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八話

 ぐっすりと眠った私はお母さんとお父さんが帰ってきたことにも気付かず夜ご飯まで眠りこけていました。十九時になり私の部屋にお母さんが来て起こしに来て今日は一緒に夜ご飯食べようと言われました。

 私は寝ぼけながら頷き部屋から出てリビングに向かいます。

 リビングにはお父さんと白ちゃんが仲良くお話をしていました。

 いつの間に仲良くなったのでしょう。まぁ寝てる間でしょうけど。


 「おかえりお父さん」

 「ただいまー。お父さん電話したんだからな。お母さんから連絡が来たから良かったけど」

 「ごめんごめん」


 確かに着信履歴を見た時お母さんとお父さんの履歴が残ってました。ちょうど電話を取ったお母さんとの会話ですっかり忘れてました。失敗失敗。


 「白ちゃん凄いな。ご飯もトイレも何も必要ないなんて。最高のペットじゃないか。いやもう家族の一員だったな」

 「寿命も長いと家族の中で一番長いと思うしにゃー」


 笑う二人に仲良くなってくれて嬉しい気持ちが溢れます。家族になることを受け入れてる感じのする白ちゃん。このままならしばらくは一緒にいてくれそうです。私はいつの間にかシロちゃんが居ないとダメになってしまいました。いつまで一緒に居てくれるのでしょう。


 誰も見ていないテレビには今日の石の塔についてのニュースが流されてます。ニュースでは全世界に至る所でダンジョンが生まれたという事。

 日本では北海道、東京、大阪、福岡、鹿児島と五つの塔が立ち現在は立ち入り禁止になっており、研究職の方達や警察、自衛隊などが安全の確保に尽力しているそうです


 「私達ちょうどこれが立つ所見て中に入ったんだよね」

 「そうなの。怪我はなかったのよね?」

 

 心配そうな顔をするお母さん。それとは対照的に楽観的なお父さんは中がどうなっていたか聞いてきました。なので私は中に広がっていた大自然の事とステータスの書いてあるカードについて話しました。


 「なんだかゲーム見たいだな。この塔を作った人はゲームを真似して作ったんだろうね」


 その言葉に私はびっくりしました。

 作った人が居るという事を考えなかったからです。確かに白ちゃんのような子が居るなら神様のような人だっているのかもしれない。いや人間には無理な事なのできっといるのでしょう。もしくは関係を持つ人が。


 「ご飯できたわよー」

 「「「はーい」」なのにゃ」


 食卓には三人分と小さなお皿に盛られた白ちゃん用のご飯が並んでます。今日のご飯は私が大好きな甘口のカレーです。

 久しぶりに皆で食べたご飯はいつもより美味しかったです。


 今日は白ちゃんがいるおかげで家族といっぱいお喋りをしました。シロちゃんに出会えなければ今でも一人引きこもっていたに違いありません。白ちゃん様様です。

 

 この日から私たち家族はお話する機会が増え

、一緒にご飯を食べるようになり学校に行けてない以外は普通の女子中学生になりました。


 次の日私達はお父さんとお母さんが白ちゃんを見ることが出来、他の人の目にも映るのか実験という名のお散歩に行く事にしました。

 今日は土曜日!補導される心配は無いので堂々と散歩出来ます。


 「行ってきます」

 

 私は昨日の今日ですが石の塔を目的地にして散歩しに行きます。

 朝イチなので気温がいつもより低く気持ちの良いお散歩タイムです。

 ですが早い時間なのが災いして、目的の他人からの白ちゃんへの反応を見るミッションがなかなかクリア出来ず石の塔まで到着してしまいました。

 けれど石の塔の周りには偉そうな沢山の人が出入りしており、その周りには野次馬もいるので何とかなりそうです。


 私は白ちゃんを手で捕まえて野次馬の中に混ざりました。

 すると首輪もつけてない逃げる様子のない猫ちゃんを抱っこしてるので、皆びっくりして凝視してきます。これでミッションコンプリートです!

 そうして私達は帰ろうとした時おばちゃんから声をかけられました。


 「可愛い猫ちゃんね。首輪つけてないけど逃げないの?」

 

 これは首輪をつけろというお節介からでしょうか。そりゃ心配になりますよね。

 私は一生懸命に逃げないし言う事聞くので安心だと伝えました。

 軽くお座りまでさせると賢い子なのねと理解してくれました。

 今日はいい気分なので白ちゃんを見せつけるように長めのお散歩しましょう!

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