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三十二話

 私は久しぶりに悔しいという感情を味わいました。特にゲームなどしませんし、学校に行って部活やテストを受けたりもしないので感情の上下は少なく、平坦な生活をしていたのでどんな風に悔しさを消化していいのか分かりません。


 「桜さん大丈夫?」


 心配してくれるふくよさんの手を借り私は立ち上がり剣を強く握りしめます。

 

 「次は絶対負けない!」


 私の怒りは背中から鬼が出そうなほど。

 今なら殺気でカエルぐらいなら殺れそうです。

 精神を整えようと大きく息を吸い吐き出します。そして落ち着くと、ふといつの間にここまでダンジョンジャンキーになっていたのかと考え直しました。ある程度稼げたら良いと思っていたのにここまでのめり込むなんて。


 今はダンジョン攻略とても楽しいです。

 友達と白ちゃんが一緒にいるからダンジョンが楽しいんですかね?


 感傷に浸るのは程々にして私は次戦うの対策を考えます。

 あの体感新幹線くらいある(実際はそこまでない)黄色カエルの感電舌は小回りのきくナイフで処理して近付き滅多刺しにしてやりましょう。

 魔石に変わる所を想像してニヤニヤしちゃいますね。ムフフ


 視線を前方に戻しますと白ちゃんとふくよさんは泥だらけの状態でニヤニヤする私にドン引きしていました。失礼しました。

 とりあえず私は泥を落とす為に白ちゃんに水属性の魔法のウォーターをかけてもらい全身を綺麗にします。

 どうせすぐ汚れるので髪や体は拭きません。


 びちゃびちゃの服からある程度絞って水気を切り、剣をマジックバックにしまいふくよさんに準備オッケーと告げ十四階層へ登る階段を探しに進みます。

 その間に私は攻撃をいんぷっとしたから今まで通りでとお願いします。

 ぐちょくちょと泥や水で重たくなった足で、ぬかるんだ地面を真っ直ぐ歩いていると、進路に忌々しいカエルが三匹緑色カエル二匹に黄色カエル一匹です。

 

 私は黄色カエルが攻撃をしてくる前に軽く走り出します。

 すると黄色カエルは舌を伸ばしのタメを作り二匹緑色カエルは突撃してきます。

 ふくよさんからプロテクションを受け取り、さらにグッと足に力を入れ指を伸ばして大きく振りさらに身体能力を強化し全力で加速し、緩急を付けてカエル達の攻撃を避けます。

 黄色カエルから三メートル程になると私はナイフを両手に構えます。

 黄色カエルは動く私に照準を合わせて貯めた舌伸ばし攻撃を発射しました。


 私は右手のナイフで一直線に飛んでくる舌を逸らすように切りつけます。

 完全に攻撃を逸らし黄色カエルに密着し、二本のナイフで何度も切り付け次の行動をさせる前に魔石に変えてやりました。

 そこからはワンサイドゲームで白ちゃんの魔法である程度削れた所を追い討ちして二匹緑色カエルを処し三つの魔石が地面に転がりました。

 これで私の敗北を白星に上書きする事に成功しました。

 

 私は攻略した事で嬉しくなり小さくガッツポーズを取り喜んでいると、頭の中に魔法が突然インプットされます。

 その魔法は白ちゃんがよく使う雷魔法のボルトでした。


 私はみんなが簡単に魔法を使う所を羨ましく思っていたので、やっと魔法を覚えることが出来きテンションが上がりカエルを攻略した事も相まって大きくやったー!と叫びました。

 本当に嬉しいです!まじ最高!


 唐突な大声に二人は驚き変な人を見るような目で見てきます。

 そんな風に見ないでも良いじゃん。だって嬉しかったんだもん。


 「魔法を覚えました!ブイ!」


 ふくよさんと白ちゃんにピースサインをしてドヤ顔を見せつけます。

 そうするとふくよさんは見せてとおねだりしてきました。

 そう言われると仕方ないですね!

 やってあげましょう!


 私は手を前に出して魔力の消費を感じ魔法名を呼びます。


 「ボルト!」


 バチっと手のひらに電気が流れ、いよいよ魔法が発動するとワクワクが止まりません。

 いざボルトよ発動せよ!

 私はそのまま手を伸ばし続け魔法の発動を待ちます。

 数秒経ち数十秒経ちいくら待っても魔法は発動しませんでした。


 魔力が少なかったですかね。

 私は消費する魔力量を増やしてもう一度ボルトと魔法を唱えます。

 するとまた手のひらがバチッと電気をまといまたそこから数十秒が経ち何も反応はありませんでた。


 「え?終わり?」

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