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三話

 「ほぅ猫又お握らにゃいの配信か」

 「そうです」

 

 自分家かのようにパソコンの前で陣取り堂々とオタク度を品評会されてる私。なんだか友達といるみたいでこれはこれでありですね。

 そういえばいつの間にか語尾が無くなってる。


 「キャラ設定にゃ。どっちが良い?」

 

 なんて猫なんだにゃ!ここまであざむいていたなんて!


 「じゃあにゃの方で」

 「分かったにゃ」

 「あと能力使うの禁止」

 「うるさいにゃー分かった分かったにゃ」


 こちらが子供みたいな扱いして!とプンスカしながらポテチの袋を開けると、一番最初にスーッと手を入れガサゴソとまさぐっています。

 けれど赤ちゃん猫さんには手の長さが足りないようで諦めてこちらを見てきます。なんだかとても可愛いのでふてぶてしい行動も愛嬌としましょう。

 一枚取ってあげる美味しそうにもぐもぐと小さい口を動かして一生懸命食べています。

 けど何度もあげるのは面倒なのでポテチをパーティー開けしました。お菓子をパーティー開けしたのなんて久しぶりです。


 「ありがとうにゃ。敬語はいらにゃいからにゃ」

 「これは癖なので」

 「そうなのにゃー」

 「幽霊になる前にも飼い主さんと見てたんですか?」


 私は何となくで聞いたのですが白猫ちゃんは困ったような様子をします。デリケートな部分だったのでしょうか。それだった申し訳ない。


 「幽霊になる前の記憶はないにゃ。人の言葉もVTuberの記憶も何故か覚えてたにゃ」

 「そうなんですね」


 三日前に幽霊になったのに、人の言葉を話せて色んな記憶を持っているなんてすごくふしぎですね。


 「ジュース飲みますか?」

 「飲むにゃ」


 私はこっそりと私の部屋を抜け出しキッチンからお皿を一枚拝借はいしゃくしました。

 静かに部屋へ戻ろうとしましたが見つかってしまいました。お母さんです。


 「さっきから声がしてたけど」

 「えっと、あの、友達と話してた」


 そういうとお母さんはすごく嬉しそうな顔をしてかごいっぱいのお菓子を私に渡してきます


 「どんな子なの!?ちゃんとお礼しないと」


 バタバタ私の部屋に来て部屋の中を見ようとするお母さんを私は慌てて無理やり止めました。


 「電話!電話だから」

 「あらそうなの。さっき急いで帰ってきたから友達連れて隠してるのかと思ったわ」


 残念そうなお母さんでもなんだか最近見なかった嬉しそうな表情も混ざっています。これは半分くらい信じてない時の顔です。


 「お母さん、ありがとう」


 そう言って逃げるように、実際に逃げたのですが私はお菓子とお皿を持って部屋まで走り部屋に戻ってきました。

 そのまま何事も無かったかのように平たいお皿にジュースを注ぎ渡します。


 「忙しそうだったにゃ」

 「ええ、とても」

 「お母さんに見せても良かったんじゃないかにゃ?」

 「部屋汚れてますし。不登校な私には友達いるんじゃないかと思って貰えた方が嬉しいと思いますし。一応友達になったばかりの白猫ちゃんはいますし嘘ついてません。電話は嘘ですけど」

 「確かににゃ。おにゃーはいい子だにゃ」


 私はお母さんが嬉しそうな顔していたのが頭にこびりついて離れません。もっと安心させれれば良いのですが。いつになるでしょうか。


 「猫又おにぎらずの配信見ないのかにゃ?」

 「見ますよ!」

 「猫又おにぎらずは可愛いにゃー。結婚したいにゃ」

 「猫同士ですもんね」

 「そうだにゃー。そもそもメスどうしだけどにゃ」


 くだらない雑談をしながら白猫ちゃんと配信を見終わり今日はなんだか疲れたので眠たくなっちゃいました。そろそろ寝ますか。


 「白猫ちゃんそろそろ歯ブラシして寝ますよ」

 「幽霊なんでいらないにゃ」

 「そうなんですね。そもそも猫ちゃんは毎日しませんよね」

 「そうだにゃ」


 じゃあ歯ブラシしてきますねーと部屋を出て歯ブラシをしていても、白猫ちゃんの事を考えています。短い間ですけどすっかり家族のようになってしまいました。

 白猫ちゃんは呼びにくいので新しく名前をつけてあげないと。

 とっとと歯ブラシを終わらせ部屋に戻ると私のパソコンで別の配信者を見ていました。


 「誰ですか?」

 「春雨スープうらめーちゃんにゃ」

 「初めて聞きました」

 「結構いい声してるにゃ」

 「それよりも名前決めませんか?」


 提案をすると、軽く目を細めて上を向き考えてたったの数秒で適当に決めてしまいました。


 「しろでいいにゃ」

 「そんな適当な」

 「分かりやすいしこれで良いにゃ」


 簡単に名付けが終わってしまいました。こんなことで大丈夫なのでしょうか。でも本人が良いと言うのでこれ以上は言うことないですね。


 「そういえばなんて言う名前にゃ?」

 

 今更な質問ですね。同居してから名前を教えるのとか辺感じです。

 

 「桜舞子です」

 「じゃあ私は桜白だにゃ」


 私の苗字を名乗ること許した覚えはないですけどまぁ良でしょう。

 

 今日から桜舞子と桜白は同居を始めます。


 「寝ますよー」

 「はーいにゃ」

 「どこで寝ます」

 「んー今日は腕の中で寝るにゃ。好きにもふもふすると良いにゃぁーよ」

 「分かりましたもふもふします」

 「「おやすみなさい」にゃ」

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