高崎LOVERS⑩ 高崎まつり
連雀町の交差点に
祭りばやしが鳴り響く
今日は高崎まつりだ
真夏の祭典
高崎まつり
いつもは大人しい高崎市民も
この日は隠し持っていたエネルギーを発散する
子供たちが太鼓をたたくきらびやかな山車
大人たちは神輿を担ぎ酒を浴びる
田中はそろいの半被に袖を通し
汗をかきつつ山車を引く
もう自分の子供は山車に乗る世代ではないが
子供たちが祭りに参加させてもらっていたご恩返しにと
町内の祭りに参加しているのだ
こういう地元のコミュニティが残っているのが
高崎の良い所だ
祭りの時以外にはほとんど顔を見ない人も
祭りの時期になるとみんな集まり
今年も元気だったんだなぁ
と確認しあう
太鼓を教えていた地元の長老がいなくなると
一抹のさみしさを感じる
田中さんは変わらないねぇ
町内会長の久保田じいさんが声をかけてきた
祭り好きなじいさんは
この時ばかりは小粋に見えるのはなぜだろう
いやぁ、歳をとりましたよ
もう山車を引くのも精一杯で
いやいや、そう言わずに次も参加してくださいよ
人が少なくなって大変なんだから
小休止の間に缶ビールを勧められた
滝のように流れる汗を
ビールで水分補給する
水車の中でキンキンに冷えたビールが美味い!!
体にいいはずは無いが
これが祭りという感じがする
それじゃもうひと頑張り行きますか
久保田じいさんの笛がなると
みんな日陰から腰を上げて山車を動かしだす
子供たちのお囃子がはじまり
大人たちはいっせいに山車をひく
山車の周りで笛を吹くのは町内会のコアメンバーだ
久保田じいさんはメイン通りから細い路地へと山車を誘導し始めた
こんな細い道入れるのかな
田中は不安になったが
山車はどんどん路地裏へ入っていく
背の高い山車は電線にぶつからないように注意が必要だ
地元の建設会社の若手が先輩職員に怒られながら
山車の上の人形を上げ下げしながら電線を回避していく
この山車の上の人形が町ごとに違うのが高崎祭りの醍醐味だ
山車の無い町は人形だけ保存している所もある
狭い角をなんとか曲がると
その先に小さな小屋があった
駐車場の管理小屋だろうか
小屋の前で久保田じいさんが笛を吹き
山車が停まった
どうしてここで停まったのだろう?
と不思議に思う田中
途端に派手なお囃子が始まった
子供たちは笑顔で太鼓をたたき
合わせた笛が調子よく鳴り響く
よく見れば
小さな小屋の中には高齢のおばあさんたちが数名座っており
目を細めて手拍子を打っている
そうか
足腰の弱くなった町内の長老たちに山車を見せるために
みんなで路地に入ってきたんだなぁ
ひと夏一生懸命に練習した成果を
ご長老たちに聞かせる次の世代の者たち
いやぁ
高崎って良い所じゃないか
田中も合わせて声を出す
ソーレソレソレソレ!!
高崎の夏が終わっていく




