ホームコース
説明回
これはフィクションです
愛車、ランサーエボリューションⅢを手に入れ俺は峠の走り屋になっていた。
走り始めて半年、その峠で中堅どころくらい。
俺より速いのが3台くらい、同じくらいのが3台くらいだった。
後はどんぐりの背くらべだ。
走っているのは15台はいただろう。
当時、走り屋は多かった。パーキングは走り屋と見物するギャラリーでいっぱいになるほど。
俺たちは峠のことを"山"と言い、峠を走ることを"攻める"と言い、峠に出撃することを"山に上がる"と言った。
ここでホームコースのことを少し話そうか。
スタートとゴール地点が決まっていて、その間を行ったりきたりして速さを競う。"上り"と"下り"だ。
ホームコースは"上り" とは言っても途中に下っている勾配もある複合コースだ。
ここは某アニメのように抜きつ抜かれつなんてことは絶対にしない。そんなことしてたら毎週事故が起きてしまう。
そしてセンターラインを越える(反対車線に出る)ことも基本的に無しだ。
上り下りどちらも攻めてるからだ。
それに当然普通の一般車もそこを通る。
勝負の決まり方は前走車が追走車を引き離せるかだ。
速いほうが前走して追走車を引き離したら勝負はすぐわかる。逆であればUターンのところで前後入れ替わって引き離さないとわからない。
どちらが前でもお互いについて行けるいうこともよくある。
追走車のほうが有利で、引っ張ってもらえるから少しの実力差ならついて行けるからだ。
引っ張られるほうは自分のほうが負けてることは自分が一番よくわかる。
遅い方からすればこの時が一番のレベルアップの機会だ。一番事故りやすい時でもあるが。
こういう時の無理して車が滑ってフラフラすることを"タコる"と言う。
上りと下りで得意不得意があって上りは勝ったけど下りは負けたとかややこしいことは多々起きる。
それに2台だけとは限らない。5台6台で走ることもある。その時、先頭車はみんながUターンするのを待たないとならないが。
このUターンの時に後続車の方でも速い遅いがあるので走る順番の入れ替わりがあったりする。
このUターンの時間は結構テンションが上がる。
続く