異世界人種と初めての遭遇
先日は更新が無くて申し訳ありません。
忘年会やら何やらで投稿のタイミングがありませんでした。
……ドサッ
地面に叩き付けられる感覚で目を覚ます。
一体、何が……そうだった、空の旅を終えたのか。
心配そうに頬をなめてくるグル。
心配してくれるのはうれしいのだが、そのあまりの悪臭には思わず眉をしかめてしまう。
強張った表情であたりを見渡すと、どうやら森を無事抜けられたらしい。
どうやらここは何処かの山の中腹のようで目の前には開けた盆地が広がっており、
そこには小さな集落のようなものが見えた。
盆地に密集する家々はその殆どが茅葺屋根でできていて、木々に覆われた山々と相まって
山奥の秘境といった体をなしていた。
その神秘的で美しい光景に目を奪われていると、後ろからガサ、と何かを踏んだような音が聞こえた。
気になって振り返ると、そこには少女が立ち尽くしていた。
簡単な飾り縫いを施したややくすんだ白い布に腕や首を通す穴をあけただけといった風の衣装をまとった
その少女は、青い瞳に怯えを浮かべながらこちらを見つめていた。
声をかけようと近づいたその時少女は、
「ひっ……」
と声を漏らし膝から崩れ落ちた。
あわてて駆け寄り倒れてくる少女を受け止めると、地面に横に寝かせた。
顔面は蒼白で、どうやら意識を失っているようである。
体調でも悪いのだろうかと、心配にはなったがこういう場合は下手に動かさないほうが良い、
という話を思い出し、とりあえず意識が戻るまで待つことにした。
ただ待っているのも落ち着かなかったので、とりあえずグルにはこの近くで水のある場所を探しに行ってもらった。
――5分ほどだろうか、幾許も経たず少女が目を覚ました。
目を覚ました少女はこちらに気が付くとものすごい勢いで俺の方に詰め寄り捲し立てた。
「フリグォンは何処に行ったの!?大丈夫、けがは無い?」
少し驚いたが、冷静に言葉を返す。
「ちょっと待て、そんなに一度に言われても分からん。落ち着いて話すんだ。」
努めて穏やかな口調で諭すように言ったつもりであったが、少女は逆に苛立ちを表しながら言葉を返した。
「何を恍けたことを言ってるの!さっきあなたの隣にいた魔物がフリグォンよ!落ち着いてる場合じゃないでしょ!どうして今
あいつがいないのかはわからないけどまたいつ戻ってくるのかわからないのよのんびりなんてできるわけないでしょ!」
……さっきの魔物って、グルの事かな?
というか魔物ってことは、やっぱりこれFantasyじゃないですかああ!!
マジで!?
ファンタジーっていうとやっぱり、初めは、その辺の野兎にも勝てないから、演奏でもして金を稼ごうとか
考えて、聴衆に石を投げられて即死して演奏に見切りをつけて、農家の収穫手伝いをしようとしたら重すぎる作物に
潰されて死んで断念して、最後には、町で身体を売りながらその日の金を稼ぐっていう……
「……ぇ……ねえ……ねえってば、ちょっと!聞いてるの?」
少女の怒鳴り声にも似た大声で思考を中断。
「あ、はい。ごめんなさいなんでしょう。」
全く聞いてなかったのでとりあえず謝る。
「とにかく逃げましょう、もう一度あの魔物が来る前に……」
少女が言い切る前に言葉を挟む。
「ああ、いや。グルなら大丈夫。何故か俺のいう事は聞くから。」
怪訝そうな表情を浮かべながら少女はいう。
「グル…って、さっきのフリグォンの事?そういえば、初めて見たときは、行儀よくあなたの隣にいたような……もしかして、
貴方って、野獣調教師なのかしら、いえ、でも魔物を手なずける野獣調教師なんて聞いたことが無いわ……」
何やら考え込んでしまう少女をよそに、俺はグルが返ってきたのを見つける。
「お、グルが、かえって来たぞ。グル~、どうだった?」
グルルル~と嬉しそうに尻尾をふるグル。
どうやら、水場は見つかったようだ。
でも、少女の目も覚めたし別に水場の必要性も無くなっちゃったな。
「ひっ…さっきのフリグォン…」
漏れたのは少女の小さな悲鳴。
かなり怯えた様子だったが、グルが襲い掛からない事を認めると、打って変わって怪訝そうな顔に戻り、
俺の方を向いた。
「ねえ、コレどうなってるの?」
聞かれたところで良くわからないし、まさかちょっと変わったオナニーしてたらこんな能力が身についた
だなんていうわけにもいかないので、
「さあ…?」
と答えるともっと怪訝な顔をされた。
「あ、そうだ。名前を聞いてなかった。俺は、浜田洋平。君の名前はなんていうの?」
少女は怪訝な表情を通り越して、呆れたような顔になった。
主人公の言葉が何の問題もなく通じるのには実は理由があります。