洋平かく語りき
携帯電話からの投稿方法がわからず苦節3時間。
出先からの投稿がこんなにも困難に溢れているとは思わなかった……
「もう、何処に行ってたのよ」
村の入り口へと戻ってきた俺を迎えたのはマリアのそんな一声だった。
「いや、ちょっと気になる事があってその辺をウロウロ……」
はあ、と短い溜息を漏らしたマリア。
「まあ、何でも良いけど……村長達の許可は下りたわ。着いてきて。」
そう言うと村の奥へずんずんと進んで行くマリア。
道も分からなければこれから何をすべきかも分からない俺は、ただその後を着いていく。
あるきながら先程の事に着いて考えていた。我ながら、いろんな意味で恥ずかしい台詞を吐きまくってしまったとは思うのだが、問題はそこではない。
少女の病---本人は呪いと表現したが---を完治させた事だ。
それもまっとうな医療手段を用いずに、だ。
考えうる可能性としては幾つかあるが、現時点でそれを絞りきるのは難しいだろう。あまりにも情報が少なすぎる。
もちろん、可能性の一つとして、この世界がファンタジー風味な事からも、魔法の存在が挙げられる。
しかし、あの変態少女の反応を見る限り、そして薬師といった職業の存在を鑑みても、俺がしたことがこの世界で常識的な事である可能性は低いように思える。
まあ、考えても結論が出ない事について悩むのも愚かしいので、このことは後回しにしても構わないだろう。
今は俺が病の人間を癒す、あるいはそれに準じる能力を偶然にも得た、という認識でも問題はなさそうである。
まさかとは思うが、これもエナジーオーガズムの副産物だったり…ないか。
そうこうしているといつの間にか、一つの大きな木造建築の前に着いていた。
他の多くの住居が茅葺屋根なのに対して、この建物ともう一件だけは全て木材で組み上げられていた。
「ここが私たちの村長の住居よ。貴方も今日からこの村に住むわけだから先ずは挨拶から…
え?俺、この村に住む事になったの?
彼の力は魔法ではありません。