表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白蛇サマが行くっ!  作者: 福寿
7/36

自由ってなんだっけ

ぜぇはぁ……舐めてた、レベル上げの大変さを。僕はルーフの前でぶっ倒れながら天井を見上げた。今はクエストが始まってから二日経ったところである。


頭の中でダイジェストのように森で戦った記憶を思い出していく。


「「グギャグギャ」」


「シャっァァア!!!!!!」


複数の戦士小鬼に石を投げられた挙句煽られ。


「「ピィピィ!」」


「シャっァァァァア!!!!!!!」


卵を取ろうとしたら大量の緑怪鳥の嘴でブッ刺され。


「「ブモォォオオオオッ!!」」


「シャっァァァァァァァア!?!!?!?!!!?」


喉が枯れるレベルで悲鳴を上げながら大量のミニマンモス……正式名称は双突獣(タックルマンモス)に追い回され。


「……!」


「シャー?」


「……!!」


「シャ、シャー」


謎のヤケに速く転がるタマゴに追いかけられ、追いつかれた瞬間に謎のタマゴと言うアイテムが手に入ったりした。何故か経験値が大量に貰えたから良かったけども。


怖い村人たちの巡回ルートはそこまで広く無いから、会うことは無かったのは不幸中の幸いだろうか。そんなこんなでようやくレベル上げが終わった。


それとルーフに食料を与えたら経験値が貰えることに気づいてからは前以上に積極的に食料集めに尽力した。


自由とは一体なんだったのだろうか。夢にまで僕が白蛇として威嚇混じりに叫んでる光景が出てしまった。


「大丈夫ですか……?」


「シャァ……シャー……」


「お、お疲れ様です……?」


ルーフの労りはまだガンには効かないが、その内効くようになる気がする。少し体力が回復した僕はステータスを確認することにした。


名前:ハク

種族:白蛇lv4→5

HP:250/250 MP:250/50 空腹:100/40

筋力:30

頑丈:25

器用:5

敏捷:30

精神:23→25

知力:35

SP:2→0

スキル:【毒牙lv1】【火属性魔法lv1】【物理耐性lv1】【暗視lv1】【蛇語】【氷属性弱点】【麻痺弱点】【空白】

装備:専用装備【少女の御守り】【空白】【空白】【空白】


頑張った、それに謎のタマゴありがとう。何度か食べたくなったけど。とりあえず新しいスキルはどうしよう……。


でもこれからルーフを護衛しなきゃ行けないから……コレだ。僕は注目と言う敵からのヘイトが一定時間向きやすくなるスキルを選んだ。


隠密系とか魔法も良かったけど、今はこれが良いはず。後は制限時間だ。今は疲れたし、何より外が夜の時間だから敵が強い。


さっきのダイジェストは全て夜の森で起きたことだった。でも今落ちるには少し早いし……そうだ、夜の村を見るか。


食料で空腹度を回復して村へと向かう。村側は敵が少ないのか、巡回している村人にも会うことなく村へと辿り着く。


昼間は人が歩いてたけど今は一人だけ松明を持って歩いてるだけで他は見当たらない。でも暗視を持ってても道中は暗かったから、気を付けるべきだろう。


村長の家らしき場所にも目星を付けた。流石に今潜入するのは辞めておこう、建物自体がかなり大きいし。そしてルーフの元へと戻って、ログアウトする前にサポートルームへと飛んだ。


リョクは僕を見るや否や腕を広げて包み込んでくれる。


「はぁ……一体どうなるんだろ」


「ハクなら必ず大丈夫ですよ、AIである私のお墨付きです」


「本当?」


「適応もかなり早かったのと、あんな理不尽ばかりでも抗える精神力。この二つですね」


「なるほど……」


「それにしても妹が出来た感じで楽しいですね、これ」


「う、うん?」


「後は……あのタマゴ、大事に持って置いたら良いことがありますよ」


「そうなの?」


「えぇ、それだけは信用してくれても大丈夫です」


「ふむふむ」


たっぷりとリョクとの雑談とハグを楽しんだ後、現実へと戻った。次の日、僕はルーフと二人で朝食の果実と、奇跡的に火球で焼くことに成功した鶏肉を食べた。


ちなみに灰になってしまった数は三回だ、コツは直撃させないことだろうか。果実は絞ったら飲み物になった。ルーフは器用なのか昨日、偶然落ちていた木材を取って帰り、次に戻った時にはお椀のようなモノが出来ていたのはビックリした。


「ぷはぁ……ありがとうございます」


「シャ!」


ルーフの穏やかな顔が見れて良かった。これだけで双突獣の群れを処理する気力さえ湧いた。そこから夜の時間まで暇を潰す。


遂に夜の時間になった時に僕は扉を尻尾で叩いた。


「えーと……もしかして行くのですか?」


「シャー」


「なら覚えてると思いますが鍵を壊してください、覚悟は出来てます」


「シャっ!」


僕は穴から出て引き戸の前へと行く。尻尾で殴れば簡単に壊せるだろう。尻尾に力を入れて全力で!


「シャァァァアっ!」


バンッ!と破壊音が夜の森に鳴り響き、南京錠が引き戸ごと破壊される。


「久し振りに外に……行きましょう白蛇サマ」


「シャー!」


ルーフの緊張した声と共に、作戦が始まった。

読んで頂きありがとうございます、ブクマが100を超えました。応援して頂き本当にありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 卵。走り回る卵。 おもろいことになる予感しかしないなぁw
[良い点] 蛇というのが良いですね 言葉が通じないのも好きです 応援してます 頑張ってください
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ