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高崎LOVERS  作者: リリィ
6/24

高崎LOVERS⑥ Gメッセ

ふぅ~




朝の気持ちよい風が




田中の顔を撫でていく




毎日のジョギングといっても




ウォーキングに毛が生えた程度のものだが




それを日課とする田中は




その日の気分でコースを変える




距離は5キロ程度




時間にして1時間弱




晴れた日は




よほどの天候不良でもない限り走りに行く




今日は東口に行こうか




そう決めた田中は




高崎駅東口界隈をゆっくりと走った




高崎駅東口は




かつては高崎競馬場が広大な土地を占め




どちらかというと高崎の裏口とみなされてきた




しかし近年の再開発により




高崎競馬場後は国際会議場にも使用できるGメッセとなり




駅前からストレートに東に延びる幹線道路沿いには




美しい芸術劇場も誕生した




それに伴いマンション開発も盛んとなり




人口の流入も多いと聞く




田中は駅から続くペデストリアンデッキをゆっくりと走り




芸術劇場を横目に過ぎ




Gメッセ周囲に広がるウォーキングコースまで走った




ここは田中のお気に入りの場所だ




青く広がる芝生の広場にいくつものベンチが置かれており




市民の憩いの場となっている




ようやく日が高くなってきた午前6時前




田中はベンチに腰を下ろし




初秋の風を浴びていた




いや~いい汗かいてますなぁ




犬をつれて散歩に来ている老人から声をかけられる




私も若い時にはずいぶんと走りましたけどね




汗をかくと気持ちいいでしょう




田中は会釈を返す




群馬マラソンには出られるんですか?




やっぱりレースの後に飲む酒は一味違いますよ




田中はあくまで健康維持のために軽く走っている




私も歳なんでレースなんてとてもとても




と田中が返すと




いやいやまだお若い




人生は一回きりですからな




小柄な老人は言いたいだけ言うと




ちいさくお辞儀をして犬を連れて去って行った




耳を澄ませば小鳥の鳴き声が遠くから聞こえてくる




空にはいわし雲




田中はキャップをかぶり直し




また走り出した




人生は一回




その人生をこの高崎で暮らせて幸運だなぁ




高崎駅方向に取って返しながら




早朝の冷たい風をめいっぱい吸い込んだ



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