悲報
沢山話、ふざけ、一気に皆の距離が縮んだ一日だった。気づいた頃には、皆眠りについていた。
ある事に気づいたのは翌日のこと。
「おはよー」
「うっす」
私と雄輔はほぼ同じタイミングで目を覚ました。携帯の時間を見るとほぼ昼に近かった。
「おい! 皆こっちへ来い!」
「は、早く!」
巧と奏の声が聞こえた。かなり焦っている声。
「い、行こう!」
「おう!」
私と雄輔は急いで皆のところへ行った。
「どうしたの?」
私は問う。
「あ、あのね由佳ちゃん。落ち着いて聞いて。雄輔も……」
ゆずの顔が青ざめている。昨日と違い髪を一つにまとめている為、ゆずの表情は分かりやすい。
「これ見て。か、かすみちゃんが……」
ゆずは泣き崩れる。それを麻那が支えた。
「な、何よこれ……」
「嘘だろ?」
ゆずが見せた携帯にはある事件の内容が書かれていた。廃墟近くの山で、一人の少女が死んでいるという。
「どうすんだよ」
巧は俯いている。
「ヤクちゃん……」
奏がつぶやく。
「やめてください! こんな時にあの人の名前を出すなんて! ゆず、大丈夫よ」
そういう麻那だって震えている。
「もう駄目なのか。俺達……」
雄輔の目には力が無い。 皆、絶望と恐怖で何も考えれないのだ。
そんな時、ゆずが立ち上がった。
「皆、ゆずに考えがあるの」