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俺以外の生き物が全員異世界転移して一年限定で地球に取り残された件

作者: 鱈場蟹
掲載日:2026/05/27

俺はクロム、高校一年生だ。

今、地球にいる生物は俺だけ。

とりあえず何が起こったかを話す。


———1日前、俺はいつものように学校に向かっていた。

突然、周りの人々や動物、あるいは植物の足元に紫色に耀く魔法陣のようなものが現れた。


「なんだ!?」


俺は咄嗟に自分の足元を見た。

しかし——何もない。

数秒後、周りの生き物が一斉にいなくなった。


「は?」


俺はしばらく身構えたが、何も起こらない。


「どうなってる?」


すると突然目の前に若い女性姿をした、いかにも物語でよくある女神っぽい人物が姿を現した。


「あ、やっちゃった!1人取り残しちゃった!」


「どういうことですか?」


「えっと、簡単に説明すると私たち神界では実験として地球の生き物を一年だけ異世界に飛ばして、そこで生活してみてもらうっていうことを実行したの」


仙人は続ける。


「そしたらこっちのシステムの不具合で君だけが地球に取り残されたってわけ」


俺は混乱していることに気づいて女神が言う。


「あ、大丈夫安心して!転移先の異世界は安全だからみんな元気にやってるはず」


「いや心配はそこじゃねえ!俺これからどうやって生活するんですか!?動物も植物もいなくなったから食べ物ないんですけど!」


「大丈夫、すでに加工された食料は残ってるよ!」


「それならだいじょ…」


「あ、ごめんね!こっちの手違いで加工された食料も転移されたみたい!」


「ふざけるなぁぁぁ!それなら俺を転移させてくれ!」


「それは神界の法律で禁止されてるの!」


「どんな法律だよ!」


「さすがに可哀想だから、食べ物を用意するね!」


すると突然、目の前に別の女神らしき人物が現れた。


「お待たせしましたー、デリバリーサービスのメガミナルドです」


「どっかで聞いたことある名前だな!」


「コーラとハンバーガーをお持ちしました」


「普通のファーストフードかよ!」


「とりあえず、毎日朝昼晩に自宅の前に置いておくので、頑張って過ごしてください!

あ、あと発電所とかはこちらで自動管理しとくのでご安心を!」


そう言って、転移女神とフード女神はどこかに行ってしまった。


「どうやって過ごすってんだよぉぉぉぉ!」


ーー数日後


最初は静かすぎて気が狂いそうだった。


駅に行っても、誰もいない。

改札は開いたまま。

電車はホームの途中で止まったまま。


渋谷のスクランブル交差点なんて、信号だけが律儀に動いていた。


「……怖っ」


最初はそう思った。


でも、数日もすると慣れる。


遊園地ではジェットコースターを何周もした。

映画館では一人でポップコーンを抱えて騒いだ。

学校では放送室を使って、意味もなく校内放送を流した。


「こちらクロム、本日の給食はありません」


誰もいない校舎に、自分の声だけが響く。


なんだか、世界を独り占めしたみたいだった。


でも、


「そろそろ、人類を探しに行くか!」


え、どこに探しに行くかって??

そりゃもちろん———宇宙だ。

女神は”地球”の生き物を転移させたとは言ったけど、”この世界”とまでは言ってなかった。

宇宙ステーションにいる宇宙飛行士は無事なんじゃないか??


「よし、まずはロケットの構造を学ぶところからだ!なんとしても一年で宇宙に行くぞ!」


そう決意を固めた矢先、上から人が降ってきた。


「なんだ!?」


見ると、パラシュートを身につけた宇宙飛行士たちだ。


「生存者だ!」


「いやスムーズすぎるだろ!てかそっちからくるのかよ!」


俺は降りてきた宇宙飛行士たちに、女神から言われたことを説明した。


「そういうことだったのか…俺たちは地球と通信ができなくなって慌てて緊急で帰還したんだ」


日本人の宇宙飛行士が言った。


「とりあえず、これからどうしましょう」


「よし、とりあえず…遊ぶか!」


「え?結局そうなるの??」


「いつかみんな帰ってくるんだろ?それなら一年ぐらい遊ぼうぜ!」


「確かに、、それなら遊びましょう!」


ーー宇宙飛行士たちとの共同生活が始まってから、俺たちはやりたい放題だった。


まず最初にやったのは——高速道路貸切レース。


「うおおおおお!!」


「制限速度守る必要ないって最高だな!」


誰もいない首都高を、スポーツカーで爆走する。


もちろん免許なんて気にしない。

だって捕まえる警察官もいない。


「待てクロム!そっちレインボーブリッジだ!」


「ショートカットだぁぁぁ!」


数日後。


今度は東京タワーを完全貸切した。


展望台でカップ麺を食べながら、宇宙飛行士の一人が言う。


「宇宙から見る夜景より、なんか寂しいな」


「いや、それ重いこと言うなよ」


静かな東京は、綺麗すぎて逆に怖かった。


だから俺たちは騒ぐことにした。


深夜の渋谷スクランブル交差点にサッカーゴールを置いて、

五対五で試合をした。


「パス!」


「よっしゃ決めろ!」


「おいボールがゴールに入ったぞ!」


誰もいない交差点に、俺たちの笑い声だけが響く。


さらに後日。


「今日は国会議事堂で鬼ごっこを開催します」


「なんで???」


「一回やってみたかった」


「小学生か!」


最終的に議長席に座ったやつが勝ちという謎ルールになった。


一年後、ついに全ての地球上の生物が帰ってきた。

帰ってきたものは皆、口を揃えて言う。


「異世界もっといたかったなー、あそこでの生活が本当に楽しくて忘れられないんだ!

特にあのステーキは絶品だった!」


すると俺たちも口を揃えて言う。


「やっぱり俺たちも異世界行きたかったよぉぉぉ!」

最後まで読んでいただきありがとうございます!久しぶりに小説を投稿しました!自分で言うのもなんですが結構カオスです()もし面白かったら、ブクマや評価していただけると励みになります!

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