時路さん
Q①、エラストの結婚報告について
A、ラトラスの家経由で届いています。
ただディンカーと第一皇子の繋がりを他が知らないので、大きなリアクションはしていません。
そもそも婚約者が国家機密に関わっているので、エラストもこれどうすればいいの? というヘルプも兼ねて文句を手紙にしました。
結果、ディンク酒の技術と第一皇子は無関係を貫くという返事をアーシャがしましたので、半ばエラストの文句は黙殺されたようなものになります。
頭を抱えたのはヘルコフで、エラストが婚約者に口を滑らせてアーシャに迷惑をかけないかと心配している状況です。
Q②、エフィの家族事情について
A、結果から言うと、エフィは兄と文通はしていません。
必要があればお互い報告や確認のための手紙を書くだけになります。
元からエフィは帝都に勉強に出されていた上に甘やかされた子供なので、親元を離れて育つ間も、帝都から帰らず手紙も親のほうが出すばかり。
兄は家にいる間に我儘になるばかりのエフィとは距離を取っていたため、帝都に行ってもほとんど関わりませんでしたし、手紙のやり取りもなく。
筆まめでもないエフィの代わりに、国許の情報をエフィの耳に入れるのは筆まめな友人たちでした。
なので改めて婚約者を決めないかという話も、急に手紙で親から知らされ、ユリアも自分が婚約者になってやると押しかけた形です。これは親との連絡事項を疎かにする、エフィを知っていたからになります。
もちろんエフィは、錬金術科に在籍している状況で魔法使いとしての評価が回復していないこと、卒業しても国許に帰れるか決まっていないことなどを理由に婚約話を拒否。
その旨実家にも書き送っており、状況は兄のほうも父親経由で知っていますが、個人的にエフィに手紙を書くことはしていません。
兄弟そろって筆不精なところは似ています。
代わりにユリアが実家とエフィの家に手紙を送り、在学中に口説くことを伝えてエフィの知らないところで婚約話は保留にされている状況です。
エフィもユリアも上の兄姉がいること、魔法使いという他よりも求められる素養を持っていることで、家から離れないならという条件の下、許されています。
Q③、アーシャ和解後、皇妃の周辺人物の去就について
A、遠ざけられてはいますが、切れてはいません。
皇妃の側近くに仕えられる人員であるからには、相応の権力と血筋がある者なので、すぐさま遠ざけることはできません。ただ、アーシャと和解してから少しずつ距離を置き、その人物の代替となれる人員を捜すこともしたため、現在では時折呼ぶ程度の関係に落ち着いています。
呼ばなければ、その人物が握ってる権力情報を得られないので、完全に断つことは自ら、ひいては皇帝、皇子への不利益となるため、皇妃が耐えている状況です。
そもそも権勢を誇るルカイオス公爵の娘が、隠し子で伯爵家育ち、しかも三男扱いでなんの功績も声望もない人物と結婚している状況は、同じ年頃の夫人たちからは少なからぬ嘲笑を受けています。
不快な人物全てを排除していては、誰も残らない状況。父ルカイオス公爵の権勢を捨てるには惜しく、妨害されては何もできないので、味方にはならなくても、敵にしないことを念頭に皇妃は社交と割り切って、人付き合いをしています。
情は深いですが、公爵令嬢としてルカイオス公爵に育てられているので、やろうと思えば冷徹な判断も下せます。
Q④IFで出た、皇帝から送られた皇妃の首飾りについての本編での逸話
A。贈られてますので、あらすじ程度で。
生まれ育った伯爵家でも、御用商人など相手にしたことがない皇帝。宮殿の御用商人の訪問を受けて、珍品器物を勧められるも、物の価値がわからず密かに笑われていた。そんな中、皇妃は公爵令嬢として培った教養を元に、皇帝として恥ずかしくない買い物を補佐する。
そして御用商人が尻拭いばかりの皇妃を哀れみ、皇帝に皇妃への贈り物を求めてはどうかと促す。応じた皇帝だが、あまりにも悩み、あれこれと聞いては教養のなさを露呈し続けた。それは皇帝としてあまりに決断力がなく、知識に欠け、国を裁量する度量などないと思わせる姿とみなされる。
しかも悩んだ末に、皇帝は白銀の金具に色とりどりと言えば聞こえはいいが、まとまりのない小粒の宝石がちりばめられたものを選ぶ。大きく色のはっきりした宝石が最上とされる王侯貴族の好みとは、外れる意匠だった。
しかし皇帝は、花々のような宝石に飾られた皇妃こそが最も美しく見えると言って、選んだ首飾りに満足し、皇妃に贈る。
皇妃は権威としての飾りではなく、皇妃ではない自分に似合うもの、妻を飾り美しさを引き出すものとして自分だけのために選ばれた首飾りに感銘を受けた。
以来、皇妃は一生懸命選んでくれる皇帝の姿を見ることが好きになり、時折首飾りを強請るようになる。最初に選ばれた首飾りは、普段使いをするにも皇妃という格の上では身につけられない。そのため、皇帝に宝石や装飾品の選び方を教え、普段でも皇帝に贈られた物を身につけられるよう指導した。
結果、真珠にカメオのついた、普段使いに向く首飾りを贈られる。内陸では高価な素材ながら、人目に触れる公務の上では身につけられないような質素な品。なんでもない日、ただ夫と休む時に身につけるには問題ないため、皇妃は密かに気に入る。
他の豪華な首飾りとは別にして大切に保管しており、使いやすい真珠とカメオの首飾りは、一番取り出しやすい場所に収められていた。さらに大切に皇妃のクローゼットの奥に仕舞い込まれたのは、使い勝手は悪いが、皇帝が自らの意志と考えで妻に贈った首飾りの数々だった。




