とりあえず全部ぶっ潰してしまえば良いのでは？
僕たちが街に戻ると、商業ギルドの職員らしき人が慌てたように走って来た。もしや何か事件が？
「ルーフ様で間違いないですね？！ 今ここでお伝えします、リリアさんが倒れました！」
「倒れた…‥分かりました。しばらく商業ギルドには行けませんね」
「助かります、ダンジョン産の物はあの人でないと捌けませんから！ それでは！」
再び職員さんは慌てて走って行った。もしかして悪魔の心臓を潰したことによって、リリアが倒れたのかもしれない。
なんかいきなり事態が急変してしまった。まだクエスト達成の表示が出でないから何かあるのかも。一先ず僕たちは宿屋へ戻る。
「これは……？」
「ぼぁ……？」
「シャー……？」
するとベッド上に一枚の紙が置いてあった。何か嫌な予感がする……。見てみるとこんなことが書いてあった。
『三日以内に領主邸に来なかったら正体をバラす』
「脅し、ですね」
「シャァ……」
わぁ……やけに字が綺麗だから多分リリアだろけど、面倒なことになった。そしてここでクエスト達成の表示が出る。
『連鎖クエスト、【魂を売ったモノII・分岐β】を達成しました』
達成報酬：SP5、少女との絆、スキル【悪魔知識・序】獲得
『連鎖クエスト、【魂を売ったモノlll・分岐β】を開始しました』
【魂を売ったモノIIl・分岐β】
時間制限：三日以内
達成条件：リリアの撃破
失敗条件：三日経過、領主邸攻略失敗
達成報酬：？？？
あれ？今回は随分あっさりしてるけどどこか違和感がある……。とりあえず領主邸にカチコミしなきゃいけないのは確定事項になってしまった。
「挑発ですねこれ……倒れたって言うのも嘘でしょうね。白蛇サマ、白桜ちゃん、一緒に最後まで付き合ってくれますか？」
「ぼあ！」
「シャァ！」
まぁやっとリリアの問題を解決出来るし、全部ぶっ潰してしまえば多分大丈夫！今日は疲れたし、気になることもあるから一旦ステータスを確認したら寝よう。
名前：ハク
種族：白蛇lv6→7
HP：300／300 MP：34／330 空腹：56／100
筋力：40→45
頑丈：30
器用：5
敏捷：31
精神：31→33
知力：40
SP：7→0
スキル：【毒牙lv2】【火属性魔法lv1→2】【物理耐性lv1】【暗視lv2】【蛇語】【氷属性弱点】【麻痺弱点】【挑発lv1→2】【呪属性魔法lv1】【鑑定lv1】【悪魔知識・序】
装備：専用装備【少女の御守り】【空白】【空白】【空白】
名前：白桜
種族：白亜神獣lv3→4
HP：220／220 MP：104／400 空腹：100／100
筋力：5
頑丈：20→22
器用：5
敏捷：30
精神：40
知力：32
SP：2→0
スキル：【氷結属性魔法lv2】【祝属性魔法lv1】【威嚇lv1】【状態異常耐性lv1】【巨大化】【麻痺弱点】【雷属性弱点】
装備：専用装備【空白】
名前：ルーフ
種族：人間（三つ目）lv8→10
HP：110／110 MP：41／150 空腹：22／100
筋力：37→39
頑丈：11
器用：35→36
敏捷：11
精神：14→15
知力：40
スキル：【呪属性魔法lv3】【結界魔法lv1】【小物製作lv4】【毒耐性lv1】【演技lv5】【人語】【覚醒】
装備：装備【螺旋呪の杖】胴体【古びた巫女服】腕【空白】脚【古びた靴】アクセサリー【空白】【空白】
悪魔知識・序は詳細を見ようとしても何も反応しなかった。バグか仕様か……これは一旦放置。全員のレベルは上がったけど相変わらず物理軽減は上がってくれない。
火属性魔法レベルニは炎槍が使えるようになった。名の通り炎で出来た槍を飛ばす魔法で、貫通もするようだ。
消費は増えるから連発は出来ないけど強力だ。僕はステータス画面を閉じた後、空腹度を回復させてからゲームを落ちる。
「あー……どうしよう……」
やることが増えたし、脳が疲れた。僕はベッドで寝転びながらカレンダーを見る。今日は五月五日、ゴールデンウイーク最終日。
僕がゲームを時間を気にせずやれていたのはこれのおかげだ。だけど明日から学校だから気分は最底辺になってる。
友達居ないし、死んだ目で登校して死んだ目で下校する毎日に戻るのだ。だけどルーフとリョクさんに会えるから前よりはモチベは保てる。
僕はため息を吐きながら明日からの準備を始めた。僕の知らないところでも運命が動いてることも知らずに。
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