レベッカの理由と焦り
レベッカの言葉を聞いたヒルダは、首を傾げながら詳しい話を聞こうとしていった。
「……私を見て、強くならなきゃ、ですか?」
「はい」
「……それはまた、どうしてですか……?」
「いえ、ダンジョン探索についてはあたしの方が先輩なのに、戦闘能力に関してはヒルダ様の方が圧倒的に上じゃないですか?」
「……そう、ですかね?」
「そうですよ! あたしが苦手なスライムを一瞬で倒す事が出来ますし、その他の魔物だってあたしよりも素早く、大勢倒せていますし……」
「……でも、私が魔法を使うのには時間が掛かりますし、その点は詠唱時間を必要としないレベッカさんの方が……」
「ヒルダ様はその詠唱時間もしっかりと対処してるじゃないですか!」
「あ、あはは……」
レベッカから詳しい話を聞いていったヒルダは、自身との実力差に落ち込んでいるレベッカをなんとか励まそうと声を掛ける。
しかしそれでもレベッカの落ち込みは解消されず、この状況にヒルダは苦笑いを見せていく。
そうして話し込んでいるヒルダとレベッカに、複数体のゴブリンとスライムが迫ってきていた。
「……グケッ、グケッ」
「……」
「……あはは……うん……?」
「……うん? どうかしましたか、ヒルダ様?」
「いえ、今、なにかの声がしたような……?」
「……魔物ですかね? もしそうならいつでも対処出来るようにしておかないと……」
ゴブリン達とスライム達の接近を、うっすらと感知したヒルダが、レベッカになにかが近付いてきていると報告する。
この報告を聞いたレベッカが戦闘態勢に入ると、ヒルダも戦闘態勢に入っていき、周囲を注意深く睨み付けていく。
そんな戦闘準備を終えたヒルダとレベッカに、ゴブリン達とスライム達が一斉に襲い掛かっていき、これにヒルダとレベッカも迎撃を開始、再び乱戦が始まった。
「そうですね……さて、どこからくるのか……」
「……グゲッ! グゲーッ!!」
「……」
「……はっ!? きた!」
「……ゴブリンと……うげっ!? スライムかよ!? あたしはスライムが苦手だって言ってるでしょ!?」
「そんな事を言ってる場合じゃありませんよ、レベッカさん! すぐに迎撃しないと!」
「あ、はい、そうですね……」
「しっかりしてくださいよ、先輩!」
「せ、先輩!?」
「ええ。レベッカ先輩、私はどうすれば良いですか?」
「……そうですね、とりあえずスライムの対処をお願いします! あたしはゴブリンの対処をしていきますから!」
「了解です!」
レベッカを先輩呼びしたヒルダは、レベッカの指示通りにスライム達と戦い始める。
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