レベルアップ!
街へと帰った僕たちは早速商業ギルドへと向かう。そして奥の部屋へと通された。
「物はあるの?」
「シャ」
ポイポイっと低位牛頭鬼の皮以外は投げるように出す。アイテムボックスについては特に突っ込まれはしなかった。
「どれもダンジョンで取れる属性付きの装備ね、全部合わせて三万四千Gでどうかしら?」
「……それで良いです」
僕は適正価格が分からないから、買い叩かれてるのか分からないけどルーフは了承する。どちらにせよ今の僕たちには大金なのだ。
今は使い道はそこまでないけど、後々ことを考えると貯めておいた方が良い。そこで何故かクエスト達成の表示が出る。
『秘匿クエスト、【リリアの品定め】をクリアしました。報酬を開示します』
秘匿クエスト……と言うことは達成するまで分からないモノなのだろうか。
報酬:SP3、スキル【鑑定】獲得、リリアからダンジョンの地図が定期的に貰える
ふむふむ……SPは素直に嬉しい。後でステータス確認しておかないと。最後もここに来れば地図をくれるのだろう。
「コレ、今度のダンジョンの位置ね」
「分かりました」
これで終わりと思いルーフの中に入ろうとすると、今度は新しく連鎖クエストが生まれた。
『連鎖クエスト、【魂を売ったモノI】を開始します』
【魂を売ったモノI】
時間制限:無し
達成条件:商業ギルドにある???を回収、ルーフに納品
失敗条件:リリアに発見される
達成報酬:不明
……?連鎖ってことは続いて行くのだろうけど、発生した理由は秘匿クエストを達成したからだろうか。悩んでても仕方ないから宿屋へと戻る。
とりあえず全員分のステータス確認しなきゃ。
名前:ハク
種族:白蛇lv5→6
HP:300/300 MP:234/301 空腹:34/100
筋力:35→40
頑丈:30
器用:5
敏捷:30
精神:27→31
知力:40
SP:9→0
スキル:【毒牙lv1→2】【火属性魔法lv1】【物理耐性lv1】【暗視lv2】【蛇語】【氷属性弱点】【麻痺弱点】【挑発lv1】【呪属性魔法lv1】【鑑定lv1】
装備:専用装備【少女の御守り】【空白】【空白】【空白】
前のおつかい分のSPのことをすっかり忘れていた。何気にレベルが上がってて嬉しい。次は白桜。
名前:白桜
種族:白亜神獣lv1→2
HP:200/200 MP:400/400 空腹:100/100
筋力:5
頑丈:20
器用:5
敏捷:30
精神:40
知力:30→32
SP:2→0
スキル:【氷属性魔法lv1】【祝属性魔法lv1】【威嚇lv1】【状態異常耐性lv1】【巨大化】【麻痺弱点】【雷属性弱点】
装備:専用装備【空白】
白桜にはクエストの報酬は適用されないようだ。最後はルーフ。
名前:ルーフ
種族:人間(三つ目)lv5→8
HP:110/110 MP:41/140 空腹:60/100
筋力:35→37
頑丈:11
器用:35
敏捷:11
精神:10→14
知力:40
スキル:【呪属性魔法lv3】【結界魔法lv1】【小物製作lv3→4】【毒耐性lv1】【演技lv5】【人語】【覚醒】
装備:装備【螺旋呪の杖】胴体【古びた巫女服】腕【空白】脚【古びた靴】アクセサリー【空白】【空白】
ステータスの割り振りは自動でやっていた。ルーフは人間だし僕たちよりも必要な経験値が少ないみたいだ。
僕が画面を見ている間は、側からすれば何もない空間を見ているようにしか見えない。おかげで白桜はそのもふもふとした身体を押し付けてきてる。
「シャー?」
「ぼあー」
「シャァ」
「ぼあっ?」
「シャァァー」
「ぼぁぁぁー」
「白桜ちゃんと白蛇サマは何を話してるんですか?」
ごめん、僕にも分からない。そう言えば目の前のモフモフには言語のスキルがない。考えられることとしては、そもそも言語ではなく単純な鳴き声なのだろうか。
考えても正解は出てこないから意味は無い。時間を見るとそろそろ休憩した方が良いだろう。初めてのダンジョンで少し疲れたからリョクさんの所に行くことにした。
「お疲れ様でした、よしよし」
「癒されるぅ……」
唯一ここだけは気がゆるゆるでも問題ない場所だ。もうリョクさんがお姉ちゃんで良いかもしれない。
「ハク、管理AIにお願いして別大陸にいるプレイヤーの近況が確認出来るようになりました。動画ではありませんが簡易的に画像と共に纏められています」
「ん……? じゃあ読む」
「どうぞ」
リョクさんに抱きつくのを一旦辞めて、後ろから抱き抱えてもらいながら渡された紙を見る。そこには言われた通り色々書かれていた。
最前線のプレイヤーは王都に到着後、別大陸の情報を収集中。レイドボス、幼龍の群れ討伐成功。
「ちなみにですがハクが居る大陸からがこのゲームの本番です。今は情報収集に手間取っている感じですね。一部のプレイヤーが情報の独占などをして内輪揉めしています。人間は愚かですね……ハクは別ですが」
「あっはい……」
本物のAIが言うと説得力がある気がする。僕が省かれてることは気にしないでおこう。その後十分にリョクさんを堪能し、甘やかされたのだった。
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