人食い人種養成サイト
ある日、炎上屋で働く杉山は先輩に呼びだされた
つっまらない戯言を聞かされるだけなので
行きたくないのだが、行かないと欠席裁判で
何を言われるか、わからないので仕方なく参加
そして始まる先輩の独演会、我々の職務のために
いかに自分が仕事をしたかを語るパターン
「私が新入社員として
大々的に悪目立ちして炎上ショーをしていた頃に
多かった会社経営側の依頼は
”我々の職務の都合上、不都合な社員が発生しないように
やらない方がマシな事を全てやって
社内から顧客から不信感を買うような不安要素を消して欲しい”
という内容だった
常駐監視サーバーで社員監視をしての統治が当たり前になった頃で
社内警察に逮捕尋問されるような事をする人間が
まだまだ多かった時代だった
なので片っ端から、やって大々的に悪い見本な反面教師として
学校を卒業したばかりの新入社員の前で目立ち
新入社員の心の中で、常識的な会社と仕事のために社会人とは
謙虚に身の程を弁えて、目立たないように 言われないように
直属の上司から指示された職務を
地道に粛々と消化する有能な働き者なのだ
という事を刷り込んでいた
その頃、多かった依頼での要素が学閥と宗教閥だ
基本的な道徳観を形成している要素は
大きく分けて、その２つな会社が多かった
今となっては宗教は国教だけになり
学校も統合されて国立学校が一つあるだけで
我国内では全て同じ教育が行われ
国が管理するＡＩによる人員構成となっているが
その頃は学校毎にバラバラで出身学校別に
派閥が形成されて争いあうような事があった。
私がかつて担当した会社では
取締役以上は全員が同じ学校出身
その学校は親が富裕層でないと学費が払えないほど
授業料などが高額な有名なエリート養成学校に
物心ついた時から通って
集団行動とは何か？
集団行動をする中でリーダーとなるべき人物とは？
というレベルから同じ教育を受けた人々が
会社内での支配層、経営陣となり
違う学校出身の底辺労働者や中間管理職を使っていた
宗教閥は２つあった、両方とも極端な原理主義
大雑把に簡単に分類すると
会社への忠誠心教育が中心な会社教と
有能な働き者な労働者を増やすための仕事教と言えた
２つの宗教閥でタブーとされている
ほぼ放送禁止用語のような単語を使い
その時期の会社教も仕事教で
一番、都合の悪い不信心者のキャラクターを
毎年、誰かが行って演じて悪目立ちして
最後に、社内警察の常駐監視サーバーに検知された
大々的に問題だと判断された社内犯罪を犯して
反面教師になって消えるといった事を繰り返し
そういった大々的に社内犯罪者という事になって消える人間が発生すると
その社会的制裁を見て、新入社員が社内法を守るようになる
そういうシナリオに基づいたのが、炎上屋事業部の職務だった」
そんな内容をダラダラと延々と、いつまで続ける先輩
聞いている後輩の皆は、
”いつもの独りよがり劇場が始まったなあ”
と内心は想っているのだが全員、オクビにも出さない
本人は怖くないのだが、同期の先輩で出世したのがいるから
それとの人づきあいのために必要な
”悪口を言うためだけに世間話のネタにする後輩”
に気にくわないのを嵌め込んで
ある事ない事を影響力や決定権のある人々に
言いふらすかもしれないので誰も何も言い返さずに聞いている。
帰り道、一番若い後輩が聞いてくる
「あの昔話をしているだけのオッサン
何の役に立つからって事でクビにならないんですか？」
誰かが応える
「さぁーねぇー、俺も知らんよ。偉い人の考える事は、わからんけど
オッサンが、さっき言っていた会社教の熱心な信者なんだから
布教活動に使えるんだろ。たぶん」
・・・
オッサンが語っていた好景気時期に開催される
販売会社での炎上ショーが再演される事になり
杉山が炎上ショーの第一幕のために
登場キャラなどの前例設定を確認する事となった
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前例設定：人食い人種養成サイト
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炎上ショー用サイト設定：
我が社の同業他社である会社に所属するセールス・マネージャー匿名サイト
概要：
自分の元部下の現在について追跡調査暴露しているドキュメント・バラエティー
追跡調査結果ＳＮＳリンク１ ： 物売りオカマ元部下ＳＮＳ
半年契約セールスで毎回、クビにならない最低ノルマをクリアするだけ
なので当然、高校生アルバイト程度の収入しかないが
同居の家族が有能な働き者なので世帯収入は安定している
マイノリティーなオカマなのだが、主婦の販売パートに混じって
同じ一般消費者向け物売りセールス生活を過ごすオカマの日常記録ＳＮＳへのリンク
追跡調査結果ＳＮＳリンク２ ： 車上ホームレス元部下ＳＮＳ
アパートの家賃すら払えなくなって車上ホームレス生活をしながら
単純作業の出稼ぎ労働者として、元上司の営業仲介が回してくれる
仮眠所つきの全国の作業場所を転々とする生活日記ＳＮＳ
コメント書き込み欄の登場人物（悪役）：
・自分の呪術自慢を書き込むセールス・マネージャー
・自分が飼育しているペット人間の観察日記を書くセールス・マネージャー
・昔、使っていたセールスが壊れていくのを実況中継して
同じ仕事をする仲間などと物笑いの種にして遊ぶセールス・マネージャー
・自分の営業行動管理の自慢話を書き込むセールス・マネージャー
・無能な考えの甘い元同級生を社内御客様状態に嵌め込み
ノルマ未達成分、自社商品を買わせて使い捨てた
自慢話を書き込むセールス・マネージャー
（なるべく嫌悪感を抱かせるような鬱憤晴らし悪意大爆発キャラが好ましい）
群集心理操作の目論見：
今だに人海戦術の訪問販売セールスで
多件数訪問面談、多件数販売を日常業務にしている
同業他社で働こうとする人を減らし
Ｗｅｂマーケティングとネット通信販売が中心の
我が社に有能な人材が流入する方向に持っていく
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設定を確認しながら、杉山は内心、想う
”馬鹿みてえだなあー、つっまんねー
こーんなもんを誰が見たがったんだよ”
それを口にすると顧客権利職から
”実際に誰かの悲惨な末路を見て
自分の幸せを確かめて喜ぶ人々がいたのは事実だ
いいから指示通りに設定しろ”
というセリフが返ってくるのだろうから
言い出しはしないで、指示された通りに設定作業
馬鹿みたいだなあ。とか、こんな、くだらない事やめたい。とか
もっとマシな仕事をしたい。とか
言葉には出来ないけど作業中に浮かんでくるのは、そんな言葉
今更、やめたとしても、他に何が出来るかと言ったら
何ができるワケでもないから、負け犬作業とは思うけど、やめられない
そんな事を自分で自分に言い聞かせるように呟きながら作業する内に
杉山の暦末尾が２の年の日常が過ぎていった。
・・・
色んな大勢の人を巻き込み
群集心理内に含まれる不満とか鬱憤とかが発散される内に時が過ぎ、
”もう、そろそろ、いいだろう。これくらいで”
という一言が杉山に伝えられ、”炎上ショー”は幕を閉じた。
そのショーの効果は暦末尾が４の年に新聞で知る事になった
人海戦術で販売活動をしていた販売会社が
ネット通販会社に買収されて子会社になった記事で・・
