なるほど完全に理解した(してない)
ルーフは少し困った表情で喋り出す。
「わたしが救出したのはリリアの母、予想通りエネルギーの貯蔵庫のように使われていました。生かさず殺さずの酷い状態です。ですが全てぶっ壊したのでもう二度とあんなことにはならないはずです」
お肉うまうま……って話聞かないと。
「悪魔の力らしき痕跡もありましたが、力を貸した存在はもう近くには居ないでしょう。母が言うには海の向こうから来た商人が商業ギルドの元で、怪しげな品をリリアに与えた頃からおかしくなったと聞かされました。しかも住人の行動範囲がヤケに狭かったのは領主が奥に行くなと厳命していたのと、リリア本人がみつけた者を暗殺していたみたいです」
だからリリアの隠れ家が住民には見つからなかったのか。商業ギルドは確か図書館からぬす……借りて来た本に書いてあったはず。あまり覚えてないけど。
「悪魔に関しては情報は少ないですが商業ギルドも少なからず関わってるとみて良いでしょう。現領主は死に、死んだはずのリリアの母が出てきたので街は大混乱のはずです。そして私の新しい力ですが……白蛇サマはもう知ってるようですね」
そうじゃん、死んだ人間が出てきてしかも領主とリリアが悪魔に関わってたら大騒動じゃん……。僕は震える声で返事をする。
「シャ、シャー」
「ぼぁー?」
「相手の力を奪い取って自分のモノにする、と言ういかにも悪魔らしい力です。デメリットはありますが強力なことには変わらないですから有効活用しますね。力を得るときに起こったことは……恐らく私たちが力に認められたから、でしょうね。白蛇サマはもう分かったと思いますが、あの黒い宝石は力を具現化した物。所有権がわたしに移って変化したと言うことです」
フルーツおいs……ちょっと待ってよく分かってないんだけど?!僕呆気に取られただけなのに。残念なことに鳴き声だけでは勘違いを訂正することが出来ない。
「簡易的な説明でしたが、これが起こったことです」
「ぼあ……?」
白桜は完全に考えるのを放棄してる。大丈夫、僕もだ。正直ご飯が美味しいからそこまで集中できでない。
「それで……白蛇サマ、白桜ちゃん、次はどこに行きますか? 地図は買いましたからゆっくり決めてくださいね。現在地は大体ここです」
「ぼぁー」
「シャ……」
えーと現在地が街から東に出たあたりで、このまま真っ直ぐ行けばって文字分からないんだった。
「シャー?」
「ここですか? 森人の国らしいです。私たちが居た街も月一で貿易をしてるという話を聞きました。ちなみにあの街はどの国にも属さない中立都市みたいです」
ふむふむ、エルフは気になるから行ってみたい。そんなに遠くなさそうだから候補にして良さそう。南は砂漠が描かれている。
「南は砂漠に小国家があるらしいですが、距離が分からないのが怖いですね」
砂漠だから補給が出来ないからここは辞めておく。北は見る限りだと特に何もなさそうだ。西にはウルンド王国の街が一つあるくらいだ。
僕が悩んでると、白桜が鼻でエルフの国をツンツンとしていた。
「ここが良いのですか?」
「ぼぁー!」
「白蛇サマはどうですか?」
うーむ、特に反対することはないからいっか。
「シャー!」
「分かりました、では次の目的地はエルフの国です! もう少し休憩したら行きましょうか」
そうとなれば早く食べ切らないと。数分後、全て食べ切って満足した僕たちは向かって行ったのだった。その頃一方、街の方は……。
「どう言うことなの……何が起こってるの……?!」
とんでもない量の仕事に悲鳴を上げた領主が居たとか居ないとか。僕たちはそのことを知ることはないだろう。
読んで頂きありがとうございます、これにて章を付けるとしたら一章が終わりました。ガバガバで見切り発車ですがこれからもよろしくお願いします
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