表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
高崎LOVERS  作者: リリィ
22/24

高崎LOVERS 22 高崎 ステーキ

和田橋を渡って少し観音山に近づいた所にある




老舗のステーキハウス




娘の奏に誘われて




田中は店のドアを押した




ここは以前から田中が家族で来ていた




お気に入りのステーキハウスだ




顔馴染みの二代目シェフがいつも変わらぬ笑顔で迎えてくれる




田中さん、奏ちゃんいらっしゃいませ




二代目、メリークリスマス




今日もお世話になります




田中さんお久しぶりですね




1年ぶりくらいかな




去年は秋頃に来たような




鉄板カウンターのある半個室に入ると




思いがけず先客が座っていた




み、美里?




海外に行っているはずの妻を見て田中は動揺した




なんて顔してんのよ、久しぶりだっていうのに




だってお前、東南アジアにいたんじゃないのか?




お父さんにサプライズで私が呼んだのよ




奏にナイショにしておけって言われたからね




今日帰国して直接来たわ




動揺を隠せない田中がフラフラと奥の席に腰を下ろすと




お?もうみんな来てたの?と




もう1人入って来た




田中より頭一つ大きな青年




息子の奏助だ




奏助まで?




そうか、奏が父さんにサプライズだったんだっけ




クリスマスのステーキハウスに




久しぶりに家族が揃った




母さん元気だったの?




奏助がたずねる




ん〜体調は大丈夫だったかな




慣れない環境で大変だったけど




これで海外はおしまい?




そんなわけないじゃない




海外はクリスマスシーズンはお休みなのよ




年が明けたら戻りますよ




どっちに住んでるのか分からないね〜




母子の会話を聞きつつ




田中はスパークリングワインをかたむけ始めた




お父さんお母さんにしてみればクリスマスは特別でしょ?




だから今日はサプライズでみんな集めたのよ




奏が切り出した




しかも30周年だし




なるほどね〜




田中夫妻にとってクリスマスは結婚記念日でもある




昔お父さんが結婚記念日を忘れないようにクリスマスにしようって言ったのよ




オレだっけ?美里が決めたんじゃなかったかなぁ




そんな事私が決めるわけないじゃない




分からないよ〜母さん行動的だからな




だろ?オレじゃないよ




お父さんです




まぁどっちでも良いじゃない




お二人に乾杯しましょ




奏の音頭で家族4人で祝杯をあげる




メリークリスマス




お父さんお母さん結婚三十年おめでとう




早くも涙腺が緩み始める田中




だからなんて顔してんのよ




妻の美里はあきれ顔だ




それではステーキのコースを始めさせて頂きます




二代目シェフが赤身もキレイな上州牛のフィレ肉を運んできた




手際よく肉を焼く手つきに見とれる家族




小さい時には火が大きくて怖かったなぁ




という奏




奏助は前菜とサラダと格闘中だ




美里、わざわざ帰って来てくれてありがとな




田中が語りかけると




こちらこそ長い間ワガママで家を空けさせてもらってごめんなさい




と美里が返す




いつまで高崎にいるんだ?




三が日までかしら




すこしはゆっくり出来そうだな




温泉でも入り行きたいわ




行こう行こう




私も行く~




奏は仕事大丈夫なのか?




お母さんの手料理も食べたいし




そしたら今年は一緒におせち作ろうか




ひさしぶりね




お母さんの黒豆食べたい




あ、オレも




奏助も話に入ってくる




じゃぁ新年会もやらないとな




お父さん、みんな揃ってよかったね




泣かすなよ~奏




田中がまた涙ぐんだ所で




上州牛のステーキが焼けてきた




今夜は長くなりそうだ




カウンターの下で




そっと田中は妻の手を握った


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ