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白蛇サマが行くっ!  作者: 福寿
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使える物は何でも使っちゃえ!

敵の数は大体二十くらい。本命はリリアだからここで消耗してしまっては元も子もないからさっさと倒す方法を考えないと。


「立て直せ!」


「アイツらの首一つで借金はチャラだから気合い入れろ!」


「わたしたちこんな屑の借金と同じ値段なんて安過ぎます……」


炎槍で少しは減ったとはいえこの数。さらっとルーフが悲しいことを言ったけど、全くもってその通りだから異論はない。


僕は突き出される槍を避け、尻尾で弾きながら周りを観察する。白桜も不規則に跳ねながら何とか攻撃から逃げていた。


高価そうな置き物が置いてあるけど僕たちには関係ない!


「白蛇サマ、上を!」


「シャ?」


「今だ!」


「シュゥっ」


「ぐふっ」


突撃して来たバカを殴りながら上を見ると、鎖で繋がれた豪華なシャンデリアが見えた。ルーフがやりたいことを察した僕は足場になりそうな物を探す。


「白桜ちゃん足場を出して!」


「ぼぁ? ぼぁー!」


白桜はその声と共に氷壁を出す。高さは一メートル半の魔法の足場は、シャンデリアに行くためには十分な高さだった。


「アレをこわ」


「させませんっ!」


「ぼぁっ!」


ルーフたちが援護してくれてる間に、置き物から氷壁に飛び移り、さらにそこから全力で跳んで尻尾をシャンデリアの一部に巻き付ける。


「っシャァァア!」


何とか身体を起こして上に乗ることに成功する。鎖は四本だから壊さないと。試しに尻尾で殴ってみるとヒビが入った。


これなら魔法を使わなくても大丈夫そう。でもルーフたちの消耗が大きくなる前に終わらさないと。僕は次々と鎖を壊し、最後の一本が壊れる前に挑発を使う。


「ぁあ?!」


「降りて来い!」


「バカですね……」


まんまと誘き出された敵たちはシャンデリアの下へと集まる。よし、今だ!


「シャァっ!」


「落ちてくるぞぉ?!」


「逃げ」


「ぎゃぁぁあっ?!」


シャンデリアに押し潰された敵たちは、小袋になって消えていった。ちょっと人相手だから抵抗感あったけど魔物扱いなんだ……。


「お金、ですね……勿体ないので少し拾ったら急いで行きましょうか」


「ぼぁ」


「シャー」


落ちた時に少しダメージがあったけど、回復薬を使うほどでもない。僕たちは小袋を数個拾って先を急ぐ。道は左右に分かれてるけど、どっちにも奥に階段が見える。


「右で良いですか?」


「シャー」


「ぼぁ」


階段までに数個扉があるけど無視。そして階段に足をかけた時、嫌な予感がして立ち止まった。


「どうしたのできゃっ……弓矢?!」


「シャァァ……!」


僕は咄嗟にルーフを後ろに転ばせることで、二階に居た襲撃者からの攻撃から守ることが出来た。ルーフたちにその場に居るように小さく鳴いて、敵を確認する。


上には黒いローブを被って弓を構えた男二人。夜なのか僕たちが来るためなのか、屋敷の明かりはほとんど消されてるけど暗視があるからよく見える。


手すりを滑るように伝って次の矢が撃たれる前に近づく。この身体に慣れて来たからこう言う所でも素早く動けるようになって来た。


「はやっ?!」


「がっ……」


「シャァァっ」


脳天に尻尾をぶち込んで、その勢いで二人目も処理した。もう手加減してる余裕は無いからそのまま倒してしまう。


「ありがとうございます」


「シャ」


二階に上がったけど、さっきの男たち以外に敵は居なかった。拍子抜けだけど消耗しなくて済むから問題ない。


少し奥にまた階段が見える。リリアが居るとすればボスらしく一番奥の部屋のはず。警戒しながらも駆け足で昇って、豪華な扉を見つける。


そこでルーフが一つ提案をして来た。


「白蛇サマ、やっぱりリリアの母のことが気になります。この屋敷の何処かに何らかの形で囚われてるはずです。白蛇サマと白桜ちゃんが戦ってる隙にこの屋敷を探索しても良いですか?」


前に言ってたことだ。本当なら一人にさせたくないから駄目だけど、不思議とリリアの母が生きてると言うことが僕にも分かる。


儀式のために半死半生の状態で囚われてる、まるで前から知ってたみたいに頭の中にそのことが入り込んできた。


悪魔知識・序のせいだろうか。僕は少し悩んだ後に答えを出す。


「……許可してくださりありがとうございます」


「シャァ」


「必ず戻って来ます!」


「ぼぁー!」


ルーフはそう言って走り出して行く。残された僕たちはお互い頷いた後に、扉を尻尾で破壊した。中には赤黒い肌になったリリアと、机に伏した一人の女性が居る。


「あら、遅かったわね。それにあの娘が居ないじゃない」


「シャァァア!」


「ぼぁぁぁあ!」


「まぁ良いわ、ちょうど悪魔の力にも馴染んだし。あの心臓を壊された時は焦ったけどこの子を代わりにすれば良いだけだわ」


思ったより厄介なことになってる。僕の勘が危険を訴えている、気を抜いたら負けると。


「あの娘はお前達を処理してからじっくりと遊ぶ、でもここじゃ狭いでしょう? 《黒風》」


「シャっ?!」


「ぼぁっ?!」


突如として起こった黒い風により、部屋は破壊されて僕たちは庭へと吹き飛ばされる。何とか受け身は取れたけど白桜は柵に叩きつけられて気絶してしまった。


「早速一匹ダウンね」


「シャァァ……!」


「さぁ、大人しく死んで!」


「シュゥゥゥ!」


リリアは口が裂けた用に嗤うと、虚空から赤色のオーラを纏う短剣を取り出して襲いかかって来た。絶対その顔に一発叩き込んでやる!

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