十一話
四階層につきまず見た景色には、今まで同じように踏み固められた道が続くなか何も無い場所に何故か草が生えていました。
擬態がバレバレです。
相手に攻撃される前に竹刀を振り下ろして先制攻撃をします。するとスライムの時と同様に魔石をドロップしました。
私は魔石を拾おうと屈むと、くさいくさが居た所はほんのり臭い匂いが漂っておりサッと広いその場から離れます。
「臭いにゃ」
白ちゃん近くに居ないですが、それでも人間の嗅覚の数十万倍と言われるだけあってダメージを食らっており鼻を何度も擦っています。
何とか我慢出来るそうですけど、この階層はモンスターを見つけても辛そうなので、無視決め込んで真っ直ぐ次への階段を探すことにしました。
この階層はスピード重視という事で白ちゃんの必殺技を使います。
白ちゃんに大きくなってもらいその背中に私が乗るというライドスタイルです。
私は白ちゃんの毛を強く握り締め、足は食い込ませるほど強く締め上げます。
そうして白ちゃんは私の様子を見ながら少しづつスピードを上げて広い大地を駆け抜けます。
途中握力が限界になり地面に落ちてしまったのはご愛嬌です。
白ちゃんの走るスピードはかなり早く、五階層に続く階段まですぐに到着しました。
今回も階段前にはおじさんがおり、許可なしで入れる最後の階層なので出来るだけ危険が減らせるよう先の事を聞こうと声をかけます。
けれど今回のおじさんは私達に向かって剣を構えおり大きな白ちゃんに恐怖を抱いているようでした。
すぐに白ちゃんには通常サイズに戻ってもらいテイムモンスターの証である首輪を見せ、怖がらせた事に謝罪をします。
すると安心してくれたようで、力が抜け剣を杖がわりにして地面に刺し体重をかけます。
申し訳なく思いおじさんが立てるようになるまで見守り、大丈夫そうになってから質問すると丁寧に教えてくれました。
新人用の階層の最終層ここではゴブリンが現れるようですけど危険はあまりないそうです。
しかし初の人型モンスターなのでメンタルが求められるようで、ダンジョンで戦えるか最初の壁になるそうな。
それだけではなく五階層は洞窟になるそうなので武器の振り方などが制限される事や、閉所恐怖症には厳しいものになるらしく、この階層で沢山の人がふるいにかけられるらしいです。
五階層の最後にはボス部屋があり、そこを攻略する事で六階層に上がる階段と一階に帰れる魔法陣があり、次からは魔法陣を通れば六階層からスタート出来るとのこと。
貴重な情報を教えてくれたおじさんには謝罪とお礼を言い、少し大きな深呼吸をして階段を踏み締め慎重に登っていきます。
ダンジョンの最初の壁になる五階層。いざ参らん!
「すごい!洞窟なのに明るい」
五階層の感想としてはまず明るさが出ました。壁には光る鉱石が上と下に着いており、暗くなく洞窟としては明るすぎない調度良い空間です。
洞窟の横幅は中一女子が手を広げて三人分といった所でしょうか。結構広い気がします。
けれど大きな武器を持つ大人には厳しいのでしょうか。
「行きますよ!白ちゃん!」
私は気合いを入れて白ちゃんを一撫でして進み始めます。
しばらくドキドキしながら真っ直ぐ進んでいると、ガラガラと何かを引きずるような音が私達へ近付いてくるのが聞こえます。
「私がやるので見ててください」
グッと竹刀を握りしめゴブリンが来るのを待ちます。すると石の斧を引きづった小学生サイズのゴブリンが私達の前に現れます。
見るからに攻撃力が高く、全く安全そうでは無いのですがどうゆう事ですがおじさん!
少しビビってしまい立ち止まりましたがゴブリンは待ってくれません。ゴブリンは石の斧を大きく振りかぶって下ろします。やばい、先制攻撃をされたと思い咄嗟に竹刀を横にして受け止める判断をしました。
けれど見るからに竹刀では耐えられなそうな攻撃、しまったと後悔して血まみれになりそうな現状を受け入れ待つと、竹刀が石の斧が触れた瞬間ゴブリンは大きく後ろにはね飛ばされます。
逆の立場になると思っていた私は唖然としていると、ゴブリンは石の斧を私に投げつけて振り返り逃げて行ってしまいます。
投げつけられると思っていなかった私は、頭に飛んでくる石の斧に死んでしまうと感じ、腕を顔の前に持ってきて切断まで視野に入れ何とか生きれるよう行動します。
クルクルと回転し私の腕に当たる石の斧は、鉄にぶつかったかのような弾き飛ばされ方をして地面に落ちていきました。
「助かった」
腕には小さな切り傷が出来ており、ステータスの差を大きく感じました。
後から知った事ですがステータスを得るだけで、ダンジョン内では人智を超えた身体能力を得り、ダンジョン外でも多少のステータスに合わせて身体能力が上がるのだとか。




