表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
74/75

あお。さん

Q①、ユリアの結婚事情

A、エフィの状況と合わせて説明します。


 エフィを家に戻さないのは、レクサンデル大公国での就職、また家の伝手での就職はできないということです。家から籍を抜くようなことはしないので、エフィ自身は貴族籍のまま、ユリアとの結婚に身分的な問題はありません。

 競技大会中は、反省がないという評価で針の筵でしたが、第二皇子暗殺阻止に助力したため、少しは挽回しています。が、それも政治の上での話。やらかしたバカ息子というすでに流布したイメージは変わっていないので、ユリアのアタックについてレクサンデル大公国周りはやめておけと止めている状況。

 ただユリアの家としては、元から関わりの深い家同士。魔法の腕というエフィの一番の価値も衰えたわけではなく、帝都での就職ができればまた別の駒としての価値が生じるので、エフィの家と相談中といった形。


 レクサンデル大公国の貴族は、大半がそのまま帝国の貴族でもあるので、その子弟の就職先としては、レクサンデル大公国と帝国両方が選べます。その中でエフィは、家の伝手は使えないけれど、次代の皇帝を守った一員という付加価値がついたので、学園で努力して帝都にいい就職を得られれば挽回ができる目がある、という状況になっており、それを聞いたユリアが許されるならと立候補した形です。

 そして他の質問でも答えたとおり、幼馴染故にエフィが実家と連絡が密でないと知っていることから、婚約話は保留状態にユリアが持って行ってます。


Q②、帝国自治区と錬金術師の治める領地について。

A、アーシャが関わるまで話が進めば書こうと思っていましたが、ご質問があったので説明します。


 皇帝は国々を治める王の上に立つ王ですので、王としての領地、皇帝としての領地、血筋としての領地など、領地をいろんな名目でいろんな場所に持っています。

 その中で、ハルマの故郷自治都市クラウディオンは、名目上は皇帝の領地になります。そしてその皇帝に許されて、領主という貴族ではなく、都市の住人が自治を許されているという政治形態です。

 そのため、単純に領主のいるその他の土地とは制度も法律も違い、皇帝に許されて自治をしているという名目の、都市国家に近いものになります。

 このクラウディオンは錬金術に関係なく、都市として自立できるだけの財がある都市。言うなれば、比較的新しい商人の都市になります。

 そんな都市に好事家がおり、錬金術で作られた金庫という骨董品が流入。ハルマが錬金術に興味を持つきっかけになりました。


 それと比べれば、錬金術師が必須の領地クーファーメルは、王としての領地で、あまりお金がありません。

 というのも、皇帝位ができるよりも古い、王として先祖が得た領地であり、その頃の法律が未だに施行されている旧態依然の領地。その古さから皇帝の正統性と絡み合っているため、皇帝でも今さら決まりを変えられない、面倒な領地です。

 その中で、本来は錬金術を修めた者が継承するという決まりは、錬金術を修めた代官が担うことで皇帝自身に錬金術の知識がなくても継承できるようにされています。ただ時代が流れて、この代官も錬金術を修めなくなると、外から錬金術師を雇用することで補っていました。

 ネクロン先生の在学中は、この領地が学園の錬金術科の就職先になっていました。ですが今ではかつて錬金術科の卒業生だった者の孫の世代が代官に仕える錬金術師の仕事を世襲しており、実態としては錬金術師がいない状態です。


 上記の状況は政治的な転換にも影響されています。

 帝室で錬金術を擁護していたのは、今は亡きメイルキアン公爵。それを継いだユーラシオン公爵だったものの、本物の錬金術師を見つけられず。皇帝周辺は錬金術から離れてしまい、錬金術が要件の領地は名目だけとなり、錬金術師の世襲を重視しなくなっています。

 ただその名目だけの状態を知って、現皇帝はアーシャにちょうどいいと思ったものの、両公爵はもちろん、今さら皇子に口出されたくないという現地の代官などからの反発で実現しませんでした。


 クーファーメル領には名目だけの錬金術師しかおらず、現状それで問題ないという判断なので、クーファーメル領から大金を出してまで錬金術科に子供を送り込む者はいません。そこは錬金術師を探していながら、錬金術科に子供を送り込むなんて考えもしないユーラシオン公爵と同じ。

 またそれだけ錬金術科の肩身が狭く、世間体が悪い印象がついてしまっている状況がありました。

 実際、アーシャが入学する前の状態の錬金術科に入学したとして、本物の錬金術師がいたクーファーメル領、メイルキアン公爵家の求める水準には達さなかったという実情もあります。


Q③、モリーたちの現状について

A、三つ子も含んだ近況をば。


 モリーは結婚し、エラストは婚約、レナートとテレンティは現在恋人募集中ながら、仕事が忙しい状況です。

 現在工場周辺の倉庫を新たに買い取り、二つ目の工場を作り、そこに新たな蒸留器を作っています。この際、技術者の三つ子は現場監督的な位置になり、前々から打診していた技術者を、集団でモリーが雇用。事業拡大のために邁進中です。

 会員券により、高貴な顧客ができたため、今までの酒とは別に完全高級志向のラインナップを独立させたり、逆に工場の増設により安価に提供できる酒をラインナップ化させようとしたりと動いています。


 その際に三つ子は工場の技術者から、混合棟で錬金術の必要薬品を作る側に所属を変えて、同時に新たな蒸留器作りも続けている状態です。

 モリーは結婚し、公私を支える夫の存在もあり、事業拡大と同時に安定供給を目指しています。アーシャが帝都に戻るまでに安定させて時間を作り、故郷の竜人の国まで夫とあいさつに行くのが今の目標です。


 エラストの彼女経由での錬金術の技術に関して、宮殿の情報技官から接触を図られていますが、アーシャが無関係を装うため、ディンク酒を売る側として関わってはいません。

 モリーたちの側からは、宮殿内部で行われる魔導伝声装置に関わる動きも知りませんので、エラストの婚約者もそこは伏せています。なので表向き特に何もない状況です。


 裏では未知の錬金術として帝室図書館の司書たちが気にしつつ、魔導伝声装置と埃塗れの錬金術書を探す作業で手が出せていません。

 エラストの婚約者から見ると、独自の錬金術を抱えた技術者に見えており、そのお蔭で錬金術を軽視しない皇帝の目に留まったという理解です。なので、エラストが仕事上の守秘義務を持ち出すと引きますが、純粋に錬金術に関してわからないことがあれば、自身の守秘義務に抵触しない範囲でエラストに相談します。

 結果、お酒関係の錬金術師か修めていないエラストは、兄弟に相談し、モリーも巻き込んであれこれ頭を悩ませつつ婚約者の相談に乗っている状況です。

 またモリーたちのほうも、アーシャとの付き合いで宮殿側には敵ばかりという印象があります。なのでエラストの婚約者の個人的な相談はともかく、ディンカーのことがばれないよう、皇帝派と明確にわかる者以外の宮殿関係者とは距離を取る方針です。


Q④、メンスの学習状況

A、前提として、メンスは学友から侍従に変わったので、学園には入学しません。


 学友は上下があっても友人として同じ場に立てる身分。侍従は使用人であり上下がある上で、並んで立つことは決してない立場になります。

 公の場ではなく、私的な場でテリーを支えるための人員です。


 また、現状侍従として先にテリーの役に立つ縁故や情報を集める必要があるため、錬金術を修める予定もありません。今後学習の機会を得る必要はない立場になります。

 もちろん元学友なので読み書き計算、礼儀作法はできますから、貴族としては問題ありません。そこからさらに必要な教養を得ることがあれば、独学となります。

 この世界に義務教育はなく、大半の人間が学校には通いません。子供も労働力として早い内から仕事をします。貴族であっても学校へ通うことは必須ではありません。


 メンスは長男で、おかっぱの継嗣ですが、ほぼおかっぱが一代目の貴族家です。家を続けていくにはメンスが貴族としての縁故と、評価を得る必要があります。時間をかけて学習させ、学校へ入れて縁故を築かせるより、テリーの側で実際の宮殿の人員と交流させるほうが将来的な安定に繋げられる。そういう判断もあり、すでに侍従という職を得た、ほぼ大人扱いの子供になります。

 もちろん、皇帝側からテリーにつけられる人員が少ないために、求められてメンスをテリーの側に早い内から上げたという大人の事情もありました。


 ただメンス本人、テリーが気にしているのでアーシャが教えてくれる限りは、聞き知った錬金術についての話はテリーに手紙で報告しています。

 学校へ行かずとも独学は可能なので、今学んでいることと言えば、ルキウサリアの屋敷使用人たちによる、高貴な主人に仕えるために必要なエトセトラと言ったところ。ルキウサリアは帝都と気候も違うので、新たに学ぶことも多い日々です。


Q⑤、ハドリアーヌ王太子の体調について。

A、小康状態が続いています。


 生まれ持っての虚弱であるため、数年で劇的に回復はしません。それを見越しての、体力維持のヨトシペの魔法を応用しています。

 と言っても、魔法を使うには多大な精神力と集中力がいるため、調子が良い日に練習をする段階。ただ一度覚えれば、日常生活を送れる程度には回復する予定。


 以下は、書くかどうかわからないので、少々ネタバレを込みで説明します。

 ハドリアーヌ王太子の健康状態は、正直回復の見込みはなく、現代日本で言えば、手術が必要レベルの生まれつきの内臓の発育不全による疾患になります。


 なので、イスカリオン帝国がある異世界で本当に完治させようと思うなら、開腹の上、生まれついて生育のよろしくない臓器を切ることで余裕を作り、そこから治癒魔法で本来の大きさと機能を補うよう回復させるという、感染症が怖い施術が必要になります。

 この時、正常な人体を知っている魔力量たっぷりの凄腕の治癒師が必要であり、開腹手術のためにテスタレベルの薬師による麻酔処理が必要であり、輸血に豚の血を使わない、人間でも血液型を配慮するだけの経験則を持つ医師が必要となります。

 何よりそれらの施術の間生きていられ、施術後に回復するだけの体力が患者に求められるでしょう。


 これが現代なら薬で無理矢理機能を増進させるか、人工臓器、臓器移植などになります。

 魔法があるからこそ、自前の臓器でどうにかできる道はあるものの、王太子という立場だからこそ、その体に治療目的でも故意に傷をつけることは許されない身分。


 アーシャも前世医療関係者ではなかったので、外から見るだけではハドリアーヌ王太子の何処が悪いかはわかりませんし、対処法も知りません。

 もし将来的にエリクサーが完成したとしても、一定期間飲み続けなければ完治はしない、生まれつきの体質になります。そうなるとエリクサーを独占するような形になるため、新たな争いが起こる可能性が生まれるでしょう。

 そもそもエリクサーができたとして、それを世に公表するかどうかはその時の状況と、関わった国々の思惑によります。ハドリアーヌ王太子の手に届くかさえも、定かではありませんので、エリクサーを期待するよりも、体力増強に専念したほうが現実的です。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ご回答ありがとうございます。 ①エフィ家から出る=学園卒業したら平民になのではと思っていたので安心しました。 帝国就職となると学園卒業してもアーシャと関わる可能性もあるとなると嬉しいですし筆まめユリ…
お労しや王太子殿下……
毎日沢山のご回答をありがとうございます。 いつか不遇皇子の設定資料集も出て欲しい(笑) ②帝国自治区と錬金術師の治める領地 パパ陛下の代はまだ無理でもテリーが即位した後ならアーシャが皇兄として代官に…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ