1話*わからないのです*
ある日の放課後のこと。私、花崎 柚乃は違うクラスの男子に、教室へと呼び出されていた。
「花崎さん!俺、ずっと花崎さんのことが好きだったんだ。良かったら付き合ってください!」
「うん!ありがとう、私も好きだよ。どこに付き合えばいいの?」
「えっ、あ、いやそういうことじゃなくて.......ううん、ごめん。やっぱりなんでもないんだ!忘れてくれ!じゃあまた明日な!」
なぜか逃げるように走り去られてしまい、一人教室に残された私は、何をすればいいかわからずただ突っ立っていた。すると、突然背後から声が聞こえた。
「柚乃ってば小悪魔なのか本物の天然なのか...あんなベタな断り方したら可哀想よ?」
パッと振り向くと、親友の姫宮 藍梨が腕組みをして立っていた。いつの間に入ってきたんだろう、と思ったがそれよりも、
「藍梨ちゃん!さっきの聞いてたの?ねぇ、私何か悪いこと言っちゃったのかなぁ...」
「まあまあ、自分で考えてみなさい。それと、無理をする必要はないけれど、柚乃はそろそろ恋をしてもいいと思うのよ。」
また言われてしまった。そんなことを言われても、私には恋というのがどんなものなのか、全くわからない。さっきの男子は私に恋をしていたのだろうか?そういう意味での好きを伝えてくれたのだろうか?
「うぅ〜考えてもわからないよ。恋するってどんな感じなの?藍梨ちゃん教えて!」
「どんな感じと言われても、言葉でいえるようなものじゃな「俺が教えようか?」い...えっ?」
男子生徒が突然入ってきたかと思うと、藍梨ちゃんは反射的に私をかばうようにした。相手が私達のクラスメイトであり私の幼馴染の水城 蓮だとわかると、なにやら言い合いをし始めた。
「水城!アンタ、この柚乃に恋を教えるなんてどういうつもりよ?そこら辺の女子高生とは違うのよ?純粋で繊細なんだから、傷つけるとか、ましてや身体で教え込むなんてことがあったらタダじゃおかないわよ...?」
「怖ぇよ(笑)俺が柚乃にそんなことする訳ないだろ?それに、柚乃との付き合いは俺の方がお前よりも長いんだから適任だと思うんだけどなぁ??」
「ちょ、ちょっと!藍梨ちゃん、蓮!私のこと置いて2人で話進めないでよ!」
2人だけの世界に入られたのがなんだか寂しかったので、ちょっと怒りを込めて睨んでみた。だけど、なぜか私の顔を見た瞬間サッと後ろを向かれてしまった。そ、そんなに怖い顔しちゃってたかな...?
***
死ぬほど可愛い睨みをきかせてきた柚乃はその後、「そういえば今日は私が夕食作ることになってたんだ!」と言って先に帰ってしまった。私は水城と二人、教室に残されたが何を喋ればいいのやら。でも沈黙は居心地が悪いのでとりあえずさっきの話題をもう一度持ち出してみた。
「で、結局アンタはどういう風に柚乃に恋を教えるつもりなの?」
「ああ、そんなのもちろん、俺に恋させる☆」
「......はい???」
即答気味でそう答えた水城のことをこいつ頭大丈夫か?と本気で思ったが、逆に、そう即答できるほどの自信があるのか、と興味深くなった。
「...一応聞いてあげるわ。柚乃を落とす手段はあるの?ほんとに、無理矢理とかだったら今この場で殺るわよ。」
「ひ、姫宮、目がガチだって...。安心しろよ、柚乃を傷つけるなんて俺も絶対したくない。とりあえずは俺のバスケの試合を今度見に来てもらいたいと思ってんだけど...姫宮からなんとなく言ってもらえないか?」
バスケ?そういえばこいつ、バスケ部だったっけ。というかなんで私がこいつと柚乃の恋を応援するみたいになってるんだろ。でも柚乃に恋して欲しいのも事実だし、
「わかったわ。バスケの試合を見せたら何かが変わるかもなのね?そこまで自信があるのなら期待しといてあげる。だけど何も変わらなかったらそれっきりよ。」
「おう、わかった。ありがとう!マジで助かる!実は柚乃のやつ、俺がバスケやってること知らないんだよな〜。だからいつもと違う俺を見せて、キュンとしてくれたらなっなんて(笑)」
「なんか思考が乙女...ハァ」
「う、うるせっ!まあ試合は来週だからそれとなく言っといてな!じゃあまた。」
ようやく帰った。なんてうるさい奴なんだろう。一緒に居ると疲れる。だが、バスケの試合、これはいい機会かもしれないと思った。柚乃が恋できない原因はまず男子のことを男と、異性として見ていないことにもあると思う。高校男子バスケ部にはそれなりに男らしい奴らが揃ってると思うから、水城じゃなくたっていい←。気になる人の1人でも見つけてくれたら、大きな進歩だ、と思った。
こんな感じで大丈夫でしょうか...(´;ω; `)
とりあえず、藍梨ちゃんsideのその後をいれて改稿!不自然なところあるかなぁ...(((((( ;゜Д゜)))))ガクガクブルブル