五話
お家を出てから三十分もう私は限界です。
まだ夏になってないのに暑すぎです。これからもっと暑くなるなんて信じられません。
「居ないですねー」
「そうだにゃー。おみゃーを見つけるのにも三日かかったんだからそれ以上には時間かかると思うにゃー」
白ちゃんは余裕なのか、お話しながら私の周りを浮いてぐるぐる回ったり少し先まで走っては戻りと騒がしくしています。
恐らく一人だともっと早く探せるのでしょう。わざわざ引きこもりの中学一年生女子のペースに合わせてくれてるようです。
出発する時も、私に心の準備が出来たかと心配してくれたり白ちゃんはとても良い子です。
最高のお友達です。
流れ出る汗を手で拭っていると目の前に広がるオアシスを見つけました。
「スーパーいきましょ。アイスと飲み物欲しいです」
私は返事を待たずスーパーへ駆け出します。今日のアイスはスーピーカップにジュースは四谷サイダーです。
ぱぱっと買い物を終え近くにあった公園でおやつタイムをします。
サイダーを開ける前に、キンキンに冷えたペットボトルを私の首に当ててあるく涼みます。
「冷たーい」
横では早く早くと白ちゃんが急かしてきます。そんな姿に仕方ないなーとペットボトルの蓋を開け渡してあげます。
すると白ちゃんは子猫から大人猫さんよりも大きい位のサイズに成長して起用にサイダーを飲み始めます。
白ちゃんは幽霊なので体のサイズを自由に変更できるそうです。けれど一応いつもの子猫ちゃんサイズが平常時らしいです。
この変身が出来るようになったのは昨日らしいです。出来たてホヤホヤです。
「うみゃー」
満足するほど飲んた白ちゃんは私にサイダーを返し、今度はアイスを急かしてきます。
私は持たされたサイダーを一気に飲み全身に広がる冷たい液体に体が喜びます。
猫ちゃんが飲んだ物に口を付けても大丈夫なのかと思う人いると思いますけど今回も幽霊なので大丈夫です。
実際に口をつけているのではなく飲んだり食べたりした部分が抹消されるような感じらしいです。
「アイスどうぞー」
アイスの蓋を開け内蓋を剥がし一番を譲ってあげます。子猫サイズに戻った白ちゃんはぺろぺろと顔全体を付けるようにして少しずつ食べていきます。
実際に顔全体にアイスを付けており私が顔を拭ってやります。あらかたアイスは取れましたけど完全には綺麗になりません。
「綺麗にするにゃ」
白ちゃんは全身を軽く光らせます。すると毛がツヤツヤになり汚れが綺麗に無くなってしまいます。日頃はこうやって体を清めているそうです。
この汚れを取る魔法のようなものは自分にしか使えないようで、私の部屋は綺麗に出来ないそうです。体以外にも使えたら便利だったのですが残念です。
しばらく二人で休憩して雑談をしました。いつも仲間探しのお散歩はどのくらい移動してるのかや、おすすめのネット小説など何気ない会話を広く青い空を眺めながらしました。
なんだか学生みたいですね。
あ!元々学生でした笑
「疲れたかにゃ?」
「ええとても。引きこもりにはしんどいですね」
スマホで時間を確認するともうすぐお散歩始めて一時間。いつもなら白ちゃんが帰宅する時間では無いですが早めの帰宅要請です。気を使ってくれてありがとうございます。
「じゃあ帰るかにゃ」
「帰りましょう」
こうして私は白ちゃんがお外に仲間探しの散歩に出来時時々同伴して、と言うより同伴させられて外出する機会が増え健康な子供に一歩前進です。