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君を愛する事はないと言われて私もですと返した結果、逆ギレされて即離婚に至りました

よくある「君を愛する事はない」系の話を一度書いてみようと思いました。

「最初に言っておこう。リリアーヌ、君を愛する事はない」


「……」



 正式に夫婦となって夫の屋敷に足を踏み入れてまもなく、私はそう言われた。

 実家の男爵家から連れて来た侍女のクロエが丁度退出した途端での一言だった。

 多分聞こえているのではないだろうか。

 恋愛小説でよくある卒業式とかの衆目を集める席で婚約破棄を喰らうよりはマシか。

 人生の重大事なのに私は冷静にそんな事を思った。



(それにしてもねぇ……)



 余程相手を見下してない限り普通は新婚でこんな事を宣言しないだろう。

 つまり私の夫となったマルタンは決して普通ではない。もちろん悪い意味で。

 それとも成り上がり男爵家の娘と結婚してやる名門上級貴族の嫡男のプライドなのだろうか。

 私は胸元に携えているお守りに触れて精神の安定を図った。



「もう一度言う。君を愛する事はない。私達の婚姻はお互いの親同士が決めた事だ。気持ちまで君に寄り添うつもりはない」



 君は私の好みではないしな。

 そんな余計な一言が最後に添えられた。


 愛するだの愛さないだの夫の方からの一方的な上から目線での物言いが癪に障る。

 確かに彼の言った通り今回の婚姻はお互いの父が勝手に決めたものだった。

 逆に言えば意に沿わない婚姻はお互い様である。

 そういう訳で相互主義の原則に基づいて私も言い返す事にした。



「私もです。ある意味、気が合いますね」


「……何?」


(ん?)



 私の返答に夫はなぜか意外そうな表情を浮かべた。私の方が意外だ。

 どうやら名門侯爵令息で美男子の自分に女性は皆惚れるものだと思っているらしい。

 勘違いも甚だしい。

 私自身の容姿は貴族令嬢として特別優れた物ではない。

 しかしこちらにだって好みというものがある。

 ハッキリ言えば夫は私の好みのタイプからは大きく外れている。



「君は私に興味は無いのか?」


(何故そんな事を聞くのかつくづく不思議だわ)


 

 自分も今言ったではないか。この婚姻は自分の意志で決められたものではないと。

 なのになぜ私の方だけは夫に愛情があると思っていたのだろうか。

 女性にモテると自認している一部の男性だけが持つ自惚れと勘違いに私は唖然とした。


 そもそも寄り添う気持ちが無いとしても仮にも私は妻になったのだ。

 女性は男性の従属物ではない。対等なパートナーだ。

 そしてどんな女性だっていきなり一方的に傷つく事を言われたら百年の恋もあっさり冷める。

 取りあえず勘違いを正す為の言葉を口にする。



「勿論です。全く愛情はありません。それこそ毛筋程も」


「そ、そうか……」



 どうやら私自身が喜んで婚姻したという誤解は解けた様だ。

 少しスッキリしたけど夫は逆だったらしい。



「……参考までに聞いておきたいな。君は私のどこが気に食わないというのかな」


「どこがと云われましても……」


「怒らないから言って欲しい」


(どう答えるべきかしら)



 余裕を持って聞いているつもりなのだろうが夫の手が微かに震えている。

 恵まれた育ちでプライドも高く女性に袖にされた経験は初めてなのかもしれない。

 確かに夫は在学中、王太子殿下と並んでその美貌を称えられていた。

 尤も、殿下と違ってそれ以外に褒められるのを聞いた事は無かったけれども。



(うーん……今回は向こうから理由を聞いて来たのだし、言ってもいいか)


 

 そう判断して私は自分の毒舌砲を控えめに発射する事にした。



「では言います。私の知っている範囲で全てが嫌いです」


「馬鹿な! 何故だ?」


「いや、ですから馬鹿なとか云われても……」


「詳しく言え!」



 あれ? 参考までに聞きたいだけじゃなかったの?

 怒らないと云っていたのにいきなり怒っているんですが。



「……詳しく、ですか?」


「そうだ! 詳しく、正直にだ!」



 どうも本音を言わなければ許さないといった感じだ。

 そこまで云われたのならしょうがない。私は思いつく順に嫌いな理由を話した。



「まず、婚姻したばかりの妻に面と向かっていきなり愛する事はないなどと……。

 そんな事を宣言する人格が堪らなく嫌ですわ」



 始めの一言を吐き出したら立て板に水のごとくすらすらと出てきてしまう。

 女性は皆自分に惚れると思っているその馬鹿で厚かましい思考が嫌だ。

 好みでないなどと云ったがこちらにも好みがあるとは思わないのですか、等々。

 勿論言葉のオブラートに包んでだが。



(こんな簡単な事に思い至らないなんて人として思考過程に重大な欠陥があるのではないですか)



 この一言は言うのを止める。



「あと、長髪も嫌いです」



 夫は女性顔負けのつやつやと手入れの行き届いた長髪を後ろで結んでいる。

 唇もぷるぷる艶々していて肌の手入れも抜かりない。



「男性なのに驚くほど長髪で後ろ髪を結わえている所が気持ち悪いです。

 そんな髪で男子必須の剣がまともに使えるのですか?」



 もちろんどんな格好をしようと個人の自由だ。そこに文句をつける気はない。

 しかし私は背景に薔薇が出て来る感じの人よりも爽やかな汗が似合う男性の方が好きなのだ。

 単純に私の好みの問題である。

 女性と見まごう様な中性的な美青年タイプの男性は苦手だ。

 まるで自分自身は絶世の美男子ですよと自己陶酔に浸っているみたいで気持ち悪い。

 爽やかさより耽美に走っていて折角のイケメンという資源(?)の浪費だ。


 その他にも取りあえず軽く思い浮かぶものからいくつかを一気に私は述べた。

 取りあえず、のつもりだったが軽く10項目越えてしまった。


 別にこんな事を一々口に出すつもりは無かった。

 正直に言えと言われたので正直に返しただけだ。

 たとえそうでも気を遣って言わないのが人の道ではある。

 しかし今回は本人の希望もあった事だし何より失礼な事を先に言ってきたのも向こうだからお互い様だ。


 最後に心の中で付け加える。

 人格と外見共に貴方は私の嫌いな要素を凝縮した理想と真逆の男性です、と。



「……」


「言うつもりは無かったのですが正直にとの事でしたので。

 変な言い方になりますが嫌いな者同士、実家の利益の為うまくやっていきましょう」


「……ふ」


「ふ?」


「ふざけるな! 婚姻破棄だ!」


「えっ?」


「お前のような女が妻などと考えただけで虫唾が走る! 父の意向など関係ない!

 断固おまえとの婚姻は破棄させてもらう!」



 その言葉を聞いて流石に少し言い過ぎたかなとは思った。

 しかし別に私は慌てていなかった。寧ろ、嬉しい。

「愛さない」だけで済まずに「婚姻破棄」まで行きつくとは。

 この時点で私は夫が何も分かっていないという事を理解した。



「……本当ですか?」


「本当だとも! 嘘だと云って欲しいのか!?」


「いいえ」



 私は部屋の片隅に控えるクロエに命じた。

 侍女は私に素早く近寄ってきて恭しく一枚の書類を差し出す。

 この会話が始まったのが彼女が退出した瞬間で良かった。

 しっかり会話の内容を聞いたらしく、案の定クロエはいつの間にか部屋の中に舞い戻っていたのだ。


 

「わかりました。結婚早々の婚姻関係解消となりますね。早速この書類にサインをお願い致します」



 そこには実に簡単な一言が書かれていた。

 夫の方から婚姻を破棄する旨の。

 単なる意思確認書類であるがこの婚姻には非常に重要な意味を持つ。



「……何でこんなものを持ち歩いている」


「備えあれば憂いなしです。いつ必要になるか分かりませんでしたから。さあどうぞ」



 私は有無を言わせずに続けた。

 書類の内容はシンプルだから特に書いても問題はないと思ったのだろう。

 通常は一方的に関係を破棄される女性の方が男性よりもダメージが大きいという印象もあるのかもしれない。

 とにかく全く怪しむ事も無く話の流れの勢いのまま夫はサインした。



(やったわ! まさかこんな展開になるなんて!)



 サインを確認した私は自然と口角が上がってしまった。

 確かに婚姻破棄に関するその後については何も書かれていない。この書類には。



「なぜ手を握りしめている」



 しまった。

 表情は堪えていたのについ本音が出てしまった。

 澄ました表情でごく控えめな歓喜のポーズを止める。



「まさかと思いましたが……本当に理解していなかったのですね」


「何の事だ」


「あなたの実家の侯爵家と私の実家の男爵家で交わした事業提携契約内容を正確に、です」


「……何?」


「これで婚姻関係は解消されます。では、私はここで失礼致します」



 所要時間約10分で私は新居となる筈の侯爵邸を後にした。 

 呆然としている元夫をその場に残して。

 私とクロエは侯爵邸に到着していた男爵邸の馬車に乗り込んだ。

 わずかな私物を実家から持ってきていた為だったのだが丁度いい。

 荷物搬入を中止させて私達はその馬車で王都にあるタウンハウスへの帰途についた。

 馬車の中でクロエに問う。 



「追って来るかしらね」


「マルタン様が御父上の侯爵様に確認するまで少し時間はあるのではないでしょうか」


「今更、元の鞘に収められても困るわね。急いで」



 私は男爵邸の下男でもある御者に声を掛けた。



(まあお互い了承したし書類もあるから問題ないけど)


 

 下男は訳も分からない様子だったが私の指示に従って馬車を急がせた。

 何せ荷物を搬入していたら止められて急遽男爵領に帰る様に指示されたのだ。

 彼からしたら一体何事か頭に?マークが飛び交っているに違いない。

 気持ちはわからないでもない。



「相手に興味が無いとはいえ事業提携の書面内容に関して詳しく承知していないとはね」


「僭越ながら私も思いませんでした。侯爵家の跡取りなのに」


「賠償金の事はお忘れなきよう侯爵様へ宜しく、と付け加えるのを忘れていたわ」


「云ったら止められていたでしょうから正解では?」


「それもそうね」



 私達の婚姻に絡み、お互いの父にはそれぞれの思惑があった。

 深刻な財政難に苦しむ侯爵領と家格は低いが羽振りは飛び切りいい男爵領の結びつきにはお互いに益がある。

 侯爵領は身内となった男爵領から実入りのいい事業への参入と金銭的融通を。

 そして男爵領は更なる経済的発展を求めて上流貴族への足掛かりを、という訳だ。


 しかし商売人として抜け目のない私の父は婚姻に当たり先方と交わした事業提携書類にある文章を入れていた。

 要するに婚姻破棄を先に申し渡した方が有責で巨額の賠償金を支払う、というさり気ない一文だ。

 いやらしい言い方になるが王家とつながりを持つ侯爵家を徹底的に利用する気だった父としては当然だ。

 そうでなくてはひたすら援助するだけでこちらに旨味がない。

 別れる事を前提にした結婚など基本無いから書類を交わした時点で侯爵は特に気にする事も無かっただろう。


 つまり、この婚姻が向こうの有責で破局になっても父としては構わない。

 そもそもまだ何も始まっていないのだから男爵領財政三年規模に値する莫大な賠償金がまるまる手に入るだけである。


 一見、マイナス面があるとしたら私自身の立場だろうがそれも問題ない。

 現状で想い人と結ばれる可能性が限りなく低い私としては破局になった方が寧ろ可能性が高くなるのである。

 この事まではお父様は知らないだろうけど。


 正直、その事を諦めて嫁いできたのだが物事はどう転ぶか本当にわからない。

 お父様は私の事を聞き分けのいい従順で健気な娘と思っている。

 娘として父の意向に沿って行動してこうなった以上、私の願いも叶いやすくなるというものだ。



(でも、金銭的に困窮している侯爵家にとっては更なる痛手よねぇ……。

 今回の件でとどめを刺されるのではないかしら)



 マルタンのあの様子では父親に離婚は許さないぞくらいしか言われていなかったのかもしれない。

 事業提携書類を隅から隅まで舐める様に読みつくす商売人の娘の私と違って内容を十分に理解していなかった様だ。

 せいぜい成金下級貴族の金づるの一つと関係が失われた程度の認識だったのかもしれない。

 

 16歳で一応成人と見做されるとはいえ、18歳なんてまだまだ精神的に未熟だ。

 だが何の責任も無い平民なら許されても将来領地領民を背負って立つ貴族の跡取りの18歳にしては愚かすぎる。

 

 そうこう考えている内に馬車は男爵邸に到着した。

 私が戻って来たと知って何事かとお父様お母様が飛び出してきた。



「お父様、お母様。只今戻りました」


「リリアーヌ!? 何があったんだ!」


「婚姻破棄されまして。出戻りです」


「何だと!?」



 結婚して家を出た筈の娘が間を置かずに戻って来た。それも屋敷に移った当日に。

 もちろん父も母も驚いた。幼い妹だけは私に嬉しそうに抱き着いて来た。

 応接室に移動した後、私は二人の間であったやり取りと経緯を詳細に話した。

 難しい表情をして考え込んでいた父はため息を漏らしてから口を開いた。



「……まぁ、仕方が無い。そういう事なら」


「貴方、そんな……」


「そうだろう。こんな物まであるのだから」



 話の最後に向こうの有責を証明する書類を見せた事が大きかった。

 何故かそんな書式を私が前もって用意していた事には若干引いていたけれど。



「至らぬ娘で申し訳ございません、お父様」


「いや……元々どちらに転んでも我が家にとって損はしない事だったからな。

 お前には気の毒だったが……」


「私に魅力が無いのがいけなかったのですわ」



 しおらしく私はそう答えた。

 領主はある意味領地の中では王様だ。

 何の行く末を決めるのも取り止めるのも全て領主の判断一つである。

 父はあっさり事情を受け入れた。

 貴族と云うより絶対商人の方が向いている。



「我が領が豊かになるのは構わんが一方で片付かん重大な問題もあるものだ。

 お前には早急に婚姻破棄を打ち消す様ないい縁談を用意してやるからな。すまなかった」


「お気遣いありがとうございます。ですがしばらく一人で落ち着いた環境で静かに過ごしたいのですが」


「……そうか、そうだな。寧ろ時間は必要だな。

 よし、男爵領に戻ってしばらく傷ついた心を癒すがいい。後の事は気にするな」


「はい。ありがとうございます。お父様」


「リリアーヌ……気を落とさないで。私も一緒に領地に帰るわ」


「大丈夫ですわ、お母様。クロエもいますし」



 翌日早々に私は男爵領へ出立した。

 領地に帰る私に同行するのはクロエと護衛兼御者二人の計三人だけだ。


 実は昨日夜遅く侯爵様がマルタンを伴って慌ただしくやってきた。

 無論、お父様が追い返したけれど。

 再度やって来る間に当事者である私は王都から姿を消させてもらう。

 書類はお父様に預けているので後はお任せするだけだ。


 結果的にはまるで結婚詐欺をしてしまったみたいで今一スッキリしない。

 だが書式を準備していたのはえげつないけど、こちらに落ち度はない筈だ。

 貴族の嫡男がするサインにはそれほど責任という重さが伴う。

 愛の無い結婚生活でいつか離婚を持ち出された時、それを証明する準備をしていただけだ。



(まぁ、離婚に至る経緯は売り言葉に買い言葉みたいな感じだったけど……)



 二週間後、私とクロエは男爵領の屋敷に到着した。

 王都の教会で結婚式を挙げる為に出て行った屋敷に一月経たずに帰って来るとは予想外だ。

 こんな結末になるとは思わなかったが婚姻破棄は本当にありがたかった。

 その理由が屋敷から私の前に出て来た。

 元夫とは真逆の短髪で背が高く肩幅が広く逞しい体付きの男性だ。

 男爵家の執事、フェリクスである。



「お、お嬢様!?」


「ひと月ぶりね、フェリクス。帰って来たわ」


「どうなされたのです、一体!?」



 早々に帰ったから早馬便と変わらないので先ぶれなど出していない。

 私は目を白黒させて驚いているフェリクスに向かって簡単に説明した。

 向こうの有責で婚姻は解消されたと。

 あまりの突然な出来事に優秀な彼も事情を理解するのに多少時間を要した。

 全て理解した時、その表情が和らいだように見えた。



「そうでしたか……お帰りなさいませ、お嬢様」


「只今……って、この挨拶正しいのかしら」


「勿論です」


「やっぱり私にはここがあっているみたい」


「お嬢様の相手を出来る者などそうはいないでしょうしね」


「そうね。貴方くらいかしら」



 口が少々悪いけど実直な執事は顔を赤くした。

 そう。私の想い人とは彼の事だ。そしておそらく彼も私の事を好いている。

 これは元夫と同じ自惚れだろうか。


 お互いはっきりと口には出した事は無い。まだ。

 今は飛び越えるべき身分と立場というものがある。



「……御冗談を」


「冗談で終わるかどうかは今後の貴方と私次第だと思うのだけれど」



 そう言って私は胸元からお守りを取り出した。

 子供の頃に目の前の人物から贈られた子供のおもちゃの指輪だ。

 それを左手の薬指に着けようとした。勿論、サイズが合わない。



「向こうに行く時も、これだけは離せなかったの」



 彼はその意味を正確に理解して大きくうなずいた。



「旦那様のお目に留まるように精進致します。

そして……新しい指輪を必ずお贈り致しますので」



 今回私の婚姻が失敗したおかげで父は優秀な彼を後継者として考えてくれる可能性が高い。

 我が家にはまだ年少の妹は居ても弟は居ない。そして私は出戻りだけど長女だからだ。

 私は既にバツイチなのだから貰い手などかなり限られて来るだろう。


 しかし幸い、私には身近に愛する男性が居る。

 彼は不祥事で取りつぶしになったとはいえ元々は子爵家令息である。

 三年前、彼の父と兄は不祥事で逮捕されたが王立学園在籍中の学生だった彼だけは牢獄入りは免れた。

 その後国王陛下の指示で子爵領は金銭面で国への貢献著しい我が男爵領に吸収された。


 貴族籍と財力を失ってフェリクスは学園を退学する事になってしまった。

 しかし能力を惜しんだ私の父が屋敷に一従業員として引き取ったのだった。

 大事な幼馴染にして尊敬する先輩の我が家への就職については勿論私も後押しした。

 彼は今ではこの屋敷と我が領内の運営に欠かせない人物になりつつある。



(彼との仲を認めてもらう為に、私も色々忙しくなりそうね)



 どこかへ嫁ぐのでなく次期領主夫人として父に認めてもらえる様に努力しよう。

 いずれ婿養子になった彼と二人仲良くここで暮らせればいい。

 そんな私の考えはまだしばらく公には秘密である。

お読みいただきありがとうございました。

さっぱりしたら幸いです。

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