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第1話 頼れる相棒ミノたん登場

初めまして、鳴海ちせと申します。

この作品が初めて書く小説になります。

いつか書いてみたいと思って、遂に実行に移してみました。

勉強しつつ、改編、修正をしながら一つの作品を書き終えることを目標にやっていきたいと思っております。

拙い文章ではありますが、精一杯書きます。

これを読んで頂いている貴方様に、末長く興味を持って頂けますと幸いです。

人とは違う異形の生物、通称魔物。

魔物は生まれた時から力を求め、人は生まれた時から魔物に力を与えることができた。

ここ【エルドラド】では、両者はお互いの存在意義を認め合い、共に暮らす道を選んだ。


それから幾百年の月日が流れ、人は共存する魔物に敬意を払い、守護精霊ガーディアンと呼び名を変えた。

守護精霊を使役する人は、いつしか召喚士サマナーと呼ばれるようになった。

これから始まる話は、守護精霊の召喚士達ガーディアンサマナーの冒険譚である。




~そして冒険は始まる~



ダンジョン一階、通称草原の間。


空は、牛人型の守護精霊ガーディアンとここへ探索に来ていた。


「そこだミノたん、スラッシュをぶちかませ!」


俺の指示に従い、ミノたんことベビータウロスが、目の前にいる虫型の魔物に向かって走り出す。

スラッシュとは、両手で持った大戦斧で斬りつける、タウロス族の基本技だ。

これが見事にクリティカルヒットしたらしく、斬り裂かれた虫型の魔物は光の粒子となり消え去った。


「おっしゃー、決まったぜ!」


俺の雄叫びと同時に、レベルアップを告げるファンファーレが頭に鳴り響いた。

同時に天の声が詳細を告げてくる。


ベビータウロスのレベルが5になりました

基礎ステータスが向上しました

新技ブルホーンを覚えました


「お、ついに新技ゲットか。ここまでスラッシュだけだったから辛かったぜ……。でもまぁ、これでようやくボス階へ挑戦できるってもんよ」


「やりましたなマスター」


熟練の執事を思わせるような渋い声。

俺の独り言に反応し、労いの言葉が返ってきたのだ。

声の主は、俺の相棒ミノたん。

ギャップ萌えがウリの、頼れる俺のパートナーだ。




ミノタウロスと聞いてどんなイメージが浮かぶだろう?


俺はゲームに出てくるような、デカくてゴツい牛人を即座に想像した。

斧を片手で振り回し、頼れるアタッカーみたいなやつをだ。


しかし、実際に仲間になったミノたんは、想像のミノタウロスとはかけ離れた見た目をしていた。

身長170センチの俺よりも遥かに小さな体。1メートルあるかも怪しい小柄な体躯だ。


両手に持っている斧は、持ち主の身体と反比例して凶悪でデカイ。

こんなものを軽々と振り回しているのだから、魔物の身体能力の高さが、異世界出身の俺でもすぐに理解できた。


出会って数時間が経ち、俺もようやくコイツのギャップに慣れてきた。

ミノたんと初めて出会った時、まさか魔物が喋るとは思いも寄らなかった。ましてや、こんな子供みたいな姿から、低音イケメンボイスが聞こえてくるなんて誰にも想像できないだろう。




この世界に来てからは驚きしかない。


召喚士は、魔物と共にダンジョンを冒険するのが使命であり運命なのだ。

お主にもパートナーをやるからとりあえず行ってこい!


と、目覚めたばかりの俺に無茶を強要したあの髭面爺さん。

あの爺さんのおかげもあって、初対面の俺とミノたんが、ものの数時間で勝利を分かち合うパートナーになっている。


ダンジョンに突入した時はどうなるものかと不安でしょうがなかったが、今はこの現実離れした状況を楽しんでいる自分がいることに、空は自分自身が一番驚いているのであった。




「おう、とりあえず疲れたし今日は帰るか」


レベルアップの喜びを味わいつつも、俺はダンジョンから一度帰還の提案をする。


「賢明な判断ですな」


と相棒は二つ返事で頷いてくれた。


本音を言うとこのままの勢いで次の階層へ乗り込みたい。

しかし、他の冒険者曰く、二階にはボスと呼ばれる強い魔物がいるらしい。


動く騎士鎧型の、リビングアーマーと呼ばれる魔物だそうだ。


何の用意も無しに勝てるほど甘くはないだろう。

ミノたんの言葉は、適切な判断を下した俺を褒めているようにも感じた。


ダンジョンを進むのは大変だったが、戻るのは一瞬だった。


指輪が教えてくれた、帰還の呪文【リターン】を唱えると、瞬く間に世界が移り変わる。


一日目の冒険はこうして終了した。







~回想~




--この世界に来れたのは本当に偶然だった。




元の世界での俺は、何か楽しいことが起きねーかなって、毎日考えて過ごしていた。

バイトして、テキトーに過ごして、またバイトへ行く。

俺はそこら辺にたくさんいる、フリーターの一人だった。




あの日も普段通りバイトへ行き、牛丼チェーン店で晩御飯を済ませて帰った。

いつもと違ったのは、普段、宅配ピザ屋のチラシぐらいしか詰まっていない我が家のポストに、小さな荷物が届いていたことだった。


「なんだこれ、覚えがねーぞ」


頼んだ覚えはなかったが、宛名は確かに自分の名前が記載されていた。

一瞬どうしたもんかと考えたが、とりあえず開ければわかるだろうと思い、部屋に持ち帰る。


「まぁ、何が入ってても損はしねーだろ」


そう言いながら箱を開けていくと、中には不思議な装飾が施された指輪と、折り畳まれた手紙が入っていた。


手紙の内容は簡潔だった。


この指輪を身に付け、貴方の望みを思い浮かべなさい。そして、思いを強く念じながらゲートと唱えれば貴方が望む世界に旅立てることでしょう。

ただし、こちらの世界に戻って来れる保証はありません。

そのことは決して忘れないように…



「なんだこれ、面白そうじゃねーの。どうせここに居たって何も変わりゃしないんだ。なら俺は、その冗談に乗っかってやるよ。」


そう呟くと、俺は迷いなく指輪を身に付けた。


俺の望みは、こんな底辺みたいな現状でもチャンスがある世界。現実よりもヒリヒリして生の実感が湧く、そんな世界に行きたい。

そう思った瞬間、俺は自然とゲートの三文字を発していた。


溢れんばかりの光に包まれ、空は別世界へと旅立ったのであった。







俺、立花たちばな そらはお気楽主義者だ。


『とりあえずやってみればいい』


を信条に30年間生きてきた。




大金持ちになってやるぜー、なんて息巻いていた時期もあった。

でも現実は厳しい。真面目に頑張っても人生が好転することはなかった。




いろんなことがあって、どうしようもなく疲れてしまった。

傷ついて、荒んで、心にぽっかり穴が空いてどうしようもなく辛くなった。




そんな時、


人生は何も頑張ることだけが生き甲斐なんかじゃない!


って、突然誰かに言われた気がした。


その日を境に、俺は人様に迷惑をかけないで緩く生きていこうと決めた。


それからの人生は楽だった。


気づいたら30歳になっていた。


でもずっとこのままでいいのかわからなかった。




「で、……だ。そんな時、チャンスの糸が目の前に垂れてきた。だから迷いなく掴まった。そしたらこの世界に飛ばされていたっていうのが俺の現状よ」


宿に帰還すると、急に現実感がでてきた。


非現実的な状況にいるということに、俺はいつの間にか興奮していたらしい。

ベッドに腰を下ろすなり、ミノたんに自分語りをしていた。


「……なるほど。つまり主は別世界出身であると」


「おう。何かの縁でこうしてパートナーになったんだ。俺はこの世界で自分がどこまで行けるのか試したい。だからミノたん、これからヨロシク頼むぜ。」


「こちらこそよろしく頼み申す。まずは二階層にいるというボス、リビングアーマーの討伐からですな。まぁ、ミノタウルス族期待の新星である我が輩にかかれば、赤子の手を捻るより簡単なことでしょうけどな。」


牛ヅラを破顔させ、ブフォブフォと大声で笑い出すミノたん。

コイツの自信ある表情を見ていると、最初のパートナー選びは大成功だったと感じてくるぜ。

とりあえず今日はとっとと寝て、明日に備えないとな。


「じゃあミノたん、とりあえずまた明日な!」


俺の言葉が届いた瞬間、ミノたんは指輪に吸い込まれるように消えていった。


この指輪には、召喚士を補佐する色々な機能がついているらしい。


ダンジョンを出た時の呪文や、守護精霊を収容する機能もその一つだ。




「俺は絶対この世界で"何か"を掴んでみせる。そのためにはどんなことだってやってやるぜ」


空の独り言は、薄暗い部屋に静かに消えていくのであった。













投稿ボタンを押すのに1日かかってしまいました。

小説を書くのは難しいですね。

書き溜めはないので、2話目も早めに投稿できるように頑張ります!

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