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高崎LOVERS  作者: リリィ
20/24

高崎LOVERS 20 高崎 焼肉

遅れてすまんな




焼き肉屋の個室のドアを開けて




福田が入ってきた




おお、公ちゃん。先にやってるよ




お、じゃオレもビールで




あいよ




田中は使い慣れたタッチパネルから生ビールを注文した




肉はもう頼んだの?




いや、公ちゃん来てからと思ってね




キムチとナムルは頼んでおいたけど




助かるね~。前にあってから半年くらいだっけ?




まだ夏の前だったよな




福田は田中の幼馴染だ




同じ中学を前橋で卒業し




それぞれ違う高校、大学に進んだが




なぜか馬が合い今も交流が続いている




同じ高崎に住み、思い出したようにどちらかが誘っては飲みに出かける腐れ縁だ




たーさんは相変わらずかい?




ん~。毎日暇を持て余してるよ




良いよなぁ、食うに困らない生活は




いやいや、公ちゃんだって困ってはいないでしょ




まぁ老後の蓄えはあるけどなぁ




暇は暇だよな毎日




そういえば最近、学童保育の指導員始めたんだよ




公ちゃんが?




いや~、孫もいないしさ。この歳になると可愛いものだよ




孫はオレもいないけど、そこまで思いきれないなぁオレは




時間がつぶれて良いもんだよ。夕方まで校庭で子供たちと遊んでさ




公ちゃん、なんて呼ばれてるよ




中学時代みたいじゃん‼




お待たせしました~




個室のドアが開き、ビールとキムチが運ばれてきた




たーさんは焼酎でいいの?




最近ビールだと腹にたまるからね。眞露の炭酸割が一番だよ




それじゃカンパイ




福田は昔から美味そうにビールを飲む男だ




それにしても東口も変わったよな




芸術劇場が出来たあたりからずいぶん違うよな




肉どうする?




もうカルビは食えないからなぁ




タン塩とハラミくらいから行くか




タッチパネルを眺めながら脂身の少ない肉を選んでいく




高崎で焼肉と言えば




群馬県民大衆の味方




ちょうせん飯店だ




田中も福田も若いころからお世話になっている




安くて美味くて腹がいっぱいになる




もう満腹食べられる歳ではなくなった二人も




焼肉と言えばここに足が向く




相変わらず繁盛してるよなぁ




まぁ美味いからな




たーさん家族はどう?




大きな変わりはないかなぁ




奏も奏助もほとんど帰ってこないしね




あれ?美里さんは?




思いがけず妻の話になり田中は喉がつまりそうになった




み、美里も元気なんじゃないかなぁ




そうか、海外だっけ




NPOで東南アジアのどこだかに行ってるらしいよ




自由でいいなぁ




子育てが終わったら自由にしたいって昔から言ってたしな




たまには連絡来るのか?




忘れた頃に連絡来るよ。まだしばらくいるみたいだな




んじゃちょいちょい飲みに行けるな




公ちゃんはどうなの?




うちは子供もいないし老夫婦で気ままなもんだよ




この歳になると夫婦つかず離れずってのが丁度いいんだよな




他愛のない話をしながら酒がすすむ




この薄いタン塩が美味いんだよなぁ




もう分厚いのなんていけないよ




レバーとホルモンも行こうぜ




イイねぇ




たーさんは持病は無いんだっけ




あんまり調べてないから分からんけど、たぶん痛風くらいかな




痛風あったらレバー食えないんじゃない?




たまには良いでしょ。薬も飲んでるしな




福田と飲んでいると田中もついつい飲みすぎる




気がつけば眞露のボトルも半分くらいになっていた




オレも眞露にしようかな




お、じゃグラス追加するわ




〆はやっぱりユッケジャンクッパかな




ここのユッケジャン辛くて美味いんだよな




しっかりと〆まで食べた二人は




すこし酔いどれて店を後にした




外は空っ風の吹きすさぶ季節になった




おお~寒いなぁ




ちょいと食べ過ぎたか




まぁお互い健康でいようや




次は年明けだな




イイね




この歳になると友達が一番大事だよ




外灯も暗い高崎駅東口の路地を初老の二人が背中を丸めて歩いていく




田中は明日の胃もたれを気にしつつも




顔には笑顔があふれていた





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