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白蛇サマが行くっ!  作者: 福寿
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初めてのおつかい

と言うわけでやって来ました冒険者ギルド。周りには如何にもファンタジーな物語で見る冒険者が依頼を見たり、作戦を立てている。


「ご用件は何でしょうか?」


「素材の買い取りです」


ルーフは受付嬢に鞄の中にある素材を出して買い取ってもらってる。僕はフードじゃなくて、身体を動かして外套の下から周りを見ていた。


そう言えば街の中に入ったからNPCには見えないけど、プレイヤーである僕にはネームタグが頭上に出てる。


バレないようにこっそり見てるけど、僕以外ネームタグが出てる存在は居なかった。……おかしいな、何で誰もプレイヤーが居ないんだろう。


二度見しても見当たらないって事は本当に居ないのだろう。ここは一体どこなんだろう……後でリョクさんに聞いてみよう。


もしかして違う大陸とか?そうだったら船でも造られてない限り他のプレイヤーと会うのは絶望的だ。そうでない事を祈るしかない。


「では合わせて八百五十メルです」


「ありがとうございます」


「くれぐれもお気を付けてください、治安は良い方ですが稀に強盗が居ますから」


「は、はい!」


その稀に居る強盗さっき倒しました。今お金の名前メルって言ってたけど、ゴールドじゃないの……?まさか本当に大陸が違う……いや、考え過ぎだ。


それは一先ず置いといて今持ってるお金は強盗の分も含めて千八百五十メルだ。きっと宿とか泊まれる場所があるはずだから早めに探したい。


でも下手を打って見つかりたくないからルーフに頼るしかない。本人はふんすふんすと元気そうだから良いんだけども。


「白蛇サマ、買い物の前に宿を探しますか?」


「シャー」



「分かりました、では行きましょうか」


お金は基本僕は使わないからルーフに移しておく。宿屋は思ったよりあると言われたから安めな所に行くことになった。


「白蛇サマを格安の宿に泊まらせてしまい申し訳ありません……」


「シャァ……?」


「絶対に高級ホテルに泊まらせてみせます」


「シャー、シャー!」


「安心してください、白蛇サマにも協力してもらわないとダメですがいつか必ずです」


仕事しろ少女の御守り。こう言う誤解を解くためにあるんじゃないの?何故か目にやる気が満ちているルーフはぎゅっとしてくる。


人目があるから危険だけど今回ばかりは伝わらなさそうだ。宿屋は特に何事も無く、一泊八十メルで泊まる事が出来た。


ご飯は食糧庫と僕の備蓄があるからしばらくは大丈夫。ルーフは外套を脱いで僕を膝に乗せながら、話をする。


「白蛇サマ、わたしは物作りでお金を稼ぎたいです。その為におつかいを頼んで良いですか?」


「シャァ」


「わたしでも男一人なら力でねじ伏せられますから安心してください」


僕並みにあるもんね、筋力のステータス。まぁルーフを襲う輩は玉でも潰されてて欲しい。とりあえずクエストが発生したから見ないと。


『通常クエスト、【材料集め・木のお椀】が開始しました。詳細を開きます』


『通常クエスト、【材料集め・木の皿】が開始しました。詳細を開きます』


『通常クエスト、【材料集め・木のスプーン】が開始しました。詳細を開きます』


『通常クエスト、【材料集め・石の包丁】が開始しました。詳細を開きます』


おぉ沢山来た。詳細はこんな感じ。


【材料集め・木のお椀】

時間制限:無し

達成条件:ルーフに木材×3を納品

失敗条件:無し

達成報酬:SP1

追記:納品する素材の品質によっては報酬が変わる。


木の〇〇は大体コレと同じだから、木材を持ってくれば良い。でも素材の品質が高い方が良いみたいだけど、僕には装備以外の品質を見る方法がない。


それに石は材料が多い。


【材料集め・石の包丁】

時間制限:無し

達成条件:ルーフに砥石×1、石材×3、木材×1を納品

失敗条件:無し

達成報酬:SP1

追記:納品する素材の品質によっては報酬が変わる。


鑑定とかそう言うスキルが必要な気がする。石材と木材は分かるから問題ない。僕は疲れたのと、ルーフが寝かけているのを見て一旦画面を閉じて、サポートルームに行った後にログアウトすることにした


さっきまで元気そうだったけど色々合ったから、今になって疲労がどっと来たのだろう。抱き枕にされかけながらボタンを押す。


「お疲れ様でした、ハク」


「疲れた……」


「お見事でした、よしよし」


直ぐにリョクさんに飛び込んで、疲れを癒す。


「日本語がしっかり喋れてるようで安心しました、ずっと鳴き続けていると感覚がおかしくなりますからね」


「確かに……?」


「それにプレイヤーが居ない理由もお伝え出来ますが聞きますか?」


「お願い」


「現在一般プレイヤーが居る大陸と違うからです」


「そんな……」


あっさりと希望は無くなった。MMOとは一体……。


「ですが全くハクが居る大陸にプレイヤーが居ないという訳ではありません、少なからず何処かに存在しますよ」


「本当?!」


「えぇ、会える確率も充分にあります」


それを聞いた僕はまた少し希望が出た。その後は簡単な何か異常が出てないかのチェックをしてログアウトした。

読んで頂きありがとうございます

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― 新着の感想 ―
[一言] でも、遭遇したプレイヤーが女性か雌個体だったらルーフちゃん、絶対に病みの波動に目醒めるよねっていう罠カードが伏せられてるんだわ?
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