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高崎LOVERS  作者: リリィ
12/13

高崎LOVERS 12 高崎中華

高崎には美味い中華がない




とは




高崎市民の多くが口にする言葉だ




ここ10年で高崎の街中にあった町中華もほぼ絶滅してしまった




空き店舗にも新しい店が入る気配もない




さみしくなったもんだ




田中は白銀町を散歩しながらひとりごちた




それにしても




今日は中華が食いたい




しかも激烈に辛い中華だ




悩みぬいた田中は




高崎駅まで戻りバスに飛び乗った




目指すは下小鳥町




バスに揺られること20分




田中は下小鳥町交差点に降り立った




ここには高崎四川中華の名店




風都があるのだ




珍しく空きがあるテーブルに待つことなく腰を下ろした田中は




迷うことなく四川麻婆豆腐定食を注文した




あ、それと紹興酒もお願いします




紹興酒を舐めながら麻婆豆腐の到着を待つ田中




店内は麻辣のカプサイシンが漂いむせるほどだ




お待たせしました~四川麻婆豆腐です




運ばれてきたおなじみの定食には




ど真ん中にファオジャオが効きまくる麻婆豆腐が鎮座している




田中は唾をのみ込み麻婆に手を着けた




ん~辛い




痺れる辛さが口の中に広がる




辛いのに美味い




手が止まらない




口の中が辛さで耐えられなくなると




紹興酒の甘さで中和する




吹き出す汗を事前に用意してきたタオルで拭きつつ




一気に麻婆豆腐を食べつくした




ふぅ




ようやく余裕が出来た田中が周りを見渡すと




まだまだ絶品四川と格闘中の御同輩が多いことに気がつく




ちょっと残った紹興酒を杏仁豆腐にふりかけ




デザートタイムの田中




徐々に汗がひいてくる




いや~




高崎中華も悪くないじゃないか




一様に高崎に美味い中華が無いなどと嘆く人々に




この名店の味を教えたいような




教えたくないような




複雑な気持ちになる田中であった




秋風も気持ちいい季節になった




北高崎駅まで歩いて帰ろうか



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