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プロローグ
確か、中学生の時だったと思う。学年に1人はいる漫談好きの教師が言っていた。
「君と僕なんていう言葉が、男女の関係を表す時によく使われるよね。
実はコレ、ある種、女尊男卑的な言葉なんだよね。元々は、皇女を表す大君とその召使いの下僕の関係を表す言葉だったんだよ。
男子諸君は私みたいに、女性の尻に敷かれた人生を送らないように気をつけてね。」
どうして10年近く前のこんなにどうでも良いことを、僕は突然思い出したのだろうか。
たぶん、君のせいだ。
僕らの関係を表すのには、君と僕と言う言葉がぴったりだ。
でも、勘違いしないで欲しい。
これは、君が王様のように傲慢な態度をしているからではない。君はむしろ謙虚だ。
そして、君が僕の頭の上がらない様な目上の人だからでもない。君はサークルの後輩だ。
だって僕は、君のわがままなら、なんだって叶えてあげたいんだ。君の笑顔の為になら下僕にでもなりたいんだ。
これは、そんな君と僕のノンフィクション。