領主邸を襲撃しただけなのに
「疲れた……」
「お疲れ様でした、ハク。よしよし」
「えへへ……」
僕は今リョクさんに全力で甘えていた。あの戦闘の後全力で街から逃げた僕たちは、ルーフに結界を貼ってもらってログアウト可能な空間を作ってもらった。
クエストは街から出た瞬間に達成されたことになった。報酬は以下の通り。
『連鎖クエスト、【魂を売ったモノⅢ・分岐β】を達成しました。隠し条件の達成も確認しました、報酬を開示します』
達成報酬:SP10、スキル【悪魔特攻lv1】
隠し報酬:スキル【覚醒】獲得
悪魔特攻の方はまだ分かる。だけど隠し報酬が破格だ。後でちゃんと詳しく見ないと。それと街の様子は分からないけど大事になってるかもしれない。
「かなり精神的疲労が溜まっているようですね……あの運営に報告を後でしておきましょう……。それはさておき可愛いですね」
「ん……そんなに僕一人に肩入れして良いの?」
「大丈夫です、直接プレイに介入している訳ではありませんし問題はありません」
「気持ち良い……」
肩を優しく揉まれながらそう説明される。このゲーム買って良かったぁ……。蛇の身体でルーフに撫でられるのも良いけど、リョクさんの方も凄く良い。
しばらくこのまま……ってくすぐってきた?!
「脇腹揉まにゃいでっあっはははっ?!」
「おっと手が滑ってしまいました……申し訳ありません」
「……」
「ジト目も可愛いですね」
全く反省してない顔だ。てか今一瞬手がまた動きそうになってたし。とりあえず僕はリョクさんに別れを言ってから、ゲームの方へと戻る。
「白蛇サマ!」
「シャ」
僕が目覚めるや否や大事そうにハグしてくれた。
「白桜ちゃん、起きてください」
「ぼぁー……ぼぁ!」
「ふぅ……本当に無事で良かったです」
「シャァ」
ルーフも一人で行動してた時は心細かったのかもしれない。全くそんな姿が思い浮かばないけど、少しはしてかもしれない。
「ご飯の準備をしますので、少し待ってください」
「ぼあ!」
「シャー」
空腹ゲージは……かなり減ってる。準備してる合間にステータス確認しておかないと。
名前:ハク
種族:白蛇lv7→8
HP:300/350 MP:14/330 空腹:23/100
筋力:45→50
頑丈:30→35
器用:5
敏捷:31→33
精神:33
知力:40
SP:12→0
スキル:【毒牙lv2】【火属性魔法lv2】【物理耐性lv1】【暗視lv2→3】【蛇語】【氷属性弱点】【麻痺弱点】【挑発lv2→3】【呪属性魔法lv1】【鑑定lv1】【悪魔知識・序】【覚醒】【悪魔特攻lv1】
装備:専用装備【少女の御守り】【空白】【空白】【空白】
名前:白桜
種族:白亜神獣lv4→5
HP:220/220 MP:104/400 空腹:100/100
筋力:5
頑丈:22
器用:5
敏捷:30
精神:40
知力:32
SP:2→0
スキル:【氷結属性魔法lv2】【祝属性魔法lv2】【威嚇lv1】【状態異常耐性lv1】【巨大化】【麻痺弱点】【雷属性弱点】
装備:専用装備【空白】
名前:ルーフ
種族:人間(三つ目)lv10→12
HP:110/110 MP:7/170 空腹:22/100
筋力:39→41
頑丈:11
器用:36
敏捷:11
精神:15→17
知力:40
スキル:【呪属性魔法lv3】【結界魔法lv1】【強欲の魔眼】【小物製作lv4】【毒耐性lv1】【演技lv5】【人語】【覚醒】
装備:装備【螺旋呪の杖】胴体【古びた巫女服】腕【空白】脚【古びた靴】アクセサリー【空白】【空白】
これだけ激しい戦闘してもレベルが一しか上がらないのは予測していた。別に悲しくなんてない。涙目になりながらも覚醒の詳細を開く。
【覚醒】
説明:1日に1回だけ発動出来る。基礎能力の強化に加えてその者に見合った力が解放される。ただし発動中は常時MPが減り続け、激しい動きをするとさらに減ってしまう。
ふむふむ、なるほど分からん。肝心なところが何も分からない。だけどかなり特殊な物だとは感じた。ルーフの覚醒も詳細は僕は見れないから、そう言うものなのだろう。
悪魔特攻はその名の通り悪魔系の敵に与えるダメージが増えるそうだ。あと白桜の祝属性魔法のレベルが上がって、レインアローと言う範囲攻撃が手に入った。
これで火力面もかなり頼もしくなった。最後にルーフの言ってた新しい力、強欲の魔眼だけど……かなり怖いスキルだった。
【強欲の魔眼】
説明:1日に2回だけ発動出来る。悪魔の力を一部使い、直視した相手の筋力と頑丈を3分間奪い取って自身の物にする。ただし3分間が終わると10時間直視した方の目が視えなくなって、筋力と頑丈が奪い取った分減少する。1度に1回までしか使えず、大幅なレベル差がある相手には効果が減少する。
やっば……迂闊に使えないじゃん。効果は強い、でもしばらくは封印。
「沢山食べてくださいね」
「ぼあー!」
「シャー!」
とりあえず今はご飯!簡易的な料理セットでも買ったのか、焼かれたお肉やフルーツが綺麗に盛り付けてあった。
「食べながらで良いので、何があったか色々説明しますね」
「シャー?」
確かに色々気になることはある。僕はお肉を頬張りながら、ルーフの話を聞き始めた。
読んで頂きありがとうございます
気づいたら前回の投稿から二週間以上経ってました(土下座)




