庇い続けてくれていた子や町で偶然見かけた自分好みの女性達を何度も犯している
「………。要するにコイツ、ドクズで犯罪者役満じゃねぇかよ。」
「そうだね…虐められていたとは言え、流石に超えちゃいけない一線を超えてるよコレ。」
「質が悪いのはコイツの今までやった事全てが完全犯罪で証拠が何も無いって事だな。」
「うん。それにさ………
わたしは、気になってわたし自身がこのサイコパスに再び遭遇するとどうなってしまうのかどうかを占った。
その結果は……
「2枚…【悪魔の正位置】と【恋人の逆位置】……この流れだと『執着的肉欲』…?
うわ…つまりわたしって既にサイコパスに時間停止プレイの標的にされてるって事…!?」
「は?」
「ヤダヤダヤダ…!でもわたし達にも何か対策は有るよね!?
誰かが助けてくれるとか!!」
更に手繰ると出てきたのは【隠者の正位置】と【恋人の正位置】。
この流れでこれなら……
「きっと、お兄さんと一緒に行動しろって事かな?」
「…【隠者】が人物…これを基にした【時間】のカードを持ってる俺を示してるとして…【恋人】?」
「うん!だってお兄さんはわたしが一番大好きな人だからね!!」
「へっ…?それって……
「あっ…。」
あっ…あっ……どうしよ、勢いでそのまま言っちゃった…こんな、流れでテキトーな告白なんてするものじゃないしするつもりもなかった………
それにさっき誤魔化した意味がなくなっちゃう…!!
もう一度誤魔化さなきゃ、ごまかさないと…!!
でも今度は何故か思考がぐちゃぐちゃで、考えが纏まらない。
混乱であわあわしていたらお兄さんがふわっと抱きしめてくれた…?
「落ち着け。……風花。」
「えっ…?今…わたしの名前……
「ああ。狡いし情けないけど、お前の方から…2回もそう言ってくれたから、俺からもこう返せる。
俺も、お前の事が一番大好きだぞ。
だから、彼女になってくれないか?」
「〜っ!うんっ…!うんっ!!なる!!わたしは智昭お兄さんの彼女になるぅ〜!!
ぐすっ…ふぇぇ〜ん…!」
「……。」
キャパオーバーで泣き出しちゃったわたしを、ただ黙って抱きしめてくれるお兄さん。
そんなお兄さんの胸に顔を埋めながら、わたしは感情を押し流す様に泣き続けてしまった…………
「落ち着いたか?」
「うん…ありぁと……ずびっ…
「ははっ…こうなると美少女も台無しだな?」
「うぅ〜…けど、こんな顔を見せれるのもお兄さんだけだからね??」
「………………ぉぅ。」
(その上目遣いはズルいだろ……)
あ、照れてるー。
顔を真っ赤にしてそらしちゃってさぁ〜♪
嬉しさや愛おしさ、色々な感情がごちゃ混ぜになっている幸福感のままに、わたしは智昭お兄さんの胸に自分の顔をグリグリと押し付ける。
お兄さんからはなんだか安心する匂いがするんだよね………
そうすると、お兄さんがますますわたしをぎゅぎゅ〜っと抱きしめてくれる………
「うん、お兄さんとならきっと大丈夫……
そう思えた。
【四乃森風花のカードが発現】
【Ⅹ:Wheel of Fortune】
Lv.1…【未来視】
タロットカードによる占いの的中率が100%になる。
また、あらゆる他の異能による影響を無効化する。
Lv.2…【運命力ブースト】
自身の心に決めた人の運命力を強化する。
その人物が異能力者であればその異能も強化する。
【才城智昭のカード強化】
Lv.1…時間停止・時間始動
世界の時間を停止する、または停止した時間を始動する。
(NEW)Lv.2…加速世界
自身の動きを加速し、体感時間を遅くする、時間停止と併用可能。
四乃森風花の【運命力ブースト】によりこの効果は四乃森風花にも共有される。